アンテロープ・アイランド・ラムとアメリカのクラフト・スピリッツ

店舗の最新情報はfacebookをご覧ください。

New Arrival. Antelope Island Rum.

今、アメリカは空前のクラフト・スピリッツ・ブームです。
2010年に204ヶ所だった蒸留所は、2016年8月には1315にまで増加し、計画や認可申請数から推測すれば2020年には3000近くに達するとも予想されています。


アラスカからハワイまでの全州に遍在し、もはやその全てを知り、購入やテイスティングをすることは難しくなりました。出会いには地縁や人の縁などが重要になってくるでしょう。

その中の一つ、2015年に設立されたばかりの新しい蒸留所、ユタの州都ソルトレイク・シティのDented Brick Distilleryから、クラフト・ラムが到着しました。



それがこのアンテロープ・アイランド・ラムです。R&W式ラム分類法ではC2のタイプになります。
今月のDenver International Spirits Competition にてシルバーメダルを受賞したばかりです。アンテロープ(羚羊)のラベルがかわいいですね。

アンテロープ・アイランドは市の象徴である巨大塩水湖グレート・ソルト・レイクの湖中島で、アメリカン・バイソンを始めとした野生動物と自然の宝庫です。その地元の素材でラムを造っています。
長野の松本市とソルトレイク・シティが姉妹都市である縁から日本に輸入されました。

松本とソルトレイク・シティといえば1998年と2002年の冬季オリンピックの開催地として知られていますが、姉妹都市提携はそれより随分前の1958年になされたそうです。来年で60周年になります。

輸入されているのはソルトレイク・シティに本社のある医療機器の会社ザイコア・インターナショナル・インクの日本支社長、赤堀セシル氏です。

氏は医療業界にありながら、お祖父様がニューオータニの初代料理長でお父様もシェフをされていたという飲食業にゆかりのある方です。そのためか並行してワインとラムも扱われるようになりました。詳しい輸入の経緯は赤堀氏のブログをご覧ください。

今後、日本にもクラフト・スピリッツのブームが来ることは確実です。すでにその萌芽は見えています。
欧米での前例を追随するのか、日本市場独自の展開をしていくのか、注目です。いずれにしても、生産者も商品も、流通も消費者も含めて全ての大変革になるでしょう。もちろんバーもです。

また先行するアメリカ市場も州ごとに酒類規制が異なるため、全国に拡販するためには大手の傘下に入らざるを得ない特殊な状況もあり、こちらも先が読めません。注視していきたいと思います。



大手の商品と違って、それぞれ個性的な香味を持つのがクラフト・スピリッツの魅力です。

アンテロープアイランドラムも、ユタの大自然を感じさせる素朴で力強い独特の香味です。

従来、あまり強い個性を持つスピリッツはカクテルベースとしては敬遠されてきましたが、今はむしろその個性を活かして他に無いカクテルを創り出すことが、世界的に評価されるようになりました。

バーテンダーの皆様は是非このアンテロープアイランドラムを使って、あなただけの感性でカクテルを創って自己表現をしてみてください。

良いレシピが出来たら、アンテロープアイランドラム公式ホームページに送れば掲載されるそうですよ。購入もこちらから可能です。

バーの町松本では、市のオフィシャル・レシピとしてソルトレイク・ブリーズというカクテルが、市内のバーで提供されています。長野県とユタ州の共通の特産品である、りんごとクランベリーのジュースを使ったカクテルです。松本を代表するバーテンダーで、最近松本ブルワリーを設立してクラフトビール造りを始められた林幸一氏のレシピだそうです。今後はクラフトビールのアメリカへの輸出も考えられているようです。

この両市の交流は、地縁によるクラフト・リカーの市場展開のモデルケースになるでしょう。ローカルな交わりが、大きな流れになるのです。貴方の街の姉妹都市にもきっとクラフトスピリッツがあるはずです。それを日本に紹介するのは、他ならぬ貴方です。

当店ではソルトレイク・ブリーズを、フレッシュな信州りんごを使ったアレンジレシピで御提供しています。甘酸っぱくて爽やかな果実の風味に、力強いラムが一本芯を通しておいしいですよ。是非お試しくださいませ。

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌1時 火・水曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
0時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

グレンカダム 1966 水橋 ケイデンヘッド

 

 

気付けばもう秋。ウイスキーのおいしい季節です。

当店で最近おすすめしているボトルを、いくつか御紹介いたします。

最新情報はfacebookをごらんください。

ラムの分類についてはこちら

 

開封いたしました

グレンカダム 1966  22年 水橋

Glencadam 1966-88 /22yo /56% /Mizuhashi /Cadenhead

 

131

 

通好みの名蒸留所、グレンカダムの古酒です。

現存最古のボトラー、ケイデンヘッドの樽を日本向けにボトリングしたものです。

 

同社らしい高濃度アルコールの迫力ある酒質と

グレンカダムならではの凝縮された豊かな穀物の旨みが良く合った

極上の大麦のクリームです。

 

抜栓直後の力強い状態でお飲みいただける機会は稀かと思います。

後半の香り立つ艶っぽさとはまた違った魅力が愉しめます。

是非お試しくださいませ。

 

 

 

こちらも開いています

サマローリ ブレンデッド・ウイスキー 1965   40年

Coilltean 1965-2005 /40yo /45% /Samaroli

 

014

 

穏やかな季候になりましたので

大切に保管していたボトルを開けさせていただきました。

イタリアの鬼才、サマローリによる超長期熟成のブレンデッド・ウイスキーです。

41年と2種あるうちの40年熟成の方です。

 

フルーティーな酸を伴ったベリー系の甘い香りは

60年代のスプリングバンクを思わせます。

柔らかいシェリー樽の香味も上品な美酒でございます。

是非御体感してください。

 

 

 

ストラスアイラ 8年 70年代流通品 ゴードン&マクファイル

Strathisla 8yo /70 proof /Gordon&MacPhail /bot.70’s

 

036

 

老舗ボトラー、ゴードン&マクファイルの詰めた短期熟成のストラスアイラです。

Strathisla-Glenlivetの70 proof,  26 2/3 FL. ONZ.表記 は70年代の流通品です。

蒸留は60年代でしょうか。

 

英プルーフは、ラム酒と弾薬に起源を持つアルコール度数の単位で

70 proofは約40度です。

容量を示す液量オンスはパイントの20分の1、約28.41 mlですから

26 2/3 FL. ONZ. は約760 mlですね。

 

自然な果実感を伴った爽やかな木樽の香りと

素朴で深い穀物の風味は

とても8年物とは思えない素晴らしい完成度で、特別におすすめの逸品です。

こちらも是非お試しくださいませ。

 

 

 

 

Jバリー レゼルヴ・ド・ラ・ファミーユ 90年代流通品

J.Bally  Reserve de la Famille /45% /bot.90’s

 

054

 

カリブの仏領マルティニークより、Jバリーのプレミアム・クラスです。

R&W式ラム分類法ではC6のRhumのタイプになります。

六角形のラベルは、一世代前のボトルです。

 

マルチビンテージのブレンドをしたもので

1920年代の原酒も使われた初期角瓶とは比べるべくもありませんが

仏領のアグリコールらしい、優しい香味の掌品に仕上がっています。

 

 

099

 

今回も良いボトルがたくさん売り切れました。

トマーティン65、ベンリアック75、スプリングバンク75など、良い時代の名酒でした。

また劣らぬ美酒を扱えるよう努力いたします。

 

 

 

 

080

 

先の休日は、特別公開中の聖護院門跡に行って参りました。

自宅近くながら、通常は事前の見学申し込みが必要とのことで

無精して内部を拝見したことはありませんでしたが

12月18日までは予約不要で見学できます。

洛中でも良くお見かけする山伏の方々が修める、修験道の本山です。

 

典雅な皇族の世界と、厳しい修験道の世界の共存する独特の空間で

見応えがあります。

平安神宮からすぐですので、秋の観光のコースにいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

 

ラム酒専門店がおすすめする新ベーシック・アイテムとしてのラム銘柄一覧   ・R&W式ラム分類法

 

 

混沌こそは豊饒の源です。

近代、児童文学は民話から性と残酷描写を排除してその魅力を失い

恐ろしい妖怪も名付けられ分類されて、無害であわれなマスコットに成り果てています。

 

しかし時は流れ、状況は変遷し

混沌をありのままに受け入れて楽しんでいただける時代ではなくなりました。

 

ラムの世界もこれからより多くの皆様に受け入れていただくためには

きちんとカテゴライズされていく必要があるようです。

 

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昨今ネットショップでは1000種を超えるラムが販売され

容易に入手できる良い時代になりましたが

実際どの銘柄を購入すれば良いのかは

選択肢が多過ぎてかえって難しくなっているように思えます。

 

ラムの魅力はその多様性にありますが

それは同時に全体像を把握し難くもしています。

 

他の多くの酒のジャンルと違い

製法のルーツや、飲料としての機能の全く異なる世界各地の酒文化が

“さとうきび由来の蒸留酒をラムと呼ぶ”という定義によってくくられているからです。

 

今回は実際に当店でお客様によくおすすめしている銘柄を

その実践的な分類とともに御紹介いたします。

 

 

 

ラムの分類といえば、かつては色目からホワイト・ゴールド・ダークに

香味からライト・ミディアム・ヘビーに、

 

最近は歴史的経緯と生産方法から

 

Rum イギリス系。英国のスコッチのようなドライで重厚な香味。

Rhum フランス系。仏産ブランデーのようなフルーティーな香りと繊細なボディ。

Ron スペイン系。アンダルシアのデザート・シェリーのような柔らかな甘口。

 

に分類することが多いようです。

 

一つのたたき台と思っていただきたいのですが

私は扱っているラムを、現場での用途とその機能から大きく7つに分類しています。

 

R&W式ラム分類法

Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

Category-5 熟成ラム甘口・スタンダードクラス  (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

Category-6 熟成ラム辛口・プレミアムクラス  (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

このうち総合的なバーで必須なのはまずCategory-1 (以下C1)です。

ダイキリやXYZなどスタンダードカクテル製作に使用します。

人気があるのはC5です。現在、バーでのラムの御注文の多くはこのカテゴリーでしょう。

当店で特にお奨めしているのはC6です。上質なものはスコッチやコニャックの極上品に匹敵します。

シングルモルトから嗜好を広げる方は、まず必ずこのタイプをお選びください。

 

その他のカテゴリーについては専門店なら必要ですが

総合的なバーでは必須というものでもありません。

 

私もかつては総合的なバーに勤めておりました。

バックバーにはスコッチ・バーボン・リキュールが並び

わずかにブランデーとスピリッツ、ラムは通常10本以下でしょう。

 

その狭き枠に無駄なくおいしいラムを置いていただき、

お客様に的確にお求めのものを御提供していただくことこそが

ラムの愉しみを広く知っていただく第一歩になると考え

その一助になればとの思いからこの文を記しております。

 

マイヤーズやロンリコ、レモンハートなどの慣れ親しんだ銘酒たちから一歩踏み込んで

それぞれのボトルが明確な目的を持った、新しいベーシック・アイテムを選定すべき時が来ました。

 

それでは各カテゴリーの内容とおすすめの銘柄を見ていきましょう。

 

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Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

 

どのバーにも一本は必要なものです。

ダイキリやXYZ、近年人気のモヒートなどのベースとなります。

カクテルベースのホワイト、といっても良いでしょう。

 

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多くは連続式蒸留器での高濃度蒸留と活性炭フィルター濾過により

原料由来の香味を除去し、クリアなウォッカのような酒質にしています。

機能と用途の点から乱暴に言うなら、さとうきびで造るウォッカです。

 

C1はバカルディ・ホワイト一本で充分です。

品質・知名度・汎用性・価格・入手の容易さ、現在の日本市場では別格です。

 

もちろん専門店や差別化を考えているお店、あるいはメーカーのしばりがあればその限りではありません。

 

当店ではC1はサンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカを主に使っています。

キューバ・ラムらしい素朴な穀物のような香味を好ましく思っての選択です。

それでもその僅かな穀物様の個性は、副材料によってぶつかってしまうことがあります。

グレープフルーツやトマトジュースのカクテルの場合はバカルディに変えています。

 

これは当店がラムに特化した店だからしていることです。

その分冷凍庫内のスペースは失われますので

たとえばテキーラなんかは一本だけしか置くことができていません。

それはまたそちらの専門店でしていただくのが良いと考えています。

 

まずはバカルディ・ホワイトを、余裕があればその他のものも置いていただければ

より幅広くお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 

サンティアゴ以外ではハバナクラブやアプルトンのホワイトもおすすめです。

ハバナクラブのアネホブランコはラムらしい香味が程よく感じられて

代えがたい個性がありましたが、終売のようですね。

 

 

少し厚みのある質感を好まれる方には

プランテーション・スリー・スターズがお薦めです。

旧英領の三国のラムのブレンドで

エギュベル・ジンのようなふくよかな甘みを感じさせます。

当店では冷凍してラム・リッキーやXYZに使っています。

 

ハバナクラブの3年を使っていらっしゃるお店も多いようですが

はっきりとラムらしい個性が主張しますので、少し好き嫌いが分かれるようです。

香味が強すぎるようでしたら

バカルディ45mlに対してハバナ3年をほんの1tsp加えるだけで充分深みが出ますので

ダイキリなどで一度お試し下さいませ。

各C1銘柄とカクテルの相性につきましては、また別に記事にしたいと思います。

 

推奨銘柄

Ron

バカルディ・ホワイト 1000円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ・ブランコ 2000円前後

Rum

プランテーション・スリー・スターズ  1500円前後

 

 

 

 

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

 

C1とは違ってそれ自体にしっかりとした香味の主張のあるホワイト・ラムです。

その味わいをストレートかロックでそのままお愉しみいただくか

あるいはその個性を生かしたティ・ポンシュなどのカクテルにするタイプです。

 

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C1がいわばウォッカに近いタイプとすれば

C2はテキーラのブランコや透明のグラッパ、オードヴィーと近い区分になります。

 

好き嫌いの分かれるカテゴリーです。

熟成していない分、蒸留所ごとの原酒の個性が明確に表れますので

その違いを愉しむには最適です。

 

しかしその強烈な個性ゆえに全く受け付けないという方もいらっしゃいます。

嗜好品ですので、それで良いのです。

 

ただ注意していただきたいのは、これをC1として扱ってはいけないということです。

例えばカクテルベースのジンをいつものビーフィーターからタンカレーに変えるような感覚で

このタイプのホワイトを仕入れてしまいますと

使いにくいし、お客様の反応も悪く、棚の飾りになってしまいます。

そうなると次のラムの仕入れやお試しいただける機会が遠のいてしまいますので

是非それぞれのボトルの特性をよくご理解いただいた上で扱っていただければと願います。

 

このカテゴリーのおすすめ銘柄ですが・・

現時点では総合的なバーには必須でも無いようにも思えます。

もちろん専門店なら複数必ず用意されるべきものですが

体系的な説明が難しい環境で単体で御提供しても魅力が伝わりにくい上、

むしろ誤解を招く危険性もあるように思えます。

 

それでも何か一本、ということでしたら

いっそこのスタイルの極致ともいうべきペール・ラバ・ブラン59%なら通人も満足でまた試金石にもなりますし

もう少し控え目にならダモワゾー・ブランも旨味しっかりでおすすめです。

 

また、カクテルユースを主に考えるならフランス系のネグリタ・ホワイトも

エキゾティックな香り豊かながらミキサビリティーが高く、創作の幅が広がる一本です。

 

あるいはこの枠に日本の誇るこのカテゴリーの頂点の一つ、ナイン・リーヴス・クリアを置くのはいかがでしょう。

仏領のものと個性は違いますが品質は最高で、国産という話題性もありお客様の興味を引きます。

 

どのボトルを置かれるにしても、提供者の理解が深まればより魅力を増すタイプですから

カクテルに使われる場合も事前に充分シミュレートして調整していただきたいと思います。

経験上、テキーラ・ベースを想定したレシピとの相性が良いようですので、お試しください。

 

 

推奨銘柄

Rhum

ペール・ラバ・ブラン59% 3500円前後

ダモワゾー・ブラン 2000円前後

ネグリタ・ホワイト 1800円前後 カクテルベースに

国産

ナイン・リーヴス・クリア 5000円前後

 

 

 

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

 

C1やC2のホワイトを数ヶ月から3年程度短期熟成したもの、もしくはそれ相当の軽い熟成感のものです。

C1は木樽の成分を吸収して複雑な香味になり

C2は熟成によって強い主張が抑えられ、柔らかい香味になります。

 

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テキーラのレポサドや、ウイスキーならトリスなどが近い区分です。

熟成酒として完成されていませんが、透明のものには無い樽の風味があり

双方の中間的な魅力があります。

 

若いウイスキー同様にソーダで割ってハイボールにすることが多いです。

またその個性を生かしたカクテルにもいたします。

 

仏領の物にはアンブレ(琥珀)、パイユ(麦わら)、エルヴェ・スー・ボワ(樽熟)などの表記があります。

 

推奨銘柄

Ron

ハバナクラブ3年 1500円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ 2500円前後

バカルディ・ソレラ・リザーブ 2800円前後  軽くレモンピールでハイボールに最適

Rhum

ダモワゾー・アンブレ 2000円前後

バルバンクール4年 2000円前後  辛口ハイボールに

 

 

 

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

 

しっかりと熟成した若いラムです。ダーク・ラムもしくはゴールド・ラムとしての最初の完成形です。

樽熟成由来の複雑な香味が楽しめますが、まだ若く粗く、強いアルコールの刺激を感じます。

 

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欧米や、ラム専門店ではストレートで飲まれることが多いでしょう。

しかし日本の総合的なバーではオン・ザ・ロックで飲まれる方が一般ではないでしょうか。

バーボンの消費のされ方に似ているように思います。

 

濃厚な深いこくのあるイギリス系と、すっきりフルーティーなフランス系があります。

またスペイン系にも一部このタイプがあります。

旧英領のものは強い焦げた香味や苦味もあり、お苦手な方も多いので提供の際はご留意ください。

 

推奨銘柄

Rum

パッサーズ・ブリティッシュ・ネイビー・ラム42% 2500円前後

シーウィンド・ポットスチル・ラム  3500円前後

ケイデンヘッズ・クラシック・ラム 4500円前後

Rhum

ディロン・トレ・ヴィユーVSOP 4000円前後

JM VSOP  4000円前後

Ron

サンティアゴ・デ・クーバ12年 6000円前後

 

 

 

Category-5  熟成ラム甘口・スタンダードクラス (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

 

一番人気のカテゴリーです。世界中で甘党の飲み手から強い支持を得ています。

食後のデザート代わりに、ナイトキャップに

またお疲れのときにもリラックスできておすすめです。

 

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総合的なバーで、“ラムをロックで”と御注文される方のほとんどは

このタイプをお求めだと考えていいでしょう。

 

ここまで甘口の蒸留酒というものは他にありませんので

ラムならではの、ラムらしいジャンルといえるのではないでしょうか。

 

製法は完全には明らかにされていないことがほとんどですが

甘口シェリー樽での熟成のみではここまで甘くはならないでしょうから

カラメル等なんらかの甘味の添加が行われていると思われます。

 

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総合的なバーにおいて、最も販売しやすく

またお客様に喜んでいただけることの多いカテゴリーです。

バックバーに置いていただける本数のうち

大半をこのカテゴリーのバリエーションに割いていただくことをおすすめいたします。

 

C4の説明でも申し上げましたが、日本のバーではロックでお薦めすることが多いでしょう。

甘みと刺激が和らいで、ハードリカーとは思えない飲みやすさになります。

もちろんお客様の嗜好に応じて、ストレートでお飲みいただいても良いのです。

特に葉巻と合わせる方は、このタイプをそのままゆっくりとお飲みになることを好まれます。

 

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推奨銘柄

Ron

ロン・サカパ・センテナリオ23年 4500円前後 抜群の知名度と安定感

パンペロ・アニヴェルサリオ 2500円前後 品質良くコストパフォーマンスに優れる

ロン・センテナリオ・フンダシオン20年 6000円前後 シルキーな甘さと質感。特にお薦めです

ロン・ミロナリオ15年 5000円前後 甘さと力強さ

ロン・マツサレム15年 3000円前後 抑えた甘みでバランス良し

ディプロマティコ・レゼルヴァ・エクスクルーシヴァ 4000円前後 しっかりした甘さと飲み応え

モカンボ20年  5000円前後 ややビターでこくがある

ディクタドール20年 6000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

Rum

エルドラド15年 6000円前後 香味深く複雑。お薦めです

ゴスリングス・ファミリー・リザーブ 7000円前後 ビター・スウィートで上質な食後酒

アプルトン12年 3500円前後 香ばしくカクテルにも良し

ドス・マデラスPX 5+5   7000円前後 英領ラムをスペインで熟成。PXの濃厚な甘さ

 

 

 

Category-6  熟成ラム辛口・プレミアムクラス (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

 

ストレートでお勧めする辛口で、私が特に推奨しているカテゴリーです。

当店は元々

“極上のスコッチやコニャックに比肩するラムがある”

ということを皆様に知っていただきたいということがコンセプトになっています。

 

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近年、モルト・ウイスキーの世界では原酒の枯渇と高騰が著しく

ブランデーやラムにも嗜好の範囲を広げる方が増えているようです。

そういう方々にはこのC6から選択していただかないと

他カテゴリーのラムは全くの別物ですので、失望されることが多いでしょう。

特にご注意いただきたいと思います。

それは品質の優劣ではなく、嗜好品としての機能が違うからなのです。

 

旧英領の良品はスコッチのボトラー各社によって英本土にて熟成されたものが多く

力強く濃厚です。

ボトラーズ・ラムでも、グアテマラやペルーなどの旧スペイン領産のものは

甘口のC5やC7の別カテゴリーの味わいになることが多いですからお気をつけください。

 

仏領の良品はカルヴァドスのように、少し酸のあるフルーティーで繊細な香味で

マルティニークのものはAOCに基づいた生産をしています。

 

中でも旧英領のガイアナ(デメララ)・ジャマイカと

仏領のマルティニーク・グアドループの四地域のラムが、私の経験上では世界の最高峰です。

 

シングル・カスクやビンテージ品など少量生産の高級品が多く

モルト・ウイスキー同様に、常にアンテナを張って

その時々でコストに見合った優良なボトルを仕入れていくことが肝要です。

 

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推奨銘柄ですが、

例えば「ボトラーのシングルカスク・スコッチでネット上にあるおすすめ銘柄」

の情報の命が今や、わずか数分から数日しか無いように

このタイプのラムも、良品はあまり長く市場にはありません。

 

ボトラーやビンテージに関わらず、

良い物を生産する蒸留所や蒸留器の名前を挙げますので

それにテイスティング・コメントなどの情報を併せて考慮してお選びいただきたいと思います。

百数十年前の蒸留釜が、当時と変わらない運用をされているプリミティブさが魅力です。

スコッチ・ウイスキーが失った、前世紀の力強さが残されています。

上手な仕入れには、経験による目利きが必要な分野です。

 

 

推奨銘柄

Rum

ガイアナ

南米唯一の旧英領国。デメララ川流域の砂糖が英国で有名で、デメララ・ラムと呼ばれることが多い。

かつては多くの蒸留所があったが、現在は残ったダイアモンド蒸留所に全ての蒸留器が集中している。

 

・ポート・モーラント 下部が木製の二連単式蒸留器。英領系で最もヘビーな酒質

・ヴェルサイユ  下部が木製の単式蒸留器。香りが強い

・エンモア  1880年に英国から運ばれた、現役最古の木製連続式蒸留器。酒質は軽い

 

ジャマイカ

海軍と海賊の本拠地だったラムの島。島物のウイスキーのような潮気と旨みが特徴。

 

・モニマスク ジャマイカらしい濃厚な潮と旨み。干草の香り

・ロングポンド 強い香りが素晴らしい。溶剤様と嫌う人もいるので注意

 

トリニダード・トバコ

 

・カロニ 近年のものはフルーティーでバランス良し

 

Rhum

マルティニーク

カリブにあるフランス海外県。唯一のAOCラム

 

・ネイソン・キュヴェ・ミレニアムXO 10000円前後 比較的入手容易な上級品

・トロワリビエール1998 シングルカスク 9000円前後 トロワのシングルカスクは上質

 

グアドループ

カリブにあるフランス海外県。マルティニークより力強いものが多い

 

・ダモワゾー 長期熟成品はどれも上質でおすすめ

 

 

 

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

ストレートでお勧めする甘口で、よく熟成した上質な口当たりのラムです。

旧スペイン領の“Ron”の最高級のものです。

 

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カリブ中南米の旧スペイン領から独立した国々は未だ貧困の中にあり

充分な熟成期間を取ることが難しいため

このレベルに達するものはそう多くはありません。

 

しかしロンサカパXOの成功をきっかけに

国際的なブランドのいくつかは、先進国の市場を狙ってきちんと投資し

豪華なパッケージングで差別化したハイエンド・レンジを投入してきています。

華美な装飾に惑わされず、内容も優れた商品を見極めたいですね。

 

スタンダード・クラスとプレミアムの区分は、価格と内容から考慮した主観的なものですが

氷を加えた際に飲みやすくなるか、蛇足になるかが主な判断基準になっています。

 

推奨銘柄

Ron

まずはこの3本から

ロン・サカパXO 8000円前後 この分野の先駆者。国際企業によるブランディングはさすが

ロン・センテナリオ30年 12000円前後 なめらかな美酒。特にお薦めです

ディプロマティコ・シングル・ヴィンテージ  10000円前後 ややビターで深みある味わい

 

さらに揃えるなら

ディクタドール・インソレントXO 10000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

ディプロマティコ・アンバサダー 22000円前後 カラメル無添加の自然な甘さ

 

 

 

 

 

以上、R&W式ラム分類法と推奨銘柄のご紹介でした。

内容は2014年に当店にて実施しました、“ラムの販売技術と実践的分類法についての講習”のテキストに

加筆・修正を加えたものです。

 

「興味はあるけれどよくわからない」といわれるラム酒の世界。

現在の日本のバーにおけるラムの状況は

ちょうど20年ほど前のシェリーのそれに似ているように思います。

 

当時は全国にも数店しかないシェリー専門店を除いて

どのバーに行ってもカクテルベース兼用のティオ・ペペしかなく

ちょっと気の利いた店で3本オン・リストされているのが

ティオ・ペペとドン・ゾイロ・フィノとサンデマン・フィノだったりと

シェリーの多様性が日本でも広く知られた今では笑い話のような状況でした。

 

それが関係者の方々の努力により

バーに置ける本数は変わらなくとも

辛口・甘口・熟成タイプと、その全体の豊かな文化を反映した3本が選ばれる時代になりました。

 

ラムは現在、私が知るだけでも50ヶ国以上で生産されている

最も多様性のある蒸留酒です。

日本のバー文化の中で世界のラムの全体像を反映するには、と考えた結果

現在最も必要なことは

現況の日本のバーでの消費の実態に即したカテゴライズと

日本の市場での流通を考慮した、新しいベーシック・アイテムの選定ではないかと

思い至りました。

 

 

長々と書いてまいりましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

バーでの御注文の、またネット・ショッピングの際のお役に立てれば嬉しく思います。

 

この内容は、複製・転載・印刷・配布・引用など、全てご自由にお使いください。

貴店のメニューや、お客様への説明用プリントなどにお使いいただければ光栄です。

 

また、もし内容に御賛同いただけましたら

TwitterやFacebook、店舗や個人のブログなどでご紹介していただき

できるだけ多くの方に知っていただけるよう、ご助力いただけませんでしょうか。

 

皆様がより美味しくラムを楽しんでいただけるよう、これからも努力いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

定元 学

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter    facebook
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

バッサーノ・デル・グラッパとイタリアの思い出 七周年に寄せて

 

 

七周年感謝祭を開催中です。6月6日までです。

 

5月30日の当日は、久々のシャンパンの御提供と

ベリーニやシャンパン・モヒートを作らせていただき、私も楽しませていただきました。

更新情報はTwitterをごらんください。

 

095

 

7th Anniversary special bottles

ウイスキー ベンリアック 1976  35年 キンコー     15ml 1700円

ラム ラ・マニー 1979  90年代初頭流通品  30ml 1700円

グラッパ モルテ 1978 オールドボトル      15ml 1700円

 

Benriach 1976-2012 35yo 47.4% #3030 KINKO 3rd 193bts  / 15ml 1700 JPY

La Mauny 1979 pre AOC    /  30ml 1700 JPY

Grappa Vinaccia di Recioto Amarone della Valpolicella Morte  1978    /  15ml 1700 JPY

 

どちらも好評です。

ベンリアックは封切りから鮮烈な果実香で、ビリー・ウォーカー時代を代表する一本。

 

ラマニーは1996年のAOCマルティニーク制定前のボトルで

現在のように洗練される以前の、焼畑収穫由来と思われる焦げ感を含む複雑な香味。

 

グラッパは野生的な生命力溢れる酒質に

シンプルで力強い木樽の香味がのって、極上の古酒の飲み心地。

是非お試しいただきたい一杯です。

 

 

 

027

 

2007年にイタリアを旅し、酒の生産者やウイスキーのコレクターを訪ねました。

途中グラッパ発祥伝説のある山間の町、バッサーノ・デル・グラッパに滞在し

近郊のスキアヴォンにあるポリ社の蒸留所を訪問しました。

前日になって初めて連絡をしたのですが

現当主のヤコポ・ポリ氏が、自身の運転で迎えに来てくださり、恐縮しました。

 

グラッパは、ワインを造る際のぶどうの搾りかすを発酵・蒸留して造ります。

ポリ社では様々なタイプの蒸留器を拝見できました。

 

029

古式の小さな蒸留器から

 

024

車輪の付いた大型のもの

 

030

 

最新鋭のものまで揃っています。

丁寧に生産過程を御案内していただきました。

また、御先祖の苦労話から

ポリ家と家族ぐるみの親交があった、ロマーノ・レヴィ氏の話などもお伺いできました。

 

かつては蒸留器を牽いて農家を廻り、搾りかすを蒸留して手間賃を得ていたそうです。

アルマニャックと似ています。

野趣豊かなグラッパの魅力の秘密を教えていただきました。

 

またいつか名物のホワイト・アスパラの季節に

バッサーノ・デル・グラッパの町を訪れたいですね。

 

 

 

 

 

バッサーノからの帰路に、ヴェネチアに立ち寄りました。

ヘミングウェイの行きつけとしても有名なハリーズ・バーにて

オリジナルのベリーニとカルパッチョを堪能しました。

今年で85周年だそうです。

 

 

060

 

写真は1720年創業の欧州最古のカフェ、フローリアンにて。カフェ・ラッテ発祥の店です。

もうすぐ300周年だとか。当店も負けないよう、続けていこうと思います。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

七周年記念 ベンリアック1976・ラマニー1979・モルテ1978

 

 

おかげさまで弊店も七周年を迎えることができそうです。

皆様この一年間もお支えいただきましてありがとうございます。

 

心よりの感謝を申し上げます。

これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

更新情報はTwitterをごらんください。

 

今年も7周年にちなみ、“70年代を飲む”と題しまして

この時だけの特別な美酒を3種ご用意いたしました。

 

ラムとウイスキーの他にも、今年はグラッパをゲストに迎えて

本日よりの御提供です。

なくなり次第終了となりますのでご了承くださいませ。

 

116

 

7th Anniversary special bottles

Benriach 1976 #3030   15ml 1700 JPY

La Mauny 1979 pre AOC      30ml 1700 JPY

Grappa Morte 1978      15ml 1700 JPY

 

本日より6月6日までの7日間、特別価格にて御提供します。

31日(火)は定休日ですのでご留意ください。

 

275

 

5月30日は“70年代を飲む”の他にグラスのシャンパーニュもご用意いたします。

この日だけのシャンパン・モヒートやベリーニでもお楽しみくださいませ。

ハーフボトルでもご用命いただけます。

 

取り急ぎ七周年企画の内容だけご連絡いたしました。

詳細はまた後ほど掲載いたしますので、是非ご参加くださいませ。

 

1552

 

2007年に訪れたグラッパの街、バッサーノ・デル・グラッパです。

ポリ社の蒸留所を御案内していただきました。

後日訪問記も掲載いたします。

 

 

 

 

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2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

GWの営業のお知らせ

 

 

GWの営業のお知らせです。

更新情報はTwitterをごらんください。

 

GW中は休まず営業いたします。

5月3日火曜日も特別に営業いたします。

他は通常通りです。

先月より、閉店時間が早くなっていますのでご留意くださいませ。

皆様のお越しをお待ち申し上げます。

 

064

2007年に訪れた、イタリアのバッサーノ・デル・グラッパです。

正面の山がモンテ・グラッパです。

 

 

 

 

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19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

シャア・アズナブルのラム ラ・マニー XO

 

 

京の桜は盛りを過ぎて、三条通りは花水木が満開です。

更新情報はTwitterをごらんください。

 

開封いたしました

ラ・マニー グランド・レゼルヴ XO

La Mauny Grande Reserve X.O.

