ナインリーヴス蒸留所訪問記の続きです

前回は再溜の工程までを御紹介いたしました。

 


 

蒸留液はいったんタンクに貯められ、加水・フィルタリング・ボトリングされて完成します。

加水するのはもちろん仕込み水と同じ鉱山の湧水です。

驚くべきことに、ミネラル除去も加熱殺菌も行わない生水での加水だそうです。

 

これは日本では珍しい非加熱ミネラル・ウォーターの採水地だからこそできることで

蒸留酒の加水に使われるのは、知る限り世界でも稀な例だと思います。

 

 

蒸留所のすぐ横の木々の間にトロッコの線路跡があり

 



 

木々の奥に坑道の入口があります。

 



 

中は夏でも寒いほどです。

急勾配で下ります。

廃坑の設備は錆びて朽ちています。

 


 

50m程下ると、突如大聖堂の内陣のような巨大な空間に出ます。

鉱脈を掘った跡です。

 



 

さらに奥へ

 



 

天井の低い坑道を屈んで進むと

 



 

水源です。

冷たい岩深水が噴出しています。

 



 

坑道は更に深く、ずっと下へと続いていましたが

とてもそれ以上は進めませんでした。

 

この美しい水を加えて、ナインリーブスは完成します。

 

 



 

 

こうして造られたNINE LEAVES CLEARは、どうお飲みいただくのが良いのでしょう。

 

華やかな香りと重厚で複雑な味わいは、是非そのままでお愉しみいただきたいところです。

陶酔していただける品質です。

 

しかしまだ本邦では皆様ホワイト・ラムの香味に慣れておられませんし

初めは気軽にお試しいただけるカクテルも御提案させていただきます。

 

 

世界のラムの例を見ても

まずはシグネチャー・カクテルで香味を知って、慣れていただき

それから徐々にお酒そのものへの興味をもって愛好していただくのが

定石かと思います。

 

生産者の竹内氏のお勧めは、コーラで割ったカクテル、“クバ・リブレ”です。

御一緒した銀座 Bar Lampの中山氏によって“滋賀リブレ”と名付けられました。

 


 

滋賀リブレ

 

ナインリーヴス・クリア 45ml

ライム 1/4カット

瓶のコーラ 適量で満たす

 

コーラは強い味わいで混ぜた酒の味を染めてしまいますが

染まらないナインリーヴスあってこそのカクテルです。

飲み易く、かつ個性も主張して、シグネチャー・カクテルに最適です。

ネーミングも洒落ていて、語感も良いです。

 

 

私も真似て考案いたしました。

ピニャ・コラーダのナインリーヴス版で、“琵琶・湖ラーダ”です。

 


 

琵琶・湖ラーダ

 

ナインリーヴス・クリア 40ml

モナン・ココナッツ・シロップ 15ml

生クリーム(牛乳で代用できます) 10ml

パイナップル・ジュース 80ml

カット・パイン 1/4 リング (カットして冷凍保存できます)

 

以上をクラッシュ・アイス1カップとともにミキサーにかけ、ゆるいフローズンにします。

 

これも香味の強い副材料を使い、ナインリーヴスならではの個性を引き立てました。

子供っぽい名前ですがおいしさには変わりありません。

 

 

もう一つ、これからの秋冬に向けて、身体の温まるジンジャーのカクテルも考えました。

バーミューダのゴスリング・ラムのシグネチャー・カクテル“ダークン・ストーミー”のアレンジで

“ダークン・スト近江”です。

 


 

ダークン・スト近江

 

ナインリーヴス・クリア 45ml

フィーバーツリー・ジンジャービア 100ml

ライム 1/4カット

 

小さめに砕いた氷とともに、銅のマグカップに満たす。

 

ラムのモスコミュールですね。シンプルでおいしいですよ。

名前はもっとセンスのある人に付け直してもらいたいですね。

 

 

次回はナインリーヴス・熟成編です。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます