カテゴリー : Ron スペイン系

ラム酒専門店がおすすめする新ベーシック・アイテムとしてのラム銘柄一覧   ・R&W式ラム分類法

 

 

混沌こそは豊饒の源です。

近代、児童文学は民話から性と残酷描写を排除してその魅力を失い

恐ろしい妖怪も名付けられ分類されて、無害であわれなマスコットに成り果てています。

 

しかし時は流れ、状況は変遷し

混沌をありのままに受け入れて楽しんでいただける時代ではなくなりました。

 

ラムの世界もこれからより多くの皆様に受け入れていただくためには

きちんとカテゴライズされていく必要があるようです。

 

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昨今ネットショップでは1000種を超えるラムが販売され

容易に入手できる良い時代になりましたが

実際どの銘柄を購入すれば良いのかは

選択肢が多過ぎてかえって難しくなっているように思えます。

 

ラムの魅力はその多様性にありますが

それは同時に全体像を把握し難くもしています。

 

他の多くの酒のジャンルと違い

製法のルーツや、飲料としての機能の全く異なる世界各地の酒文化が

“さとうきび由来の蒸留酒をラムと呼ぶ”という定義によってくくられているからです。

 

今回は実際に当店でお客様によくおすすめしている銘柄を

その実践的な分類とともに御紹介いたします。

 

 

 

ラムの分類といえば、かつては色目からホワイト・ゴールド・ダークに

香味からライト・ミディアム・ヘビーに、

 

最近は歴史的経緯と生産方法から

 

Rum イギリス系。英国のスコッチのようなドライで重厚な香味。

Rhum フランス系。仏産ブランデーのようなフルーティーな香りと繊細なボディ。

Ron スペイン系。アンダルシアのデザート・シェリーのような柔らかな甘口。

 

に分類することが多いようです。

 

一つのたたき台と思っていただきたいのですが

私は扱っているラムを、現場での用途とその機能から大きく7つに分類しています。

 

R&W式ラム分類法

Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

Category-5 熟成ラム甘口・スタンダードクラス  (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

Category-6 熟成ラム辛口・プレミアムクラス  (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

このうち総合的なバーで必須なのはまずCategory-1 (以下C1)です。

ダイキリやXYZなどスタンダードカクテル製作に使用します。

人気があるのはC5です。現在、バーでのラムの御注文の多くはこのカテゴリーでしょう。

当店で特にお奨めしているのはC6です。上質なものはスコッチやコニャックの極上品に匹敵します。

シングルモルトから嗜好を広げる方は、まず必ずこのタイプをお選びください。

 

その他のカテゴリーについては専門店なら必要ですが

総合的なバーでは必須というものでもありません。

 

私もかつては総合的なバーに勤めておりました。

バックバーにはスコッチ・バーボン・リキュールが並び

わずかにブランデーとスピリッツ、ラムは通常10本以下でしょう。

 

その狭き枠に無駄なくおいしいラムを置いていただき、

お客様に的確にお求めのものを御提供していただくことこそが

ラムの愉しみを広く知っていただく第一歩になると考え

その一助になればとの思いからこの文を記しております。

 

マイヤーズやロンリコ、レモンハートなどの慣れ親しんだ銘酒たちから一歩踏み込んで

それぞれのボトルが明確な目的を持った、新しいベーシック・アイテムを選定すべき時が来ました。

 

それでは各カテゴリーの内容とおすすめの銘柄を見ていきましょう。

 

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Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

 

どのバーにも一本は必要なものです。

ダイキリやXYZ、近年人気のモヒートなどのベースとなります。

カクテルベースのホワイト、といっても良いでしょう。

 

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多くは連続式蒸留器での高濃度蒸留と活性炭フィルター濾過により

原料由来の香味を除去し、クリアなウォッカのような酒質にしています。

機能と用途の点から乱暴に言うなら、さとうきびで造るウォッカです。

 

C1はバカルディ・ホワイト一本で充分です。

品質・知名度・汎用性・価格・入手の容易さ、現在の日本市場では別格です。

 

もちろん専門店や差別化を考えているお店、あるいはメーカーのしばりがあればその限りではありません。

 

当店ではC1はサンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカを主に使っています。

キューバ・ラムらしい素朴な穀物のような香味を好ましく思っての選択です。

それでもその僅かな穀物様の個性は、副材料によってぶつかってしまうことがあります。

グレープフルーツやトマトジュースのカクテルの場合はバカルディに変えています。

 

これは当店がラムに特化した店だからしていることです。

その分冷凍庫内のスペースは失われますので

たとえばテキーラなんかは一本だけしか置くことができていません。

それはまたそちらの専門店でしていただくのが良いと考えています。

 

まずはバカルディ・ホワイトを、余裕があればその他のものも置いていただければ

より幅広くお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 

サンティアゴ以外ではハバナクラブやアプルトンのホワイトもおすすめです。

ハバナクラブのアネホブランコはラムらしい香味が程よく感じられて

代えがたい個性がありましたが、終売のようですね。

 

 

少し厚みのある質感を好まれる方には

プランテーション・スリー・スターズがお薦めです。

旧英領の三国のラムのブレンドで

エギュベル・ジンのようなふくよかな甘みを感じさせます。

当店では冷凍してラム・リッキーやXYZに使っています。

 

ハバナクラブの3年を使っていらっしゃるお店も多いようですが

はっきりとラムらしい個性が主張しますので、少し好き嫌いが分かれるようです。

香味が強すぎるようでしたら

バカルディ45mlに対してハバナ3年をほんの1tsp加えるだけで充分深みが出ますので

ダイキリなどで一度お試し下さいませ。

各C1銘柄とカクテルの相性につきましては、また別に記事にしたいと思います。

 

推奨銘柄

Ron

バカルディ・ホワイト 1000円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ・ブランコ 2000円前後

Rum

プランテーション・スリー・スターズ  1500円前後

 

 

 

 

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

 

C1とは違ってそれ自体にしっかりとした香味の主張のあるホワイト・ラムです。

その味わいをストレートかロックでそのままお愉しみいただくか

あるいはその個性を生かしたティ・ポンシュなどのカクテルにするタイプです。

 

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C1がいわばウォッカに近いタイプとすれば

C2はテキーラのブランコや透明のグラッパ、オードヴィーと近い区分になります。

 

好き嫌いの分かれるカテゴリーです。

熟成していない分、蒸留所ごとの原酒の個性が明確に表れますので

その違いを愉しむには最適です。

 

しかしその強烈な個性ゆえに全く受け付けないという方もいらっしゃいます。

嗜好品ですので、それで良いのです。

 

ただ注意していただきたいのは、これをC1として扱ってはいけないということです。

例えばカクテルベースのジンをいつものビーフィーターからタンカレーに変えるような感覚で

このタイプのホワイトを仕入れてしまいますと

使いにくいし、お客様の反応も悪く、棚の飾りになってしまいます。

そうなると次のラムの仕入れやお試しいただける機会が遠のいてしまいますので

是非それぞれのボトルの特性をよくご理解いただいた上で扱っていただければと願います。

 

このカテゴリーのおすすめ銘柄ですが・・

現時点では総合的なバーには必須でも無いようにも思えます。

もちろん専門店なら複数必ず用意されるべきものですが

体系的な説明が難しい環境で単体で御提供しても魅力が伝わりにくい上、

むしろ誤解を招く危険性もあるように思えます。

 

それでも何か一本、ということでしたら

いっそこのスタイルの極致ともいうべきペール・ラバ・ブラン59%なら通人も満足でまた試金石にもなりますし

もう少し控え目にならダモワゾー・ブランも旨味しっかりでおすすめです。

 

また、カクテルユースを主に考えるならフランス系のネグリタ・ホワイトも

エキゾティックな香り豊かながらミキサビリティーが高く、創作の幅が広がる一本です。

 

あるいはこの枠に日本の誇るこのカテゴリーの頂点の一つ、ナイン・リーヴス・クリアを置くのはいかがでしょう。

仏領のものと個性は違いますが品質は最高で、国産という話題性もありお客様の興味を引きます。

 

どのボトルを置かれるにしても、提供者の理解が深まればより魅力を増すタイプですから

カクテルに使われる場合も事前に充分シミュレートして調整していただきたいと思います。

経験上、テキーラ・ベースを想定したレシピとの相性が良いようですので、お試しください。

 

 

推奨銘柄

Rhum

ペール・ラバ・ブラン59% 3500円前後

ダモワゾー・ブラン 2000円前後

ネグリタ・ホワイト 1800円前後 カクテルベースに

国産

ナイン・リーヴス・クリア 5000円前後

 

 

 

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

 

C1やC2のホワイトを数ヶ月から3年程度短期熟成したもの、もしくはそれ相当の軽い熟成感のものです。

C1は木樽の成分を吸収して複雑な香味になり

C2は熟成によって強い主張が抑えられ、柔らかい香味になります。

 

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テキーラのレポサドや、ウイスキーならトリスなどが近い区分です。

熟成酒として完成されていませんが、透明のものには無い樽の風味があり

双方の中間的な魅力があります。

 

若いウイスキー同様にソーダで割ってハイボールにすることが多いです。

またその個性を生かしたカクテルにもいたします。

 

仏領の物にはアンブレ(琥珀)、パイユ(麦わら)、エルヴェ・スー・ボワ(樽熟)などの表記があります。

 

推奨銘柄

Ron

ハバナクラブ3年 1500円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ 2500円前後

バカルディ・ソレラ・リザーブ 2800円前後  軽くレモンピールでハイボールに最適

Rhum

ダモワゾー・アンブレ 2000円前後

バルバンクール4年 2000円前後  辛口ハイボールに

 

 

 

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

 

しっかりと熟成した若いラムです。ダーク・ラムもしくはゴールド・ラムとしての最初の完成形です。

樽熟成由来の複雑な香味が楽しめますが、まだ若く粗く、強いアルコールの刺激を感じます。

 

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欧米や、ラム専門店ではストレートで飲まれることが多いでしょう。

しかし日本の総合的なバーではオン・ザ・ロックで飲まれる方が一般ではないでしょうか。

バーボンの消費のされ方に似ているように思います。

 

濃厚な深いこくのあるイギリス系と、すっきりフルーティーなフランス系があります。

またスペイン系にも一部このタイプがあります。

旧英領のものは強い焦げた香味や苦味もあり、お苦手な方も多いので提供の際はご留意ください。

 

推奨銘柄

Rum

パッサーズ・ブリティッシュ・ネイビー・ラム42% 2500円前後

シーウィンド・ポットスチル・ラム  3500円前後

ケイデンヘッズ・クラシック・ラム 4500円前後

Rhum

ディロン・トレ・ヴィユーVSOP 4000円前後

JM VSOP  4000円前後

Ron

サンティアゴ・デ・クーバ12年 6000円前後

 

 

 

Category-5  熟成ラム甘口・スタンダードクラス (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

 

一番人気のカテゴリーです。世界中で甘党の飲み手から強い支持を得ています。

食後のデザート代わりに、ナイトキャップに

またお疲れのときにもリラックスできておすすめです。

 

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総合的なバーで、“ラムをロックで”と御注文される方のほとんどは

このタイプをお求めだと考えていいでしょう。

 

ここまで甘口の蒸留酒というものは他にありませんので

ラムならではの、ラムらしいジャンルといえるのではないでしょうか。

 

製法は完全には明らかにされていないことがほとんどですが

甘口シェリー樽での熟成のみではここまで甘くはならないでしょうから

カラメル等なんらかの甘味の添加が行われていると思われます。

 

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総合的なバーにおいて、最も販売しやすく

またお客様に喜んでいただけることの多いカテゴリーです。

バックバーに置いていただける本数のうち

大半をこのカテゴリーのバリエーションに割いていただくことをおすすめいたします。

 

C4の説明でも申し上げましたが、日本のバーではロックでお薦めすることが多いでしょう。

甘みと刺激が和らいで、ハードリカーとは思えない飲みやすさになります。

もちろんお客様の嗜好に応じて、ストレートでお飲みいただいても良いのです。

特に葉巻と合わせる方は、このタイプをそのままゆっくりとお飲みになることを好まれます。

 

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推奨銘柄

Ron

ロン・サカパ・センテナリオ23年 4500円前後 抜群の知名度と安定感

パンペロ・アニヴェルサリオ 2500円前後 品質良くコストパフォーマンスに優れる

ロン・センテナリオ・フンダシオン20年 6000円前後 シルキーな甘さと質感。特にお薦めです

ロン・ミロナリオ15年 5000円前後 甘さと力強さ

ロン・マツサレム15年 3000円前後 抑えた甘みでバランス良し

ディプロマティコ・レゼルヴァ・エクスクルーシヴァ 4000円前後 しっかりした甘さと飲み応え

モカンボ20年  5000円前後 ややビターでこくがある

ディクタドール20年 6000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

Rum

エルドラド15年 6000円前後 香味深く複雑。お薦めです

ゴスリングス・ファミリー・リザーブ 7000円前後 ビター・スウィートで上質な食後酒

アプルトン12年 3500円前後 香ばしくカクテルにも良し

ドス・マデラスPX 5+5   7000円前後 英領ラムをスペインで熟成。PXの濃厚な甘さ

 

 

 

Category-6  熟成ラム辛口・プレミアムクラス (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

 

ストレートでお勧めする辛口で、私が特に推奨しているカテゴリーです。

当店は元々

“極上のスコッチやコニャックに比肩するラムがある”

ということを皆様に知っていただきたいということがコンセプトになっています。

 

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近年、モルト・ウイスキーの世界では原酒の枯渇と高騰が著しく

ブランデーやラムにも嗜好の範囲を広げる方が増えているようです。

そういう方々にはこのC6から選択していただかないと

他カテゴリーのラムは全くの別物ですので、失望されることが多いでしょう。

特にご注意いただきたいと思います。

それは品質の優劣ではなく、嗜好品としての機能が違うからなのです。

 

旧英領の良品はスコッチのボトラー各社によって英本土にて熟成されたものが多く

力強く濃厚です。

ボトラーズ・ラムでも、グアテマラやペルーなどの旧スペイン領産のものは

甘口のC5やC7の別カテゴリーの味わいになることが多いですからお気をつけください。

 

仏領の良品はカルヴァドスのように、少し酸のあるフルーティーで繊細な香味で

マルティニークのものはAOCに基づいた生産をしています。

 

中でも旧英領のガイアナ(デメララ)・ジャマイカと

仏領のマルティニーク・グアドループの四地域のラムが、私の経験上では世界の最高峰です。

 

シングル・カスクやビンテージ品など少量生産の高級品が多く

モルト・ウイスキー同様に、常にアンテナを張って

その時々でコストに見合った優良なボトルを仕入れていくことが肝要です。

 

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推奨銘柄ですが、

例えば「ボトラーのシングルカスク・スコッチでネット上にあるおすすめ銘柄」

の情報の命が今や、わずか数分から数日しか無いように

このタイプのラムも、良品はあまり長く市場にはありません。

 

ボトラーやビンテージに関わらず、

良い物を生産する蒸留所や蒸留器の名前を挙げますので

それにテイスティング・コメントなどの情報を併せて考慮してお選びいただきたいと思います。

百数十年前の蒸留釜が、当時と変わらない運用をされているプリミティブさが魅力です。

スコッチ・ウイスキーが失った、前世紀の力強さが残されています。

上手な仕入れには、経験による目利きが必要な分野です。

 

 

推奨銘柄

Rum

ガイアナ

南米唯一の旧英領国。デメララ川流域の砂糖が英国で有名で、デメララ・ラムと呼ばれることが多い。

かつては多くの蒸留所があったが、現在は残ったダイアモンド蒸留所に全ての蒸留器が集中している。

 

・ポート・モーラント 下部が木製の二連単式蒸留器。英領系で最もヘビーな酒質

・ヴェルサイユ  下部が木製の単式蒸留器。香りが強い

・エンモア  1880年に英国から運ばれた、現役最古の木製連続式蒸留器。酒質は軽い

 

ジャマイカ

海軍と海賊の本拠地だったラムの島。島物のウイスキーのような潮気と旨みが特徴。

 

・モニマスク ジャマイカらしい濃厚な潮と旨み。干草の香り

・ロングポンド 強い香りが素晴らしい。溶剤様と嫌う人もいるので注意

 

トリニダード・トバコ

 

・カロニ 近年のものはフルーティーでバランス良し

 

Rhum

マルティニーク

カリブにあるフランス海外県。唯一のAOCラム

 

・ネイソン・キュヴェ・ミレニアムXO 10000円前後 比較的入手容易な上級品

・トロワリビエール1998 シングルカスク 9000円前後 トロワのシングルカスクは上質

 

グアドループ

カリブにあるフランス海外県。マルティニークより力強いものが多い

 

・ダモワゾー 長期熟成品はどれも上質でおすすめ

 

 

 

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

ストレートでお勧めする甘口で、よく熟成した上質な口当たりのラムです。

旧スペイン領の“Ron”の最高級のものです。

 

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カリブ中南米の旧スペイン領から独立した国々は未だ貧困の中にあり

充分な熟成期間を取ることが難しいため

このレベルに達するものはそう多くはありません。

 

しかしロンサカパXOの成功をきっかけに

国際的なブランドのいくつかは、先進国の市場を狙ってきちんと投資し

豪華なパッケージングで差別化したハイエンド・レンジを投入してきています。

華美な装飾に惑わされず、内容も優れた商品を見極めたいですね。

 

スタンダード・クラスとプレミアムの区分は、価格と内容から考慮した主観的なものですが

氷を加えた際に飲みやすくなるか、蛇足になるかが主な判断基準になっています。

 

推奨銘柄

Ron

まずはこの3本から

ロン・サカパXO 8000円前後 この分野の先駆者。国際企業によるブランディングはさすが

ロン・センテナリオ30年 12000円前後 なめらかな美酒。特にお薦めです

ディプロマティコ・シングル・ヴィンテージ  10000円前後 ややビターで深みある味わい

 

さらに揃えるなら

ディクタドール・インソレントXO 10000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

ディプロマティコ・アンバサダー 22000円前後 カラメル無添加の自然な甘さ

 

 

 

 

 

以上、R&W式ラム分類法と推奨銘柄のご紹介でした。

内容は2014年に当店にて実施しました、“ラムの販売技術と実践的分類法についての講習”のテキストに

加筆・修正を加えたものです。

 

「興味はあるけれどよくわからない」といわれるラム酒の世界。

現在の日本のバーにおけるラムの状況は

ちょうど20年ほど前のシェリーのそれに似ているように思います。

 

当時は全国にも数店しかないシェリー専門店を除いて

どのバーに行ってもカクテルベース兼用のティオ・ペペしかなく

ちょっと気の利いた店で3本オン・リストされているのが

ティオ・ペペとドン・ゾイロ・フィノとサンデマン・フィノだったりと

シェリーの多様性が日本でも広く知られた今では笑い話のような状況でした。

 

それが関係者の方々の努力により

バーに置ける本数は変わらなくとも

辛口・甘口・熟成タイプと、その全体の豊かな文化を反映した3本が選ばれる時代になりました。

 

ラムは現在、私が知るだけでも50ヶ国以上で生産されている

最も多様性のある蒸留酒です。

日本のバー文化の中で世界のラムの全体像を反映するには、と考えた結果

現在最も必要なことは

現況の日本のバーでの消費の実態に即したカテゴライズと

日本の市場での流通を考慮した、新しいベーシック・アイテムの選定ではないかと

思い至りました。

 

 

長々と書いてまいりましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

バーでの御注文の、またネット・ショッピングの際のお役に立てれば嬉しく思います。

 

この内容は、複製・転載・印刷・配布・引用など、全てご自由にお使いください。

貴店のメニューや、お客様への説明用プリントなどにお使いいただければ光栄です。

 

また、もし内容に御賛同いただけましたら

TwitterやFacebook、店舗や個人のブログなどでご紹介していただき

できるだけ多くの方に知っていただけるよう、ご助力いただけませんでしょうか。

 

皆様がより美味しくラムを楽しんでいただけるよう、これからも努力いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

定元 学

 

 

 

 

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604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

レジェンド・オブ・キューバン・ラム 2015

 

 

いつもながらのんびり呆けているうちに、気付けばもう一月も終わりです。

 

昨年末の入荷です。

レジェンド・オブ・キューバン・ラム 2015

Legend of Cuban Rum 2015 /45% /Valdespino

H 1600 / F 3000

 

Twitterはじめました

117

 

年末に発売されるのが恒例となっている、JISさん輸入の高級ラムです。

1940~50年代のキューバ産ラムを

1962年のケネディによる経済封鎖前にスペインに運び

シェリーの名門バルデスピノのボデガでソレラ熟成したものです。

 

ソレラ熟成ですから、原酒の注ぎ足しをしているわけですが

それがどこの物かは明らかにされていません。

毎年少しずつ変わっていく味わいも楽しみの一つです。

 

例年年末までには売り切れてしまって

二本並べての比較テイスティングはしたことがありませんが

今回は特に大きく香味に変化があったように思えます。

おそらく今まで一番の甘口になっているのではないでしょうか。

 

近年詰めのシェリー樽熟成スコッチに顕著な

焙煎したような香ばしさも強く感じます。

熟成樽自体も入れ替えたのでしょうか。

写真後方の空き瓶は10年以上前の、封蝋が黄土色の最初期のものです。

少し残して比べてみたかったですね。

 

昨年はキューバと米国の国交回復が行われた歴史的な年でした。

この世界同様に、ソレラの中身も変わっていくのかもしれませんね。

 

 

 

 

スペインのヘレス・デ・ラ・フロンテーラにある

バルデスピノのボデガを訪れたのは2002年のことです。

すでにバルデスピノ家の当主ミゲル氏はボデガを売却しており

辛うじてまだ建物は市中にありましたが、中はもぬけの殻でした。

 

郊外のレアル・テソロのボデガに移設されたバルデスピノの遺産を訪ねました。

新オーナー自慢の馬術場や最新のボトリング設備の案内を

どこか空虚な気持ちで聞いていました。

 

 

 

 

 

おかげさまで年末年始は忙しくさせていただきました。

たくさんのボトルが動きましたので一部ご紹介させていただきます。

 

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開封はボウモアの1972、21年ドイツ向け49.1%とパーフェクトドラムのロングモーン1976、

長野屋さんのアイラ(ラガヴーリン)

トロワリビエール1975とデパスXO、甘口のサンタテレサ・セレクトなどでした。

 

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売り切れたのはジェームス・マッカーサーのストラスアイラ1965(傑作でした)と

ライフのトマーティン76、マッキロップのラフロイグ83

ザ・ボトラーズのスプリングバンク93などでした。

今年も良いボトルをご紹介できますよう、努力いたします。

 

 

246

 

リニューアルされた山崎蒸留所見学コースの初日に参加してきました。

完全有料制になり、構成原酒のテイスティングが追加されました。

一回の参加人数も絞られ、より密度の高い内容となりました。

 

写真は有料試飲カウンター横のテラスです。

こちらでいただくウイスキーは格別です。

 

 

 

 

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ハーブガーデンで熟成したロン・サカパ レゼルヴァ・リミターダ2014

 

 

2015年もあと一月になりました。

随分と遅ればせながら新入荷です。

 

ロン・サカパ・センテナリオ レゼルヴァ・リミターダ 2014

Ron Zacapa Centenario Reserva Limitada 2014 /45%

F 1800 / H 1000

Twitterはじめました。

 

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人気のグアテマラ産甘口ラム、ロン・サカパ・センテナリオの限定品です。

年に一度発売されるもので、これは昨年のモデルです。

欧州ではもう2015年物も流通しています。

 

マスター・ブレンダーのロレーナ・ヴァスケス氏の厳選した

6-24年熟成の原酒をブレンドした樽を

グアテマラの冷涼な高地にある

ハーブ・ガーデン内で後熟し

フェンネル・アニス・タラゴン・コリアンダー・ミント・オレガノ・ローレルなど

20種以上のハーブの香りを浸透させたという実験的な作品です。

 

そんなことが可能なのかはわかりませんが

海辺で熟成したウイスキーが潮の香りを纏うようなものでしょうか。

 

開封時の香りはスタンダードのサカパをややビターにした程度ですが

深く吸い込めば、確かにミンティなグリーン・ハーブの爽やかさを感じます。

 

味わいは深く濃く、甘さひかえめでスパイシー。

ストレートでも退屈させない密度があります。

その味に反して酒質は軽く柔らかく、余韻も長くはありません。

開放的な空間で熟成したためでしょうか。

 

熟成の神秘を楽しめる興味深い一本です。

お試しくださいませ。

 

 

 

 

ロンサカパは23・XO共に、欧州市場ではすでに大幅なモデルチェンジが行われており

同じMHDのグレンモーレンジのようなスタイリッシュなデザインになっています。

まもなく日本市場でも発表されるでしょう。

未だ慣れない現行モデルが

もう懐かしいボトルになっていきます。

 

 

 

 

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三条通り北の白川 写真左下に五位鷺がいます

 

 

 

 

 

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3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

 

信濃屋さんのカロニと最近のおすすめラム

 

 

開封いたしました

カロニ 1997-2015 17年 デュワー・ラトレー for 信濃屋

Caroni 1997-2015 /17yo /61.2% /#105 /A.D.Rattrey for Shinanoya

H 1000 / F 1800

 

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南カリブのトリニダード・トバゴから、閉鎖蒸留所の貴重なストックです。

品質の高さに定評のあるボトラー、デュワー・ラトレー社の保有する樽から

気鋭の酒商、信濃屋さんが選んだものです。

 

かねてより各ボトラーから良く発売されてきたカロニは、今まで何本も扱っています。

どれもすっきりと雑味少なく淡白な、グレーン・ウイスキーのような香味でした。

 

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最近この1997ビンテージが人気で

お客様からもお奨めいただきましたのでいくつか試してみたところ

従来の私のイメージと全く違った内容で驚きました。

 

濃厚な熟した果実香と厚みのある複雑なボディです。

近年のドイツ系ボトラー詰めのモルトや

最近再注目されているアイリッシュ・ウイスキーにも通じる香味です。

 

おそらく同様の熟成の技法が使われており

それがカロニの淡白で素直な酒質とよく合ったのでしょう。

洋酒造りの技術も日々進歩しています。

いつまでも従来通りの感覚では取り残されますね。

 

近年のフルーティーなウイスキーがお好きな方にお勧めの一本です。

この信濃屋さんのボトルは

英領ラムの醍醐味であるゴムや溶剤様の力強い香味もあり

ラムとウイスキー、どちらの愛好家の方でも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

是非お試しくださいませ。

 

 

 

 

 

最近当店で人気のおすすめラムをいくつか御紹介いたします。

ラムは残念ながら日本ではまだまだマイナーなのか

定番の商品でもすぐ品切れになります。

不良在庫になるのを恐れて

在庫が無くなってから発注をかけているのではないかと思います。

良い商品をきちんとご紹介して

バーで売りやすく、お客様の受けもいい新定番を作っていかなければなりません。

 

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ベネズエラの甘口ラム、ディプロマティコに正規代理店がつきました。

これからは国内で常時入手できるようです。

左がレゼルヴァ・エクスクルーシヴァで右がシングルビンテージ2000年です。

ちょうどロンサカパ23とXOのように扱っていただける商品です。

貴店でサカパが人気なら是非導入していただきたいボトルです。

 

ただ注意していただきたいのは、強い甘みのあるラムですから

前出のカロニのようにモルト・ウイスキーと同様には扱えません。

ウイスキー・リキュールに近いものとお考えいただき、初めはロックでの提供をお勧めします。

 

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コスタリカのロン・センテナリオ20年と30年です。

こちらもサカパに近いもう一つの選択肢として、是非導入していただきたい銘柄です。

素直な甘さは多くの方に気に入っていただけるのではないでしょうか。

30年は現在国内欠品しているようですね。

これはなんとか再入荷していただきたいと願います。

 

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シェリー・メーカーのウイリアムス&ハンバートのリリースするラム、ドス・マデラスです。

パロ・コルタド樽の5+3とペドロヒメネス樽の5+5があります。

前者はすっきりしていてハイボールに良く、後者は極甘口でロックがおすすめです。

これもすぐ欠品してしまいますので、なんとか安定供給をお願いしたいです。

 

国内に入ってくるラムの銘柄は年々増え

お客様の嗜好も変化しているのに

いつまでもマイヤーズ・バカルディ・ロンリコなど

古くからの銘品だけしかバックバーに並んでいないようでは

これ以上の発展は望めません。

総合的なバーでも使っていただきやすい銘柄を

これからも御紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

先日は上賀茂の大田神社にかきつばたを見に行きました。

平安の昔から名高く、歌にも詠まれたかきつばたの群生が

今年は5千株ほど鹿に食べられたと、新聞にも載っていました。

 

ここ数年見ていますが、確かに寂しい状況でした。

残念でしたが対策を取るとのことで、また来年には楽しめるでしょう。

代わりに私の頭の中に

鹿が花を食む美しい情景を想い描くことができました。

 

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帰路、賀茂川の飛び石より北山を望む。かきつばたの写真はまた来年に。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

京都フェス出展 Nine Leaves + Rum and Whisky

 

 

2月より開店時間が19時になりました。

お食事の後にもお立ち寄り下さいませ。もちろんフェス当日も営業いたします。

 

いよいよ明日はウイスキーフェスティバル京都です。

ナインリーヴスの竹内義治氏より、会場で無料テイスティングしていただくボトルと

配布するパンフレットをお預かりいたしました。

 

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Nine Leaves + Rum and Whisky というブースを出展いたします。

 

滋賀県産ラム・ナインリーヴスの無料試飲と

京都のバー・ラムアンドウイスキーの選んだ興味深いラムとウイスキーの有料試飲。

という内容です。

 

残念なことに生産者の竹内氏がお越しになれないということで

僭越ながら私が代理でブースを担当させていただきます。

 

ナインリーヴスの蒸留所は滋賀県大津石山にございます。

京都との県境まで数百メートルの場所ですから、お膝元といっていいでしょう。

 

国際的なご当地商材として、

例えばラグジュアリーホテルのシグネチャーカクテルの素材などにも

使っていただけるのではないかと思います。

是非会場でお試しいただいて、その大きな可能性を体感してくださいませ。

 

また翌2月23日発売の美食誌“あまから手帖”3月号に

竹内氏のインタビューが6ページ掲載されます。

ラム造りを始められた理由の

心情的な部分が語られています。こちらもご覧下さいませ。

 

 

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有料試飲のラムは、3種×10mlのRum/Rhum/Ronテイスティング・セットです。

ウイスキーの会ですから、単発でのレアボトルの出品よりも

ウイスキー愛好家の皆様に、ラムの多様性に触れていただいて

虚心にご判断いただけるような組み合わせにいたしました。

セットで500円です。原価よりも随分お得になっています。

 

プラカップ3つをお持ちいただくことになり、

申し訳ないのですが

是非お試しいただきまして

お口に合いますかどうかご確認下さいませ。

私論ですが“ラム・テイスティングの楽しみかた”の小文も共にお渡しいたします。

 

デュワー・ラトレーのポートモラント1999・ラモニーXO・ロンセンテナリオ30年のセットです。

 

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ウイスキーは前回御紹介いたしましたように

ボウモア1971とラガヴーリン1985の21年と

宝酒造白河30年を有料試飲で出品いたします。

 

特にラガヴーリンは、リリース当時とはまた違う熟成感が感じられるようになり

果実の香りも素晴らしく、プラカップでも充分堪能できる個性がございます。

ボウモアはトロピカル・フルーツの香りが出てきています。

是非お試し下さい。

 

 

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会場となる平安ホテルは、本格的な日本庭園のある京都らしいホテルです。

周辺の観光名所は、まずなんと言ってもホテル正面の京都御苑です。

御所内部の見学は事前予約が必要ですが、公園としての御苑を散策していただけます。

写真は2日前の御苑梅林です。少しですが咲き始めていますね。

会場から南に徒歩2分、禁門の変で有名な蛤御門から入ったところにございます。

 

喫茶は北に徒歩3分ほどで虎屋菓寮、15分ほどで俵屋吉富の京菓子資料館もあります。

美術鑑賞なら同志社大学を越えて、

相国寺の承天閣美術館が徒歩圏内でロケーションも良くおすすめです。

それぞれ営業時間などご確認のうえ、お訪ねください。

さらにタクシーを使えば平安神宮や銀閣寺、二条城など多くの有名社寺にすぐの好立地です。

この機会に京都観光もお楽しみ下さいませ。

 

