8月27日、本州初のラム蒸留所、ナインリーヴスを訪ねてお隣の滋賀県へ行きました。

 

蒸留所訪問としては2007年2月に北イタリア、バッサーノ・デル・グラッパ郊外のポリ社を

当主ジャコポ氏に御案内いただいて以来、

またラムの蒸留所としては2005年10月にカリブ海仏領グアドループ島の

ダモワゾーを訪ねて以来久々となりました。

 

開店から早4年、日々の業務に追われて近畿からも出ておりませんが

まさか畿内でラムの生産を見学できる日が来るとは望外です。

造り手でオーナーの竹内義治氏がお一人で造っていらっしゃる

マイクロ・ディスティラリーです。

 

今回は再溜の工程を拝見させていただきました。

写真はグレンモーレンジのスティルの形状を参考に造られた、フォーサイス社製の再溜釜です。

奥の初溜釜はベンチャー・ウイスキーの秩父蒸留所のそれを意識して造られました。

 


 

「東京のバーテンダーの方も御一緒するかもしれません」

との連絡をいただき、おそらく・・と思いましたが

予想通り日本ラム協会の中山篤志氏と再会できました。

銀座 Bar Lampのマスターで、ガイアナやモーリシャス、レユニオンも訪れた

日本のラム業界の最前線を行く方です。さすがの行動力です。

 

石山駅から、壬申の乱の古戦場として有名な瀬田川沿いに進み

岩間山麓を登る途中の少し開けた高台に蒸留所があります。

 

 



 

 

その隣にはこの地に蒸留所を建設する所以となった長石鉱山の坑道があります。

現在は廃坑ですがその地下深くに仕込み水の源泉があります。

日本では希少な非加熱のミネラル・ウォーターとして販売もされています。

 



 

 

ラムは世界で最も生産版図の広範な蒸留酒です。

蒸留所の数を正確に把握することは困難ですが

一説には4000程度はあるとも云われています。

統廃合で急激に減少しつつあるようですが

かつて立ち寄ったタイのサムイ島にも小さなラムの蒸留所があり、驚きました。

 

それら世界のラムの蒸留所のほとんどが、以下のどちらかの条件のもとに造られています。

・原料(さとうきび・糖蜜)を確保しやすい環境にある

・蒸留設備がすでにあり、原料を変えるだけでラムを生産できる

 

ナインリーヴスはそのどちらにも当てはまらない、世界でも稀有な蒸留所です。

竹内氏の確固たる理念によって誕生した、全く新しい生産のスタイルといえます。

 

次回より具体的な生産方法を御紹介していこうと思います。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます