2014年 9月 の記事

ポール・ジロー トレ・ラール 90年代流通品

 

 

時は秋。熟成酒の季節です。

 

開封いたしました

ポール・ジロー トレ・ラール 90年代流通品

Paul Giraud  Tres Rare /40% / bot. 90’s

H 1100 / F 2000

 


 

懐かしいボトルが市場に出ていましたので

購入いたしました。

 

日本でも人気のコニャックの造り手、ポール・ジローの90年代流通品です。

販売元によると1996年のボトリングだそうです。

以前御本人より1959年蒸留のシングル・ヴィンテージとお伺いいたしました

 

開封から濃密な甘い果実香です。

口内にも新鮮な果汁のような繊細な甘みが広がり

白木のような上質な渋みが引き締めます。

 

大手メゾンの古酒のような重厚で芳醇な迫力のあるタイプではありませんが

カラメル無添加で果実味に重きを置いた端麗な構成です。

 

コニャックの魅力の全てが愉しめるボトルではありませんが

一つの方向性の完成形と申し上げても良い程の品質に達しています。

 

良心的な価格で、ある程度の本数入ったようですので

御自宅用に、あるいはお店に何か良いブランデーを一本、という方に

御購入を強くお薦めさせていただきます。

 

 



 

当店では贅沢にもサイドカーに仕立ててみました。

銘酒に蛇足とならないよう最小の手を加えました。

価格もお得な2000円といたしましたので

この機会にお試しくださいませ。

 

 

 

 

ポール・ジロー氏のメゾンを訪れたのは2004年のことです。

いつか記事にしようと思ったまま、もう10年も経ってしまいました。

 

私は運転しての生産者訪問はしませんので

コニャック市から2駅先のシャトーヌフ・シュル・シャラントから

メゾンのあるブートヴィル村まで、霧雨降るぶどう畑の中を7kmほど歩きました。

 


 

この道をひたすら進みます。他に歩く人はいません。

 


 



 

なだらかな丘陵地帯です。ただただぶどう畑が広がります。

 


 

2時間半ほど歩くとブートヴィルです。心地良い散歩でした。

 


 

木の奥がラベルに描かれているジロー家のメゾンです。

 


 

当主のポール・ジロー氏にご案内していただきました。

この時、

“日本に出荷したトレラールは最初から今(2004年時点)まで、1959のシングル・ヴィンテージのみ”

と教えていただきました。

今回のボトルです。

 

最初の出荷のとき熟成年数を聞かれて、“35年”と答えたら

それから何年経っても35年と言われているよ。

と笑っていらっしゃいました。

 

ボンボンヌではなくフードルに移して熟成が進まないようにしていましたので

まだかなりの量があったのでしょうか。

 

かつては大手メゾンに原酒を卸していたそうですから

出来の良い特定のヴィンテージだけを自家用に確保したのかもしれません。

とはいえさすがに今はもう同じ原酒ではないのでしょうね。

エリタージュは1940年代の連続した3つのヴィンテージのバッティングだそうです。

 

 


 

蒸留工程と熟成庫を拝見して

居間で古酒のテイスティングもさせていただき

素晴らしい時間でした。

 

私は次の目的地、さらに7km先のスゴンザックまで陽が落ちる前に歩く予定でしたが

ありがたいことにジロー氏の運転で送っていただけることになりました。

 

上掲の写真は、途中丘の上でしばし車を降りて眺めたブートヴィルです。

教会は旧教と新教とが争わず融和した珍しい様式で、村の誇りなのだそうです。

 

 


 

ジロー氏には多くのことを教えていただきましたが

ちょうど訪れた前年がフランス全土で記録的な熱波の年でしたので

 

2003年のワインの出来はどうですか?