F 3000 / H 1600

 

012

 

カリブ海の仏領マルティニーク島の

少し古いボトルを久々に開封しました。

島南部の名門蒸留所、ラ・モニーの長期熟成XOです。

 

カルヴァドスよりは甘く

コニャックより酸のある

上質なAOCマルティニークです。

ダージリン・ティーのような繊細で複雑な香味が愉しめます。

是非お試しください。

 

077

 

ラマニーはラム・ファン以外の方にも、良く知られている銘柄です。

“機動戦士ガンダム THE ORIGIN”の劇中に

シャア・アズナブル氏がベネズエラのカラカスのバーで

このラムを飲む有名なシーンがあるからです。

語呂の良さから“シャア専用ラム”なんて呼ばれているようですね。

 

以前から何度かお客様に尋ねられる機会があり

私も読みました。

KADOKAWAのComic Walkerというサイトで無料で見られます。

件のシーンは第18話の42ページです。

単行本では5巻になります。

 

141

 

ラ・マニー蒸留所のボトルにも様々なクラスがありますが

このことに触れている多くのサイトが

当該のボトルを、若い熟成のEleve Sou Boisだとしているのは不思議です。

私の知る限り、歴代のエルヴ・スー・ボワに

該当するデザインのボトルはありません。

 

そのシェイプ・色・ネックのラインの入り方から判断すると

日本では2000年前後から流通したいくつかの熟成クラスのボトルだと思います。

 

033

 

また、バック・バーに並ぶボトルから

この回が雑誌掲載された当時の最新号、世界の名酒事典2003年版を

参考資料として使われたと推測されます。

そこから“赤く”“高級な”という条件で選ばれたのではないでしょうか。

 

候補は二つ、有力なもう一方が外されたのはスポンサーの問題か、ルーツ由来か

ともあれ、フランスのモーニ公爵が始祖の高級アグリコール・ラムという記述が

シャアのイメージと合致したのではないでしょうか。

 

以上の理由から、私はシャアが飲んでいたラムのモデルは

このラ・マニー・グランド・レゼルヴXOだと考えています。

舞台になったバーのモデルは、

マドリードのMESON DEL BOQUERONというイワシ料理店のようです。

 

もちろんこの方面のマニアの方の世界には

とんでもなくお詳しい方々がいらっしゃることは存じ上げておりますので

もし見当違いな内容でしたらご教示くださいませ。

 

054

 

熟成の深いマルティニーク・ラムは、その豊かな香りを愉しむために

通常は大振りのチューリップ・グラスにストレートでお注ぎしておりますが

もちろんオン・ザ・ロックスでもご用意いたします。

お申し付けください。

 

長く人々の支持を集めたサブカルチャーは

才能と情熱と資本を吸収し、時代に洗練され、メインストリームへと成熟していきます。

小説や俳句、歌舞伎のように

漫画やアニメーションも、今後の大人の文化の中心になっていくのでしょう。

 

 

 

 

 

1363

 

ラ・モニーの蒸留所を訪ねたのは2005年のことです。

10日間程のマルティニーク滞在の途中で見学させていただきました。

島の南岸から少し入った高台の上に蒸留所があります。

 

1335

 

複数の蒸留塔が並びます。

ラ・モニーのブランドの他に、トロワ・リビエール、デュケーヌもこちらで造られます。

 

1344

 

メートル・ド・シェにご案内いただき、共にテイスティングさせていただきました。

後方の樽はリムーザン・オークの新樽です。

さすが、贅沢な造りです。

 

1358

 

こちらは出来たての70%の新酒です。

強烈な旨みが忘れられません。

 

 

 

 

 

 

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19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

R&W 営業時間変更のお知らせ

 

 

京の桜の蕾も膨らみ始め、まもなく開花ですね。

更新情報はTwitterをごらんください。

 

 

 

営業時間変更のお知らせ

 

以前より申し上げておりましたが

遅い時間に集中を欠くことが増え

閉店時間を段階的に早めさせていただきます。

 

4月1日から

19時から翌3時 火曜休
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

 

上記の通り変更させていただきます。

何卒御了承いただけますようお願い申し上げます。

 

 

 

025

 

冬の特別公開で相国寺養源院を拝観いたしました。

貴重な文化財と、美しい宝物の数々で眼福でした。

幕末には薩摩藩の病院としても利用されたそうです。

御案内いただきましてありがとうございました。

 

 

 

 

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小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ザ・グラバー 14年 アデルフィ

 

 

新入荷です

ザ・グラバー 14年 アデルフィ

The Glover 14yo /44.3% /Adelphi

H 1000 / F 1800

Twitterはじめました

 

078

 

スコットランドのアデルフィ社より、意欲的なウイスキーが到着いたしました。

ザ・グラバー14年

ジャパニーズウイスキーとスコッチウイスキーの比類なき融合、と題されたボトルです。

 

