カテゴリー : Rum イギリス系

ラム酒専門店がおすすめする新ベーシック・アイテムとしてのラム銘柄一覧   ・R&W式ラム分類法

 

 

混沌こそは豊饒の源です。

近代、児童文学は民話から性と残酷描写を排除してその魅力を失い

恐ろしい妖怪も名付けられ分類されて、無害であわれなマスコットに成り果てています。

 

しかし時は流れ、状況は変遷し

混沌をありのままに受け入れて楽しんでいただける時代ではなくなりました。

 

ラムの世界もこれからより多くの皆様に受け入れていただくためには

きちんとカテゴライズされていく必要があるようです。

 

054
 

昨今ネットショップでは1000種を超えるラムが販売され

容易に入手できる良い時代になりましたが

実際どの銘柄を購入すれば良いのかは

選択肢が多過ぎてかえって難しくなっているように思えます。

 

ラムの魅力はその多様性にありますが

それは同時に全体像を把握し難くもしています。

 

他の多くの酒のジャンルと違い

製法のルーツや、飲料としての機能の全く異なる世界各地の酒文化が

“さとうきび由来の蒸留酒をラムと呼ぶ”という定義によってくくられているからです。

 

今回は実際に当店でお客様によくおすすめしている銘柄を

その実践的な分類とともに御紹介いたします。

 

 

 

ラムの分類といえば、かつては色目からホワイト・ゴールド・ダークに

香味からライト・ミディアム・ヘビーに、

 

最近は歴史的経緯と生産方法から

 

Rum イギリス系。英国のスコッチのようなドライで重厚な香味。

Rhum フランス系。仏産ブランデーのようなフルーティーな香りと繊細なボディ。

Ron スペイン系。アンダルシアのデザート・シェリーのような柔らかな甘口。

 

に分類することが多いようです。

 

一つのたたき台と思っていただきたいのですが

私は扱っているラムを、現場での用途とその機能から大きく7つに分類しています。

 

R&W式ラム分類法

Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

Category-5 熟成ラム甘口・スタンダードクラス  (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

Category-6 熟成ラム辛口・プレミアムクラス  (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

このうち総合的なバーで必須なのはまずCategory-1 (以下C1)です。

ダイキリやXYZなどスタンダードカクテル製作に使用します。

人気があるのはC5です。現在、バーでのラムの御注文の多くはこのカテゴリーでしょう。

当店で特にお奨めしているのはC6です。上質なものはスコッチやコニャックの極上品に匹敵します。

シングルモルトから嗜好を広げる方は、まず必ずこのタイプをお選びください。

 

その他のカテゴリーについては専門店なら必要ですが

総合的なバーでは必須というものでもありません。

 

私もかつては総合的なバーに勤めておりました。

バックバーにはスコッチ・バーボン・リキュールが並び

わずかにブランデーとスピリッツ、ラムは通常10本以下でしょう。

 

その狭き枠に無駄なくおいしいラムを置いていただき、

お客様に的確にお求めのものを御提供していただくことこそが

ラムの愉しみを広く知っていただく第一歩になると考え

その一助になればとの思いからこの文を記しております。

 

マイヤーズやロンリコ、レモンハートなどの慣れ親しんだ銘酒たちから一歩踏み込んで

それぞれのボトルが明確な目的を持った、新しいベーシック・アイテムを選定すべき時が来ました。

 

それでは各カテゴリーの内容とおすすめの銘柄を見ていきましょう。

 

165

 

 

 

Category-1 香味を抑えたホワイト  (バカルディ・ホワイト、サンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカなど)

 

どのバーにも一本は必要なものです。

ダイキリやXYZ、近年人気のモヒートなどのベースとなります。

カクテルベースのホワイト、といっても良いでしょう。

 

041
 

多くは連続式蒸留器での高濃度蒸留と活性炭フィルター濾過により

原料由来の香味を除去し、クリアなウォッカのような酒質にしています。

機能と用途の点から乱暴に言うなら、さとうきびで造るウォッカです。

 

C1はバカルディ・ホワイト一本で充分です。

品質・知名度・汎用性・価格・入手の容易さ、現在の日本市場では別格です。

 

もちろん専門店や差別化を考えているお店、あるいはメーカーのしばりがあればその限りではありません。

 

当店ではC1はサンティアゴ・デ・クーバ・カルタ・ブランカを主に使っています。

キューバ・ラムらしい素朴な穀物のような香味を好ましく思っての選択です。

それでもその僅かな穀物様の個性は、副材料によってぶつかってしまうことがあります。

グレープフルーツやトマトジュースのカクテルの場合はバカルディに変えています。

 

これは当店がラムに特化した店だからしていることです。

その分冷凍庫内のスペースは失われますので

たとえばテキーラなんかは一本だけしか置くことができていません。

それはまたそちらの専門店でしていただくのが良いと考えています。

 

まずはバカルディ・ホワイトを、余裕があればその他のものも置いていただければ

より幅広くお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 

サンティアゴ以外ではハバナクラブやアプルトンのホワイトもおすすめです。

ハバナクラブのアネホブランコはラムらしい香味が程よく感じられて

代えがたい個性がありましたが、終売のようですね。

 

 

少し厚みのある質感を好まれる方には

プランテーション・スリー・スターズがお薦めです。

旧英領の三国のラムのブレンドで

エギュベル・ジンのようなふくよかな甘みを感じさせます。

当店では冷凍してラム・リッキーやXYZに使っています。

 

ハバナクラブの3年を使っていらっしゃるお店も多いようですが

はっきりとラムらしい個性が主張しますので、少し好き嫌いが分かれるようです。

香味が強すぎるようでしたら

バカルディ45mlに対してハバナ3年をほんの1tsp加えるだけで充分深みが出ますので

ダイキリなどで一度お試し下さいませ。

各C1銘柄とカクテルの相性につきましては、また別に記事にしたいと思います。

 

推奨銘柄

Ron

バカルディ・ホワイト 1000円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ・ブランコ 2000円前後

Rum

プランテーション・スリー・スターズ  1500円前後

 

 

 

 

Category-2 味わい豊かなホワイト  (ペール・ラバ・ブラン、ナインリーヴス・クリアなど)

 

C1とは違ってそれ自体にしっかりとした香味の主張のあるホワイト・ラムです。

その味わいをストレートかロックでそのままお愉しみいただくか

あるいはその個性を生かしたティ・ポンシュなどのカクテルにするタイプです。

 

078

 

C1がいわばウォッカに近いタイプとすれば

C2はテキーラのブランコや透明のグラッパ、オードヴィーと近い区分になります。

 

好き嫌いの分かれるカテゴリーです。

熟成していない分、蒸留所ごとの原酒の個性が明確に表れますので

その違いを愉しむには最適です。

 

しかしその強烈な個性ゆえに全く受け付けないという方もいらっしゃいます。

嗜好品ですので、それで良いのです。

 

ただ注意していただきたいのは、これをC1として扱ってはいけないということです。

例えばカクテルベースのジンをいつものビーフィーターからタンカレーに変えるような感覚で

このタイプのホワイトを仕入れてしまいますと

使いにくいし、お客様の反応も悪く、棚の飾りになってしまいます。

そうなると次のラムの仕入れやお試しいただける機会が遠のいてしまいますので

是非それぞれのボトルの特性をよくご理解いただいた上で扱っていただければと願います。

 

このカテゴリーのおすすめ銘柄ですが・・

現時点では総合的なバーには必須でも無いようにも思えます。

もちろん専門店なら複数必ず用意されるべきものですが

体系的な説明が難しい環境で単体で御提供しても魅力が伝わりにくい上、

むしろ誤解を招く危険性もあるように思えます。

 

それでも何か一本、ということでしたら

いっそこのスタイルの極致ともいうべきペール・ラバ・ブラン59%なら通人も満足でまた試金石にもなりますし

もう少し控え目にならダモワゾー・ブランも旨味しっかりでおすすめです。

 

また、カクテルユースを主に考えるならフランス系のネグリタ・ホワイトも

エキゾティックな香り豊かながらミキサビリティーが高く、創作の幅が広がる一本です。

 

あるいはこの枠に日本の誇るこのカテゴリーの頂点の一つ、ナイン・リーヴス・クリアを置くのはいかがでしょう。

仏領のものと個性は違いますが品質は最高で、国産という話題性もありお客様の興味を引きます。

 

どのボトルを置かれるにしても、提供者の理解が深まればより魅力を増すタイプですから

カクテルに使われる場合も事前に充分シミュレートして調整していただきたいと思います。

経験上、テキーラ・ベースを想定したレシピとの相性が良いようですので、お試しください。

 