と尋ねると

 

プリムールでは好評で期待されているようだが、長じてはばらつきが出るのではないだろうか。

生産者の力が問われるだろう。

 

では2003年のコニャックの出来は、と尋ねると

 

コニャックの場合は・・もちろん葡萄の出来は大切だが、最も重要なのは蒸留の成否だ。

蒸留の温度・時間・カットのタイミング。蒸留液の精度こそがその年の出来を決める。

だから私は蒸留時には毛布を持ち込んで蒸留器を一晩中見ているのだ。

 

とお答えいただきました。

 

コニャック・ラム・スコッチと

様々な蒸留酒を扱う中で、この教えは私の酒への理解の根幹になっています。

 

車内でもコニャックの次の目的地、アルマニャックの貴重な情報など親切に教えていただき

陽の傾いたスゴンザック村で、ジロー氏と別れました。

またいつかお会いしたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

コニャック市に着いたのはこの3日前のことです。

着いて最初に訪れたのは、忘れもしないコニャック市警察署です。

その前日まで世界遺産の美しい町、ボルドー近郊のサンテミリオンに滞在していました。

 

その日は早朝にサンテミリオンを出発し、憧れのシュヴァル・ブランをご案内いただき

(まだ葡萄のバッジを付けて仕事をしていた頃です)

午後はポムロールを回って、それから列車を乗り継ぎコニャックへ向かいました。

 

途中ちょっとしたトラブルで予定が狂い、コニャック駅には終列車でなんとか着きました。

すでに街は真っ暗で、人も車も全く見かけず、

宿を探してゴーストタウンのような煉瓦の倉庫街を市中心部に急ぎました。

 

ようやくホテルらしき明かりが見えた時、ちょうど前方から初めて車が来て、ほっとしました。

しかしその車はなぜか私のすぐ横で急停止し、

「しまった!」と思った時には遅く、出てきた大男2人に前後を挟まれました。

 

強盗と覚悟しましたが襲っては来ず

ぼろぼろの手帳と短い警棒を見せて

「ポリス。ショウ・パスポート」と片言の英語で言ってきます。

 

2人ともラフな私服で自家用車です。どう見ても警官ではありません。

私はインドや東南アジアでの経験から、これは稚拙な偽警官詐欺だと判断して

とにかくパスポートを渡さずに人のいる場所へ行かねばと

 

「あのホテルのロビーで見せますから、一緒に来てください。」

と言って歩き出した瞬間、

後ろの男に掴まれ、地面に押し付けられ、警棒を頬に当てて制圧されました。

 

それからはあまりよく覚えていませんが

とにかく暴れながら大声で叫んでいたように思います。

すぐにパトカーのサイレンが聞こえ

「助かった!」と思いました。

 

パトカーから降りてきた警官は

彼らではなく

私に手錠をかけました。

 

つまり彼らは本物の私服警官で

私はパスポートの提示を拒否した上、大暴れした怪しい外国人だったのです。

 

手錠をかけられた後ろ手に、さらに自分の荷物を持たされて

口から流れる血を拭うことも出来ず

いつのまにか集まってきた街の人々に見られながら

パトカーで連行されたのがコニャック市警察です。

 

一時間ほどで誤解が解け、開放されましたが

翌日はショックで一日引きこもりました。

今となっては楽しい思い出です。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

ロン・サカパ・センテナリオ ブラック・ラベル 旧ボトル

 

 

開封いたしました

ロン・サカパ・センテナリオ ブラック・ラベル

Ron Zacapa Centenario  Black Label  Edicion Conmemorativa  40%

H 1300 / F 2400

 


 

写真後方のロンサカパXO旧ボトルが売り切れましたので

新たに開封いたしました。

 

人気の甘口ラム、ロン・サカパの上級品。

瓶全体がペタテにおおわれていた頃のボトルです。

 

ラベルの受賞歴の最新の表記が2001年、

ボトルデザインの変更が2005年前後でしたからその間のリリース品でしょう。

 

御存知の通りの濃厚甘口ですが

長期の瓶内熟成でシルキーな舌触りの上質な古酒になっています。

 

成熟した大人のためのデザートです。

是非お試し下さいませ。

 

 



 

昼は蝉が、夜は蟋蟀が鳴く季節です。

気温も程よく、散策に良い気候になりました。

 

南禅寺界隈を歩きますと

もう色付き始めた葉の向こうに

まだ夏の雲が望めます。

 

写真は瓢亭と無鄰菴の間に見えた入道雲。

この洋館の二階が山縣・伊藤らの無鄰菴会議が行われた場所です。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

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