2013年 4月 の記事

グレンエイボン 15年 セスタンテ

 

開封いたしました

グレンエイボン 15年 セスタンテ

Glen Avon 15yo /Avonside Whisky LTD /Sestante /40% /bot.1980s

H 1300 /F 2400

 


 

セスタンテ扱いのGMのグレンエイボンです。

瓶型からファークラスと思い込んでいましたが

どうやら60年代のマッカランだと言われているようです。

改めて調べてみましたが絞り込むことはできませんでした。

 

程よく焼けたトーストのような穀物の香ばしさと

力強い蜂蜜や黄桃のコンポートの甘い香りが

徐々にビターに変化していきます。

上質なシェリー樽熟成のウイスキーです。

どうしても先入観が入りますが

かつて飲んでいた昔日のマッカランの印象に近いように思います。

愛好家の皆様がマッカランを特別視される理由は

濃厚なシェリー樽熟成でありながら

それに付随することの多い過剰な苦味や硫黄香が無く

相反する長所を兼ね備えている点でしょう。

このボトルもそのように思えます。

しみじみ美味しく、お勧めできる一本です。是非お試し下さいませ。

 

 

 

先の木曜日は当店窓より見える知恩院三門の明かりがいつまでも消えず

4時の閉店時にも灯っていました。

不思議に思い調べると

“ミッドナイト念仏 in 御忌”といって

法然上人の忌日法要に夜通し念仏を唱えているようです。

当初参加するつもりは無かったのですが

帰宅後つい好奇心が出てしまい、散策ついでと出掛けて

随時入退自由とのことで三門の上まで上がってみました。

楼上には蝋燭の薄明かりの中で一面に座布団と木魚が用意され

朝5時頃ですが20数名が僧侶の念仏に合わせて木魚を叩いていました。

若者も多くなかなかの熱気です。

私も座して20分程参加しましたが

十六羅漢像や探幽筆といわれる天井画も昼間に見るより迫力があり

また楼上の回廊より美しく明けゆく洛中を眺めることもでき

珍しく楽しい体験でした。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

 

ディロン 2002-2012 10年 ダンカンテイラー

 

新入荷です

ディロン 2002-2012 10年 ダンカンテイラー

Dillon 2002-2012 /10yo /Duncan Taylor /54.5% /#4 /240bts

F 1200

 


 

ダンカンテイラーが新たにラムのボトリングを始めたとのことで

国内に輸入された6種のうちの一本です。

初回からカリブ周辺のバラエティ豊かな原酒を集めてますが

注目はこのディロンです。

ボトラーからのマルティニーク・ラムで蒸留所名が明示されたことがかつてあったのでしょうか。

私の記憶にはありません。

シングルカスクで、冷却濾過・着色・加水無しというのも仏領からは珍しいでしょう。

今回は他にキューバのサンクティ・スピリタス蒸留所も詰めており

大手ボトラーからのまた買いだけでは無い独自のルートの存在を感じさせ、期待させます。

 

公式のテイスティング・コメントにリードされながら飲んでいくと

サフランやストロベリー・ジャム、シナモン、レモンと青草の香り。

未熟なパッション・フルーツの酸味、マスタードとペッパーの刺激、魚介の旨味と塩とオイル。

 

オフィシャルのXOよりは明らかに淡いレモン・イエローで

XOに特徴的なバーボン樽由来と思われるバニラ香が無く、コニャック樽熟成でしょうか。

700mlで240本は南国なら自然な目減り量に思えます。

アッサンブラージュによる複雑さがない代わりに

シングルカスクならではの個性を愉しめます。

仏領ラムの愛好家の好奇心をそそるボトルです。お試し下さい。

 

 

ディロンは2005年を最後に操業を止め、現在はドゥパズで造られています。

私もその年に訪れましたが、すでに蒸留所は停止していました。

事務所兼資料館で尋ねると自由に入って見てくれとのことで

巨大な蒸留所を一人で勝手に見て回りました。

窓から南国の強い陽光が差し込み

もう動くことの無い赤銅の装置を静かに輝かせていました。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

バルメナック 10年 スコティッシュ・ワイルドライフ

 

開封いたしました

バルメナック 10年 スコティッシュ・ワイルドライフ

Balmenach 10yo /Scottish Wildlife /Signatory /43%

H 1000 /F1800

 


 

90年代初頭の瓶詰めと思われる

シグナトリーの若いバルメナックです。

野生動物の保護を目的とした“スコティッシュ・ワイルドライフ・トラスト”向けに詰められたもので

裏書によるとラベルの鳥は“Capercaillie・ヨーロッパ大雷鳥”です。

雷鳥の仲間では最大で、雄は気性荒く鹿や羊、人間も威嚇するのだそうです。

 

トップの青草やレモンの香りはニューポットを連想させますが

長期の瓶内熟成によるものか

未熟ながら嫌味なく、上質で心地良い刺激です。

口内でも甘味と酸味のバランス良く

軽く効いたピートがスパイシーに全体を引き締めます。

余韻は麦汁の甘さが程よく続いて消えていきます。

 

シンプルながら過不足無い構成です。

質感も良く、最近のやや迷走気味のニューリリースのボトルの合間にお飲みいただくと

ハッと輝くものがあるのではないでしょうか。

採点し難い魅力に満ちたウイスキーです。是非お試し下さいませ。

 

 

 