 

推奨銘柄

Rhum

ペール・ラバ・ブラン59% 3500円前後

ダモワゾー・ブラン 2000円前後

ネグリタ・ホワイト 1800円前後 カクテルベースに

国産

ナイン・リーヴス・クリア 5000円前後

 

 

 

Category-3 軽く熟成したもの  (ハバナクラブ3年、ダモワゾー・アンブレなど)

 

C1やC2のホワイトを数ヶ月から3年程度短期熟成したもの、もしくはそれ相当の軽い熟成感のものです。

C1は木樽の成分を吸収して複雑な香味になり

C2は熟成によって強い主張が抑えられ、柔らかい香味になります。

 

153

 

テキーラのレポサドや、ウイスキーならトリスなどが近い区分です。

熟成酒として完成されていませんが、透明のものには無い樽の風味があり

双方の中間的な魅力があります。

 

若いウイスキー同様にソーダで割ってハイボールにすることが多いです。

またその個性を生かしたカクテルにもいたします。

 

仏領の物にはアンブレ(琥珀)、パイユ(麦わら)、エルヴェ・スー・ボワ(樽熟)などの表記があります。

 

推奨銘柄

Ron

ハバナクラブ3年 1500円前後

サンティアゴ・デ・クーバ・アネホ 2500円前後

バカルディ・ソレラ・リザーブ 2800円前後  軽くレモンピールでハイボールに最適

Rhum

ダモワゾー・アンブレ 2000円前後

バルバンクール4年 2000円前後  辛口ハイボールに

 

 

 

Category-4 熟成ラム辛口・スタンダードクラス  (パッサーズ、ディロンVSOPなど)

 

しっかりと熟成した若いラムです。ダーク・ラムもしくはゴールド・ラムとしての最初の完成形です。

樽熟成由来の複雑な香味が楽しめますが、まだ若く粗く、強いアルコールの刺激を感じます。

 

051

 

欧米や、ラム専門店ではストレートで飲まれることが多いでしょう。

しかし日本の総合的なバーではオン・ザ・ロックで飲まれる方が一般ではないでしょうか。

バーボンの消費のされ方に似ているように思います。

 

濃厚な深いこくのあるイギリス系と、すっきりフルーティーなフランス系があります。

またスペイン系にも一部このタイプがあります。

旧英領のものは強い焦げた香味や苦味もあり、お苦手な方も多いので提供の際はご留意ください。

 

推奨銘柄

Rum

パッサーズ・ブリティッシュ・ネイビー・ラム42% 2500円前後

シーウィンド・ポットスチル・ラム  3500円前後

ケイデンヘッズ・クラシック・ラム 4500円前後

Rhum

ディロン・トレ・ヴィユーVSOP 4000円前後

JM VSOP  4000円前後

Ron

サンティアゴ・デ・クーバ12年 6000円前後

 

 

 

Category-5  熟成ラム甘口・スタンダードクラス (ロン・サカパ・センテナリオ、パンペロ・アニヴェルサリオなど)

 

一番人気のカテゴリーです。世界中で甘党の飲み手から強い支持を得ています。

食後のデザート代わりに、ナイトキャップに

またお疲れのときにもリラックスできておすすめです。

 

099

 

総合的なバーで、“ラムをロックで”と御注文される方のほとんどは

このタイプをお求めだと考えていいでしょう。

 

ここまで甘口の蒸留酒というものは他にありませんので

ラムならではの、ラムらしいジャンルといえるのではないでしょうか。

 

製法は完全には明らかにされていないことがほとんどですが

甘口シェリー樽での熟成のみではここまで甘くはならないでしょうから

カラメル等なんらかの甘味の添加が行われていると思われます。

 

145

 

総合的なバーにおいて、最も販売しやすく

またお客様に喜んでいただけることの多いカテゴリーです。

バックバーに置いていただける本数のうち

大半をこのカテゴリーのバリエーションに割いていただくことをおすすめいたします。

 

C4の説明でも申し上げましたが、日本のバーではロックでお薦めすることが多いでしょう。

甘みと刺激が和らいで、ハードリカーとは思えない飲みやすさになります。

もちろんお客様の嗜好に応じて、ストレートでお飲みいただいても良いのです。

特に葉巻と合わせる方は、このタイプをそのままゆっくりとお飲みになることを好まれます。

 

