2014年 8月 の記事

秩父 2010-14 信濃屋

 

 

新入荷です

秩父 2010-14  4年 信濃屋

Chichibu 2010-14 /4yo /59.7% /#2625 /Shinanoya

F 1800 / H 1000

 


 

2008年に誕生した新しい蒸溜所、

イチローズモルトとして有名な

ベンチャー・ウイスキーの秩父蒸溜所より

4年物の若いウイスキーです。

 

このボトルは東京の酒商、信濃屋さんの100本目のオリジナル・ボトルとして詰められたものです。

当店での秩父の扱いは初めてとなります。

 

 

開店より、国産のウイスキーは扱ってきませんでした。

これは国産の品質がスコッチに劣るからではなく

近隣の店舗でも定番で置かれている商品を、当店で扱う意義を感じなかったからです。

 

しかしここ数年、海外のウイスキー・マニアのお客様がよくいらっしゃるようになりました。

わかりにくい当店をわざわざ調べてお越しいただいています。

 

そんな方々に

国際的な観光都市のウイスキー専門店として

また国産誕生の聖地・山崎蒸溜所のお膝元として

「日本のウイスキーは置いていません」

などと申し上げるわけには参りません。

 

数年前より、僅かながら数種御用意するようになりました。

 

 

代表的な生産者と蒸溜所の品揃えです。

余市はマガジン・ライブ向けの1985、山崎と響は80年代の最初期のものです。

 

右端のペットボトルは何年か前に量り売りの店で購入した

福島の宝酒造白河工場の30年ものです。55%で昔の国産らしい焼けたゴム様の香味もありますが

長期熟成で複雑さもありなかなか愉しめます。閉鎖蒸溜所です。

 

新着の秩父は4年熟成で若く、未熟です。

生木の青さと焦がした木の香ばしさの両方をやや過剰なほど強く感じます。

ニューポット感をマスキングするためにそうしているのでしょう。

それは成功していると思います。

 

今後の熟成に向けた過程をありのままに出されたというより

4年間の熟成品に出来る限りのことをなされたのではないでしょうか。

強い意志の力を感じます。

海外の方にも是非お試しいただきたい一杯です。

 

「肥土伊知郎氏の不屈の意志によって誕生した

日本の最新の蒸溜所のウイスキーです。

まだ若いですがその志は高く

今後を楽しみにお待ちいただける生産者です。」

 

このように御紹介させていただきたいと存じます。

 

 

来月には竹鶴政孝・リタ夫妻がモデルのNHKの朝の連続ドラマ“マッサン”も始まります。

愛好家なら諳んじている、日本のウイスキーの創生神話を、多くの方が知るようになるでしょう。

この機会にウイスキーに興味を持たれる方に、その魅力をお伝えできますように

私も改めて日本のウイスキー史のおさらいをしておこうと思います。

 

 


 

その他国産洋酒は、青梅で造られていた時代のアーティチョークのリキュール、チナールと

モロゾフ酒造(現モンデ酒造)のオレンジ・ジンなどがございます。

どちらも日本の底力を感じる逸品です。ご興味があればお申し付け下さい。

 

 

 

 

 

 

2001年、日本のウイスキーの国際評価の転換点となった

英国Whisky Magazine誌の“The Best of The Best”の一般向けブラインドテイスティング会に

上京して参加したのを懐かしく思い出します。

 

世界の47種のウイスキーをブラインドで試飲するのですが

結果、最高点を得た余市10年・カスクストレングスの

際立って異質な新樽の香味の個性は

今も鮮烈な印象として残っています。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

グレントファース 1979 ゴードン・アンド・マクファイル

 

 

開封いたしました

グレントファース 1979 ゴードン・アンド・マクファイル

Glentauchers 1979 /40% /Gordon&Macphail /bot. mid 90’s

H 1200 / F 2200

 


 

GMケルティックのグレントファース1979が残り僅かになりましたので

同じGMの少し古い物を開封いたしました。

 

熟成年数の表記はありませんが

90年代半ば頃の瓶詰めかと推測されます。加水の40度です。

 

ケルティックの方はいかにも長期熟成品らしい豪奢な香味でしたが

こちらは古典的なスコッチらしい麦の素直な旨味です。

 

少し酸のある苺のような香りが魅力的で

長期の瓶内熟成で果実と穀物の要素が一体化しています。

 

思いがけぬおいしさに嬉しくなります。とてもおすすめの逸品です。

是非お試し下さいませ。

 

 


 

今回売り切れたのはサマローリのオード1965です。

上品な素晴らしいオードでした。

また秋になりましたら、こういった繊細なボトルも開けていきます。

もうすぐですね。

 


ウイスキーリストを更新いたしました。

当店の全ての在庫を価格とともにご覧いただけます。

ご検討のうえ、お申し付けくださいませ。

 

 

 

 


 

三条大橋から望む東山です。

台風も過ぎ、夏の終わりの空模様です。

 

山頂の将軍塚にクレーンが設置されています。

青蓮院の飛び地に新しい建物、青龍殿が造られています。

 

上京の武徳殿を移設して国宝の青不動を祀り、都の東方守護とするようです。

10月には落慶して公開されるそうです。

都の新名所となるのでしょうか。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

五年間の歩みによせて

 

 

おかげさまで五周年記念祭も無事終了いたしました。

先月は雑誌掲載もあり忙しくさせていただきましたので

遅くなりましたが改めて弊店のこの五年間の歩みを総括いたします。

 


 

17年前東京で、やりたいこともやれることも無く

毎日を怠惰に無為に過ごしていた頃に

当時雑誌に連載されていた漫画に感化されて

「京都に行ってバーテンダーでもやってみようか」

と軽薄に考えたのが始まりでした。

 

その漫画は上掲の“酒場ミモザ”です。

かつて三条木屋町下るにあったリラ亭さんがモデルです。

加藤登紀子さんが“時代おくれの酒場”と唄った名店でした。

 

縁も無い京都に鞄一つを持って来て

一乗寺の山際に三畳一間で月一万五千円の部屋を借り

翌日にはバーテンダーのアルバイトの口を見つけました。

結局その店には12年お世話になりました。

 

カジュアルなバーでしたから

毎日軽口を叩くのが仕事みたいなもので

性に合って楽しく働かせていただきました。

 


 

夏は鴨川に納涼床が出て忙しく

休みなく働きました。

家賃も安く、使う間もなかったので

給料で古酒を買いこむようになりました。

 

冬は暇でいくらでも休めましたので

長期で海外に行くようになりました。

“酒場ミモザ”の主人公にならって

インド最南端のコモリン岬までハイボールを飲みに行きました。

 

初めは物価の安いアジアやインドでしたが

そのうちヨーロッパやカリブに酒造りを見に行くようになりました。

 

アルバイトの仕事が生涯の職となりました。

 


ジョルジオ・ダンブロージョ氏のコレクション・ルーム  ミラノにて

 

 

長く勤めると管理職になり、それは私には不向きでした。

再び現場に立つべく

独立を決めました。

 

私はラムとウイスキーが特別好きですから

それらを中心とした店をしようと考えました。

幸いボトルはもう部屋に数百本ありました。

 

店の名前を考えているときに

ふとまた数年ぶりに“酒場ミモザ”のページを開きました。

 



 

 

What is the life without love and whisky.

愛と酒なくして 何の人生ぞ

 

この文言を勝手に拝借して、もじって店名にいたしました。

結果、当初予定していなかったラムとウイスキーだけの専門店になりました。

 

開店初日に最初にお迎えしたお客様は

最も尊敬する偉大な先達、二条KのN氏でした。

こんなに嬉しいことはありません。

その日最後のお客様は

寺町の林檎のT氏と御幸町の揺り椅子のT氏のお二人組でした。

光栄の至りです。

 

それから五年間が過ぎ

N氏のようなホスピタリティや、ミモザのマスターのような包容力は持てませんでしたが

洋酒の魅力をできるだけ純粋に愉しんでいただけますよう

尽力しております。

 

五周年を超えて

今後の目標は

“より純粋に”

 

洋酒の魅力を皆様にお伝えすることを生業に選んだのですから

話術や、人脈や、しつらえの力を借りず

その技術と知識、洋酒への理解をより向上させることで

皆様にご満足いただける高みを目指したいと存じます。

 

偏狭な考えで

それはバーテンダーの仕事ではないと言われれば

そうかもしれません。

 

あと3、40年も続けて、

見るべきほどのことは見つ

という心境になったら

心から

酒の銘柄なんてなんでもいいんですよ。

と言う日が来るかもしれません。

 

それまではどうかお付き合い下さいませ。

 

 

 

 


 

 

今週売り切れたのはダンカンテイラーのボウモア1968と90年代のスプリングバンク15年です。

どちらも華やかな香り高い美酒でした。

ボウモアはハートブラザーズの68とプレストンフィールドの72が開いています。

スプリングバンクは新たにQE2の12年ジャグを開封いたしました。

蒸留は60年代かと思われます。おすすめです。

 

 

 



 

先の休日は御苑にある京都迎賓館に行って参りました。

年に一度、予約申し込みをして抽選制で参観できます。

金属探知や手荷物の開示もあり、さすがに厳重な警備です。

 

現代の和の意匠の粋で眼福でした。

写真は中庭の池に用意された和舟です。

ブータン国王夫妻も舟遊びを楽しまれたそうです。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

 

Jバリー 1986-94

 

 

開封いたしました

Jバリー 1986-94

J.Bally 1986-94 /45% /Rhum Vieux Agricole Martinique

H 1100 / F 2000

 


 

暑い日々が続いています。

短期熟成のアグリコール・ラムはいかがでしょう。

 

仏領マルティニーク島の名門Jバリーより

今から20年前の流通品です。

 

Jバリーは1987年に閉鎖され、現在はバナナ園になっていますが

これは閉鎖前の旧施設で生産されたものです。

 

艶やかでフルーティな香りと複雑で繊細なボディに

青草様のアクセントが爽やかで、この季節にもぴったりです。

 

原酒の良質さと長期の瓶内熟成によって

短期樽熟成の美点がよく出ています。

 

とても高水準な品質のおいしいフレンチ・カリビアン・ラムでございます。

是非お試し下さいませ。

 


 

今回売り切れたのはトロワリビエール1969とラパラン1952です。

どちらも熟成ラム文化の頂点に立つ美酒でした。

再び扱うことが出来ますよう精進いたします。

 

 

 



 

先の休日は土用の丑の日で

下鴨神社のみたらし祭りに行って参りました。

 

この日は境内の御手洗池に水が張られ

蝋燭を献じて息災を願う“足つけ神事”が行われます。

 

早朝から夜10時頃までされていますので

私のような生活時間のおかしな者でも思い立ってから参加できます。

 

裾を絡げて膝下まで水に浸すと

良い暑気払いになります。

毎年のことながら、この時のみたらし池の氷水のような冷たさには驚かされます。

血流が変化する為か、神事の後はいつもしばらく放心いたします。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

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