ザ・グラバーとは、長崎の有名な観光地グラバー邸の主で

幕末の日本で活躍し、維新後も留まったトーマス・ブレーク・グラバーのことです。

スコットランド出身で日本で没したグラバー氏にちなみ、

国産とスコッチのブレンデッド・モルト・ウイスキーが詰められています。

 

当時の貿易商は、兵器を含め様々な商品を扱いましたから

氏の功罪について一面的に評価することは難しいですが

日本の近代化への功績者の一人であることは間違いないでしょう。

 

しっかりとスモーキーな香味です。

色も濃く、厚みのある味わいで

また日本の小規模生産者に感じることの多い、焼けたゴム様の風味も豊かに感じられます。

 

この14年のボトルの中身は公開されていませんが

例えばカリラと富士御殿場だなどと言われれば納得しそうな香味に思えます。

 

興味深い企画で、品質も良いです。

是非お試しくださいませ。

 

 

23 - コピー

 

エジンバラにあったアデルフィ社を訪れたのは2000年のことです。

当時の代表、ジェイミー・ウォーカー氏に御案内していただけました。

住宅街の一室にある、大学の実験室のような清潔なオフィスでした。

 

アデルフィとは1960年までグラスゴーに存在した蒸留所の名前で

かつてその所有者だったアーチボルト・ウォーカー氏の曾孫であるジェイミー氏が

アデルフィ蒸留所の再建を目的として

その資金調達のために設立したボトラーです。

そのため社名も Adelphi Distillery LTD とされています。

 

曽祖父のアーチボルト氏はスコットランドのアデルフィの他に

イングランドのリバプールにグレーンのヴォックスホール蒸留所

アイルランドにリムリック蒸留所を所有したウイスキー界の大人物だったそうです。

 

商品説明中は青年のように爽やかなジェイミー氏でしたが

悲願の蒸留所再興については特に熱く語られていたのが印象的でした。

 

 

 

時は流れ、2004年にジェイミー氏はアデルフィ社を手放し

新しいオーナーへと譲られました。

2014年7月、同社はついに念願の新しい蒸留所を創設しましたが

その名はアデルフィ蒸留所ではありませんでした。

 

新蒸留所はアードナマッハンと名付けられました。

すでに蒸留・熟成が始まっています。

私も参加しているウイスキー・フープでも一樽購入済みです。

ボトリングされる日が楽しみです。

 

 

 

003

 

五分咲きの河津桜と、夜の三条大橋です。春はもうすぐそこまで来ています。

 

 

 

 

 

 

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シルバーシール ガルデル1977

 

 

開封いたしました

ガルデル 1977   32年 シルバーシール

Gardel 1977 /32yo /50.8% /Silver Seal

H 1800 / F 3400

Twitterはじめました

013

 

カリブ海の仏領グアドループ島より、超個性的なラムが届きました。

島の東側、グランデ・テールのガーデル製糖工場で造られた樽出し原酒です。

イタリアのシルバーシール社によるボトリングです。

エキゾチックな色彩のラベルには、なぜかオーストラリアに生息するキバタンが描かれています。

 

開封時から香りは強烈!

溶剤様の刺激の中に、強い酸や焦がしたカラメル、廃屋の匂いが鼻を突きます。

口に含むと突き抜けた苦みと酸味です。

人気のスコアリング・サイト、Whiskyfunのセルジュ氏は insane(狂気)と評しています。

 

賛否の分かれる香味でしょう。

おそらくは発生したガスによる事故を防ぐために屋外に設置された

熱帯の島の発酵槽で

望ましく無い類の発酵をしたのは明らかです。

 

皆々様にはとてもお勧めできませんが

濃厚辛口苦ラムの愛好家の方は是非お試しください。

思わず破顔してしまう逸品でございます。

 

022

 

蝶のような形のグアドループの東の翅、グランデ・テールには

このガルデル製糖工場と、ご近所のダモワゾー蒸留所がございます。

海外のサイトを検索しますと、ガーデルでの蒸留は1992年で終了したという説もあり

また98年蒸留のガーデルというボトルも販売されていたりして

稼働状況の詳細は私では調べられませんでした。

 

Pure Agricole Rumの表記もありますが、

イタリアン・ボトラーはよくデメララにもそう記していますので

気にしなくてもいいことなのでしょう。

 

 

1585

 

グアドループ島を訪れたのは2005年の10月のことです。

パリから8時間飛んでマルティニーク島に、さらに小さなプロペラ機で数十分の距離です。

いつものように一人で、まずダモワゾー蒸留所を訪ねたのですが

光栄にも現当主のエルヴェ・ダモワゾー氏その人にご案内していただけました。

 

蒸留所と熟成庫をご案内いただいた後

ちょうどブリストルやアルケミストからガーデルのボトルが発売された頃でしたので

その稼働状況について尋ねてみたのですが

「ガルデルは製糖工場で、今も昔もラムを蒸留したという話は聞いたことが無いよ。」

とお答えいただきました。

 

これは事実なのか

私の英語の拙さゆえの齟齬があったのか

エルヴェ氏が興味が無く、ご存知なかったのか

あるいはご近所ならではの何かしらの事情があったのか

今だにわかりません。

 

もしこれがスコッチウイスキーの世界なら

最寄りの蒸留所の変名であることが多いのですけどね。

 

 

 

 

 

1663

 

私がグアドループを訪れたちょうどその時に

北カリブでは観測史上最大のハリケーン “ウィルマ” が猛威をふるっていました。

その影響がある距離なのかどうか

時折凄まじい豪雨や強風で、海も大荒れになりました。

 

写真はグアドループの中心ポワンタ・ピートルより望む、嵐の後のカリブの夕景です。

 

 

 

 

 

 

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19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
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