2013年 9月 の記事

スキャパ 1989 ジョン・ミルロイ

 

開封いたしました

スキャパ 1989 ジョン・ミルロイ

Scapa 1989 /50% /#1892 /John Milroy

F 1500 (H 900)

 


 

なかなか涼しくなりませんね。

こんな気候には爽やかな若いスキャパなどいかがでしょうか。

 

1989年蒸留で熟成年数表記はありませんが

裏ラベルに

John Milroy joined the family liquer buisiness in 1947,

~ Now celebrating 50 years trading.

との記述がありますので

この通りなら1997年頃の発売で、8年程の熟成ということになります。

 

洋梨とレモンのコンポートのような清々しい甘い香りから

スキャパらしい旨味と塩、素直な麦の風味が愉しめます。

初秋にふさわしい一杯です。お試し下さいませ。

 


 

こちらも開封です

カリラ 1990-2003 58.2% GMカスク・セレクション

H 1000 / F 1800

 

GMの樽出しのカリラです。

アタックから余韻まで充分なスモークを感じさせ

嫌味なく、旨味のしっかりしたバランスの良いアイラ・モルトです。

 

 



 

今週売り切れたのは

バルヴェニー・クラシック 18年

ロイヤル・ロッホナガー1972 TR・TWF

ベンリアック1976 Kinko 2nd

でした。

 

バルヴェニーは三楽輸入のウイスキー表記なので89,90年の流通品。

円熟して素晴らしい逸品でした。また同等の古酒を御用意したいですね。

ベンリアックは新作効果でしょうか。3rdはまだございますのでお試し下さい。

 

 

 

 

散策の途中で

特別公開中の六道珍皇寺に寄り道しました。

普段は格子越しに眺めるだけの庭園に初めて入って

小野篁の冥府通いの井戸を直接覗き見ることができました。

 

羊歯の茂った井戸の底は案外浅く、陽光が差しこんで

冥界に通じているようには見えませんでしたが

蛙の一匹くらいは住み着いていそうな涼やかさでした。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

Jバリー 1957

 

開封いたしました

Jバリー 1957

J.Bally 1957 /45%

H 2600 / F 5000

 


 

マルティニークの名門、Jバリーより

1957年蒸留の大古酒です。

 

写真後ろのレゼルブ・ド・ラ・ファミーユは20年代から60年代の黄金のマルチビンテージですが

この57にはより若々しさを感じます。アプリコットの艶やかな香味です。

 

ファミーユには枯淡の風味や青さもあり、複雑さには優りますがネガティブな要素も散見されます。

57は正に熟成の頂点で詰められた上質な構成要素のみで、香りから余韻まで全て素晴らしいです。

こちらも違った方向性で同クラスに並び立つ品質かと感じます。

 

甲乙つけがたい極上の美酒でございます。

是非お試し下さいませ。ファミーユは残り僅かです。

 

 

ラベルのデザインから90年代前半の輸入かと思われますが

バリーは同ビンテージを複数に分けて出荷することも多く

またフードルやボンボンヌで保存されていた可能性もあり、熟成年数は不明です。

 

また、Jバリーの“世界の名酒事典”への初出は1990年版で

この頃から日本で扱われるようになり

インポーターが一度に在庫を買い付けたのかも知れません。

 



 

そのような経緯から年代特定は難しいのですが

名酒事典の掲載写真に基づけば

上記左のラベルが1990-92年度版

中央が93.94年度版

右が95年度版以降のものになります。

 

中央ラベルは他に24・29・39・47・70・75もあり

右ラベルは00 (!) ・50・60・70・95もあると記載されています。

95年度版に95ビンテージはおかしいですね。誤植でしょうか。ブランでしょうか。

 

 


 

今週売り切れたボトルはジャッコーネのジャマイカとラモニーのヌーヴォー・モンドです。

ジャッコーネは液面が下るにつれ甘味が増してより複雑になりました。また扱いたいですね。

 

 

 

 

京都にも台風の来た翌日に

久々に平安神宮の神苑に行ってみました。

白虎池の菖蒲が何本か折れてはいましたが

変わらぬ平安を保っていて、安心いたしました。

 

前回は桜の季節で人が多く

川端康成の古都で有名な蒼龍池の臥龍橋は封鎖されていましたが

この時期はゆったりと飛び石を渡れます。

 

栖鳳池に架けられた泰平閣の途中に腰掛けると

亀島で甲羅干しをする亀たちのユーモラスな姿が見られます。

昨夜は水底で息を潜めていたのでしょうか。

 

池畔の尚美館の上に広がる青空も澄みわたり

秋前の気候も快く、光やさしく

記憶に残る美しい時間となりました。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ナインリーヴス蒸留所訪問記 #1

 

8月27日、本州初のラム蒸留所、ナインリーヴスを訪ねてお隣の滋賀県へ行きました。

 

蒸留所訪問としては2007年2月に北イタリア、バッサーノ・デル・グラッパ郊外のポリ社を

当主ジャコポ氏に御案内いただいて以来、

またラムの蒸留所としては2005年10月にカリブ海仏領グアドループ島の

ダモワゾーを訪ねて以来久々となりました。

 

開店から早4年、日々の業務に追われて近畿からも出ておりませんが

まさか畿内でラムの生産を見学できる日が来るとは望外です。

造り手でオーナーの竹内義治氏がお一人で造っていらっしゃる

マイクロ・ディスティラリーです。

 

今回は再溜の工程を拝見させていただきました。

写真はグレンモーレンジのスティルの形状を参考に造られた、フォーサイス社製の再溜釜です。

奥の初溜釜はベンチャー・ウイスキーの秩父蒸留所のそれを意識して造られました。

 


 

「東京のバーテンダーの方も御一緒するかもしれません」

との連絡をいただき、おそらく・・と思いましたが

予想通り日本ラム協会の中山篤志氏と再会できました。

銀座 Bar Lampのマスターで、ガイアナやモーリシャス、レユニオンも訪れた

日本のラム業界の最前線を行く方です。さすがの行動力です。

 

石山駅から、壬申の乱の古戦場として有名な瀬田川沿いに進み

岩間山麓を登る途中の少し開けた高台に蒸留所があります。

 

 



 

 

その隣にはこの地に蒸留所を建設する所以となった長石鉱山の坑道があります。

現在は廃坑ですがその地下深くに仕込み水の源泉があります。

日本では希少な非加熱のミネラル・ウォーターとして販売もされています。

 



 

 

ラムは世界で最も生産版図の広範な蒸留酒です。

蒸留所の数を正確に把握することは困難ですが

一説には4000程度はあるとも云われています。

統廃合で急激に減少しつつあるようですが

かつて立ち寄ったタイのサムイ島にも小さなラムの蒸留所があり、驚きました。

 

それら世界のラムの蒸留所のほとんどが、以下のどちらかの条件のもとに造られています。

・原料(さとうきび・糖蜜)を確保しやすい環境にある

・蒸留設備がすでにあり、原料を変えるだけでラムを生産できる

 

ナインリーヴスはそのどちらにも当てはまらない、世界でも稀有な蒸留所です。

竹内氏の確固たる理念によって誕生した、全く新しい生産のスタイルといえます。

 

次回より具体的な生産方法を御紹介していこうと思います。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

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