開封いたしました

ガルデル 1977   32年 シルバーシール

Gardel 1977 /32yo /50.8% /Silver Seal

H 1800 / F 3400

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013

 

カリブ海の仏領グアドループ島より、超個性的なラムが届きました。

島の東側、グランデ・テールのガーデル製糖工場で造られた樽出し原酒です。

イタリアのシルバーシール社によるボトリングです。

エキゾチックな色彩のラベルには、なぜかオーストラリアに生息するキバタンが描かれています。

 

開封時から香りは強烈!

溶剤様の刺激の中に、強い酸や焦がしたカラメル、廃屋の匂いが鼻を突きます。

口に含むと突き抜けた苦みと酸味です。

人気のスコアリング・サイト、Whiskyfunのセルジュ氏は insane(狂気)と評しています。

 

賛否の分かれる香味でしょう。

おそらくは発生したガスによる事故を防ぐために屋外に設置された

熱帯の島の発酵槽で

望ましく無い類の発酵をしたのは明らかです。

 

皆々様にはとてもお勧めできませんが

濃厚辛口苦ラムの愛好家の方は是非お試しください。

思わず破顔してしまう逸品でございます。

 

022

 

蝶のような形のグアドループの東の翅、グランデ・テールには

このガルデル製糖工場と、ご近所のダモワゾー蒸留所がございます。

海外のサイトを検索しますと、ガーデルでの蒸留は1992年で終了したという説もあり

また98年蒸留のガーデルというボトルも販売されていたりして

稼働状況の詳細は私では調べられませんでした。

 

Pure Agricole Rumの表記もありますが、

イタリアン・ボトラーはよくデメララにもそう記していますので

気にしなくてもいいことなのでしょう。

 

 

1585

 

グアドループ島を訪れたのは2005年の10月のことです。

パリから8時間飛んでマルティニーク島に、さらに小さなプロペラ機で数十分の距離です。

いつものように一人で、まずダモワゾー蒸留所を訪ねたのですが

光栄にも現当主のエルヴェ・ダモワゾー氏その人にご案内していただけました。

 

蒸留所と熟成庫をご案内いただいた後

ちょうどブリストルやアルケミストからガーデルのボトルが発売された頃でしたので

その稼働状況について尋ねてみたのですが

「ガルデルは製糖工場で、今も昔もラムを蒸留したという話は聞いたことが無いよ。」

とお答えいただきました。

 

これは事実なのか

私の英語の拙さゆえの齟齬があったのか

エルヴェ氏が興味が無く、ご存知なかったのか

あるいはご近所ならではの何かしらの事情があったのか

今だにわかりません。

 

もしこれがスコッチウイスキーの世界なら

最寄りの蒸留所の変名であることが多いのですけどね。

 

 

 

 

 

1663

 

私がグアドループを訪れたちょうどその時に

北カリブでは観測史上最大のハリケーン “ウィルマ” が猛威をふるっていました。

その影響がある距離なのかどうか

時折凄まじい豪雨や強風で、海も大荒れになりました。

 

写真はグアドループの中心ポワンタ・ピートルより望む、嵐の後のカリブの夕景です。

 

 

 

 

 

 

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