この数日の荒天で

洛中の桜はほとんど散ってしまいました。

後は御室や大原、平野神社のいくつかの品種など

遅咲きの名所を残すのみです。

当店の前でも

高瀬川沿いの染井吉野はほぼ落花していますが

数軒下った土佐藩邸跡の元立誠小学校では

御衣黄という遅咲きの桜がまだ見頃です。

御衣黄は花弁が萌黄の珍しい桜で

遠目には葉桜のようにも見えますが

近寄ってよく御覧いただけ

抑えた色調の奥ゆかしい美しさがあり、とても魅力的です。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ラ・モニー 新世界到達記念ボトル

 

開封いたしました

ラ・モニー XO 新世界到達記念ボトル

La Mauny   Cuvee du Nouveau Monde  X.O. /43%

H 1200 /F 2200

 


 

カリブ海の仏領マルティニーク島の名門、ラ・マニーの古酒です。

1492年のコロンブスによる新世界到達から500周年を記念して

1992年に発売されたボトルです。

当時の帆船や航海道具が金紙で華やかにデザインされています。

ラベルに“Appelation Martinique Controlee”の表記があり

マルティニークのAOC制定は1996年ですので不思議に思いましたが

当時の資料には同じラベルでAOCとX.O.の文言の無いボトルも見られ

おそらく1992年の最初の発売から数年間継続的に生産・販売されていたか

あるいは92年に生産したものを数回に分けて蔵出しして

96年以降に出荷したものをAOC仕様に換装したかだろうと思います。

 

長期熟成のクライヌリッシュのような熟した洋梨や杏の粘性のある甘い香りから

徐々にグレンキースやストラスミルに通じる酸のあるリンゴ様の香りに変化していきます。

ダージリンの新茶や中国の半発酵茶のような

枯れた渋みのなかにもどこか透明な瑞々しさを含んだ味わい。

余韻で再び洋梨の甘み。

とても上質なマルティニーク・ラムです。是非お試し下さい。

 

 

 

コロンブスの墓所を訪れたのは2002年のことです。

シェリーの生産を見にアンダルシアへ行った際に立ち寄った

セビーリャの大聖堂の中にその巨大な柩はありました。

大聖堂はイスラム教のモスクの跡地に造られ

隣接するミナレットを改築した“ヒラルダの塔”より威容が望めます。

長いイスラム勢力の支配からようやく脱却したスペインは

この“到達”を境に新世界の支配者へと変貌していきます。

人類史上最大の悲劇の幕開けです。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ボウモア 10年 プレストンフィールド・ハウス

 

開封いたしました

ボウモア 10年 プレストンフィールド・ハウス

Bowmore 10yo /Prestonfield House Malt /43%

H 1200 /F 2200

 


 

エジンバラの賓客用のホテル、プレストンフィールド・ハウスのオリジナルのボウモアです。

80年代後期のボトリングですので70年代の原酒です。供給元はモリソン・ボウモア社です。

開栓時は60年代蒸留かと思わせるほどのトロピカル・フルーツ香でしたが

翌日からはパフュームやスモークの要素も現れ、様々な表情を見せるようになりました。

今後もアルコールの揮発や酸化の進行によってさらに変化していくのでしょう。

最近の短期熟成ボウモアでは、93でもケイデンやマスターピースのみに感じられた

ポテンシャルの高さゆえの不安定さかと思います。

一杯の中にボウモアという蒸留所の危うい魅力が詰まっています。

是非お試し下さいませ。

 

 

 

 

先の休日は蹴上のインクラインの桜見物がてら

南禅寺の塔頭、金地院へ行ってきました。

徳川家康の相談役として武家諸法度を起草し

幕府の基礎を作った“黒衣の宰相”金地院崇伝が住持した寺院です。

南禅寺への参道は花見の人の往来でにぎやかでしたが

金地院は目を惹く桜が無いためか人も無く

常緑樹が主となる鶴亀の庭などゆっくりと見ることができました。

院内の小書院で長谷川等伯の“猿猴捉月図”が特別公開されています。

水面に映った月を取ろうと

片手で枝につかまり落水せんばかりに腕を伸ばした猿を描いた襖絵です。

分不相応な大望を抱いて破滅する愚かさを戒めた警句だそうですが

封建的な秩序に色濃く支配され

茶室の中にすら上下の別があるこの院の中で

無心に月を求める猿の愚かな情熱は

不思議に胸を打つものがありました。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

キャプテンズ・リザーブ 従価

 

開封いたしました

キャプテンズ・リザーブ 従価

Captain’s Reserve /Fine Jamaica Rum /40% /bot.1980s

F 1200

 


 

80年代流通のジャマイカン・ラムです。

輸入元は三楽オーシャン、現メルシャンですね。

同じラベルで輸入時期やボトルサイズによって

この“キャプテンズ・リザーブ”の場合と

“ボナンザグラム”の表記の時がございます。

BOOWYの1986年発売の“Justy”という曲の中に

“ボナンザグラム片手に・・”と

唄われているラムです。

これは1リットルの大瓶ですが

ボナンザグラムとして販売されていたものは

550mlと小振りの瓶でしたので

片手で持ってあおるように飲むのに良かったのかもしれません。

 

気軽なクラスのものですが

ジャマイカン・ラムらしい甘い糖蜜の香りと

力強く香ばしい焦げた樽の風味

しっかりとした潮気と旨味で飲み応えがあります。

ケイデンヘッドの若いジャマイカやデメララのようにもお楽しみいただけますし

少しビターなアプルトンのような感覚でもお飲みいただけそうです。

古いものだけに応用の利く香味の幅があります。

オン・ザ・ロックで、あるいはライムとビターを入れてキャプテンズ・ブラッドなどいかがでしょうか。

 

 

 

当店の前の高瀬川の桜は今、正に盛りとなりました。

特に夜は漆黒の枝幹と可憐な桜花のコントラストが幻想的です。

春の宵は値千金です。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

 

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