ではWhisky Festival 2015 in Kyotoの会場にてお待ち申し上げます。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

銀座Bar Lamp 10周年記念 BBRヘイシャン・ラム10年

 

 

開封いたしました

ヘイシャン・ラム 2004-14 10年 BBR  Bar Lamp 10周年記念

Haitian Rum 2004-14 /10yo /59% /120bts /BBR /The 10th Anniversary of Bar Lamp

 




 

昨年Nine Leaves蒸留所の見学で御一緒させていただきました中山篤志氏の

銀座Bar Lampが10周年を迎えられ

記念に詰められたボトルを当店にも入荷いたしました。

美しいヘイシャン・アートのラベルです。

 

蒸留所の名前は非公開ですが、ハイチの某有名蒸留所のようです。

中山氏自らサンプルをテイスティングして選ばれたそうです。

 

レモンと干し草の爽やかな香りに

グアドループ産のようなフルーティーさと緻密な質感で

さらにジャマイカン・ラムのようなしっかりした旨みと潮気も感じられます。

 

ケイデンヘッドのハイチ7年などと比べても桁違いの香味の密度の濃さと繊細さです。

ハイチのラムの特徴はその酒質の粗さにもあるかと思っていましたが

考えを改めなければなりません。

またカスク・ストレングスの59%で詰められたことにも価値があります。

かつて無かったのではないでしょうか。

 

スコッチ愛好家にも好まれそうな上質な辛口ながら

やはりラム好きの方にお勧めしたくなる絶妙なバランスだと思います。

さすが、お見事な樽の選択です。

是非お試し下さいませ。

 

 


 

寒い季節にお勧めの濃厚熟成ラムをたくさん開封しています。

ロン・センテナリオ30年は昨年の登場からもう何本目でしょうか、

当店でも大人気のコスタリカ産高級甘口ラムです。

ケイデンヘッドとBBR、ムーンインポートの70年代デメララはどれも濃厚で

ダモワゾーの1980は近年の傑作です。

セミナーでも活躍してくれたボトルたちです。

 

 



 

京の紅葉は盛りを過ぎましたが、まだ充分楽しめます。

写真は少し前に訪ねた山科の毘沙門堂です。

洛中を離れますと人少なで落ち着いて観賞できます。

 

とはいえ東福寺や永観堂といった名所の紅葉は

やはり相応のものがありますので、一度はご覧いただきたいとも思います。

人の多さも賑わいのうち、くらいに考えてお出かけ下さいませ。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円       Tel 075-221-1721

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

Jバリー 1950

 

 

“ラムの販売技術と実践的分類法についての講習”(再講)

11月26日水曜日 受講申し込み受付中 詳細はこちら

まずは京都から、どのお店でも美味しいラムをお飲みいただける環境造りが目的です。

どうかご助力下さいませ。おすすめのラム酒を試飲していただけます。

 

 

開封いたしました

Jバリー 1950 45%

J.Bally 1950 45%

H 2600 / F 5000

 





 

ハイエンドのラムを開封いたしました。

もう欧州でも在庫を見かけなくなってきました、Jバリーの古酒です。

今回は幸運にも国内で入手できました。

 

ダージリンの茶葉の上質な渋み

ドライアプリコットの酸

甘露飴の甘さ

オレンジピールのあたたかさに

極上のランシオ

 

最近扱った1957やファミリーリザーブに比べますと

柿のコンポートのような、甘さを伴った爽やかな渋みのアクセントがあり

色も濃く、ワイルドなビンテージです。

 

ともあれ、ラム文化の頂点の一つといえる美酒でございます。

是非お試し下さいませ。

 

 



 

このディプロマティコ・アンバサダーは初講でもお出しした、セミナーで試飲していただけるラムの一例です。

総合的なバーでこの価格帯のラムを、内容を知らずに購入することはまず無いでしょう。

それは専門店がなすべきことです。

そしてその結果を多くの人々に知っていただきたいと思います。

 

高額な商品でも、品質が良ければ需要があるはずです。

僭越ながら購入と御提供の方法をともに助言させていただけたらと存じます。

第一線で活躍されている方、次世代を担う若手バーマン、そしてこれからバーの仕事をしようという方も

是非ご参加下さいませ。きっとお役に立てると思います。

 

今回遠くは広島からも御参加いただきます。セミナー後とんぼ返りで戻って営業されるそうです。

御期待に沿える内容にしなければと思います。

お近くの方々にも是非お越しいただきたく、お願い申し上げます。

立ち見にはなってしまいますが、まだ聴講していただけます。

 

単価1000円以下のカジュアルなラムから

カクテルベースのホワイトラムの選択まで、貴店の業態に応じてご提案させていただきます。

 

 

 

 


 

京都は紅葉の盛りです。

いつも散策する金戒光明寺も、今年からライトアップ拝観をはじめました。

 

知恩院や南禅寺に匹敵する立派な山門と大伽藍を擁し

平安神宮から徒歩10分程ながら

見物の人もそう多くなく、紅葉の穴場と申し上げて良いのではないでしょうか。

 

お昼間なら墓所の石段を登って文殊塔に拝し

左折して会津墓地から真如堂へ至る道がおすすめです。夜は闇の中です。

 

この連休が今年の紅葉の観光のピークでしょう。

京の秋を楽しんでください。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円       Tel 075-221-1721

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

ロン・サカパ・センテナリオ ブラック・ラベル 旧ボトル

 

 

開封いたしました

ロン・サカパ・センテナリオ ブラック・ラベル

Ron Zacapa Centenario  Black Label  Edicion Conmemorativa  40%

H 1300 / F 2400

 


 

写真後方のロンサカパXO旧ボトルが売り切れましたので

新たに開封いたしました。

 

人気の甘口ラム、ロン・サカパの上級品。

瓶全体がペタテにおおわれていた頃のボトルです。

 

ラベルの受賞歴の最新の表記が2001年、

ボトルデザインの変更が2005年前後でしたからその間のリリース品でしょう。

 

御存知の通りの濃厚甘口ですが

長期の瓶内熟成でシルキーな舌触りの上質な古酒になっています。

 

成熟した大人のためのデザートです。

是非お試し下さいませ。

 

 



 

昼は蝉が、夜は蟋蟀が鳴く季節です。

気温も程よく、散策に良い気候になりました。

 

南禅寺界隈を歩きますと

もう色付き始めた葉の向こうに

まだ夏の雲が望めます。

 

写真は瓢亭と無鄰菴の間に見えた入道雲。

この洋館の二階が山縣・伊藤らの無鄰菴会議が行われた場所です。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

ロン・サカパ XO オールド・ボトル

 

 

開封いたしました

ロン・サカパ XO オールド・ボトル

Ron Zacapa Centenario X.O. bot.early 2000’s

H 1200 / F 2200

 



 

10年以上前に少量流通していたモデルのロンサカパXOを久々に開封いたしました。

アマレットの古酒のような自然な甘さとナッティ・フレーバーで

食後酒やナイトキャップに、またお疲れの時などにもおすすめの一杯です。

 

甘口のラムはリキュール同様に瓶内での熟成により

全体が一体化して突出した甘みが抑えられ、更なる美酒へと変化いたします。

 

成熟した大人の味覚にも充分応えうる甘美なエリクシールです。

是非お試し下さいませ。

 

 


 

 

今週売り切れたのはアベラワー1965の角瓶です。

とても8年物とは思えない極上のシェリー味でした。

 

 

 

昨夜は祇園に新しく生まれたバーの開業日にお伺いすることができました。

女性らしいふんわり柔らかい空気感の素敵なお店でした。

すぐに人気店になるでしょう。

内装も可愛らしく

空中に吊られたガラスの容器の中で、小さな森がキラキラと輝いていました。

 

 

 

 

ようやく洛中でも梅・桃・桜と咲き始め

早春の兆しです。

近くでは三条大橋西の弥次喜多像あたりの桜の数本はもう五分咲きです。

まもなく鴨川沿いは桜色に染まるでしょう。

 

東山界隈では花灯路が始まり

当店窓からも清水寺や知恩院三門のライトアップが華やかに望めます。

陽が落ちるとまだ少し冷えますので防寒してお出かけ下さいませ。

 

落日に染まる円山の枝垂桜





Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

旧ボトル初期仕様 ロン・サカパ・センテナリオ 

 

開封いたしました

ロン・サカパ・センテナリオ 23年 90年代初頭以前流通品

Ron Zacapa Centenario 23anos /bot. pre 1993

H 1000 / F 1800

 


 

人気のグアテマラ産の甘口ラム、ロン・サカパ・センテナリオの少し古いボトルを開封いたしました。

やしの葉で編んだペタテに包まれたこのボトルは旧来の愛好家には懐かしい物ですが

生産時期によっていくつかのタイプがありました。

グアテマラのサカパ市の市制施行100周年を記念して1976年に生まれたロンサカパが

日本の“世界の名酒事典”に初登場するのは1990年版からで、それが今回開封した上掲ラベルです。

 


 

写真左のラベルが90-93年版までで、中央が2004.2005年版に載っています。

94-2003は左ラベルのデザインに中央ラベルの筆記体のロゴを合わせたようなラベルなのですが

現在当店には空瓶も見当たりませんでした。

2006年からは現行同様の帯状ペタテの23anosラベルになります。

現行品はSISTEMA SOLERA 23 表記です。

右は旧エチケッタ・ネグラです。左以外は空瓶です。

 

今回開封いたしました初期ロットは

とてもドライな味わいです。

もちろんサカパらしいカラメルと甘口シェリー様の甘味はあるのですが

現行に比べますとずっと控えめに抑えられています。

パンペロなどもこの数年間で随分甘くなりましたので

旧スペイン領のラム全体の傾向なのかもしれません。

 


 

ロン・サカパの特別品もいろいろ扱いましたが

ここ最近特に人気が出てほとんど売切れてしまいました。

エチケッタ・ネグラは少しビターで

ストレート・フロム・カスクは強いバーボン樽由来の香りと引き締まった味わいでした。

XOの2003年エディションは甘味が自然で複雑さがあり、おすすめでした。

2006年発売の30周年も先月空きましたが、ボトルは記念にお客様がお持ち帰りになりました。

通常のXOをより上品にしたシルキーな質感でした。

 

これらの特別品は価格の高騰もあり、しばらく当店での扱いは無いと思います。

今回の旧ボトルも希少になりましたので

是非お早めにお試し下さいませ。

 

 

 

昨日はお隣滋賀県のナインリーヴス蒸留所を訪れ

竹内義治氏の御案内で再留の過程を見学させていただきました。

 


 

また長石鉱山の地下深くに湧き出る水源も拝見させていただきました。

詳細なリポートは次回以降に掲載させていただきます。

 


 

 

残暑厳しい一日でしたが

鉱道に入るとひんやりと涼しく

ヘルメット装備で数十メートル下った先に湧き出る岩清水は

正に“命の水”でした。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

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