218

 

推奨銘柄

Ron

ロン・サカパ・センテナリオ23年 4500円前後 抜群の知名度と安定感

パンペロ・アニヴェルサリオ 2500円前後 品質良くコストパフォーマンスに優れる

ロン・センテナリオ・フンダシオン20年 6000円前後 シルキーな甘さと質感。特にお薦めです

ロン・ミロナリオ15年 5000円前後 甘さと力強さ

ロン・マツサレム15年 3000円前後 抑えた甘みでバランス良し

ディプロマティコ・レゼルヴァ・エクスクルーシヴァ 4000円前後 しっかりした甘さと飲み応え

モカンボ20年  5000円前後 ややビターでこくがある

ディクタドール20年 6000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

Rum

エルドラド15年 6000円前後 香味深く複雑。お薦めです

ゴスリングス・ファミリー・リザーブ 7000円前後 ビター・スウィートで上質な食後酒

アプルトン12年 3500円前後 香ばしくカクテルにも良し

ドス・マデラスPX 5+5   7000円前後 英領ラムをスペインで熟成。PXの濃厚な甘さ

 

 

 

Category-6  熟成ラム辛口・プレミアムクラス (ポートモーラント、モニマスク、ネイソンXOなど)

 

ストレートでお勧めする辛口で、私が特に推奨しているカテゴリーです。

当店は元々

“極上のスコッチやコニャックに比肩するラムがある”

ということを皆様に知っていただきたいということがコンセプトになっています。

 

283

 

近年、モルト・ウイスキーの世界では原酒の枯渇と高騰が著しく

ブランデーやラムにも嗜好の範囲を広げる方が増えているようです。

そういう方々にはこのC6から選択していただかないと

他カテゴリーのラムは全くの別物ですので、失望されることが多いでしょう。

特にご注意いただきたいと思います。

それは品質の優劣ではなく、嗜好品としての機能が違うからなのです。

 

旧英領の良品はスコッチのボトラー各社によって英本土にて熟成されたものが多く

力強く濃厚です。

ボトラーズ・ラムでも、グアテマラやペルーなどの旧スペイン領産のものは

甘口のC5やC7の別カテゴリーの味わいになることが多いですからお気をつけください。

 

仏領の良品はカルヴァドスのように、少し酸のあるフルーティーで繊細な香味で

マルティニークのものはAOCに基づいた生産をしています。

 

中でも旧英領のガイアナ(デメララ)・ジャマイカと

仏領のマルティニーク・グアドループの四地域のラムが、私の経験上では世界の最高峰です。

 

シングル・カスクやビンテージ品など少量生産の高級品が多く

モルト・ウイスキー同様に、常にアンテナを張って

その時々でコストに見合った優良なボトルを仕入れていくことが肝要です。

 

355

 

推奨銘柄ですが、

例えば「ボトラーのシングルカスク・スコッチでネット上にあるおすすめ銘柄」

の情報の命が今や、わずか数分から数日しか無いように

このタイプのラムも、良品はあまり長く市場にはありません。

 

ボトラーやビンテージに関わらず、

良い物を生産する蒸留所や蒸留器の名前を挙げますので

それにテイスティング・コメントなどの情報を併せて考慮してお選びいただきたいと思います。

百数十年前の蒸留釜が、当時と変わらない運用をされているプリミティブさが魅力です。

スコッチ・ウイスキーが失った、前世紀の力強さが残されています。

上手な仕入れには、経験による目利きが必要な分野です。

 

 

推奨銘柄

Rum

ガイアナ

南米唯一の旧英領国。デメララ川流域の砂糖が英国で有名で、デメララ・ラムと呼ばれることが多い。

かつては多くの蒸留所があったが、現在は残ったダイアモンド蒸留所に全ての蒸留器が集中している。

 

・ポート・モーラント 下部が木製の二連単式蒸留器。英領系で最もヘビーな酒質

・ヴェルサイユ  下部が木製の単式蒸留器。香りが強い

・エンモア  1880年に英国から運ばれた、現役最古の木製連続式蒸留器。酒質は軽い

 

ジャマイカ

海軍と海賊の本拠地だったラムの島。島物のウイスキーのような潮気と旨みが特徴。

 

・モニマスク ジャマイカらしい濃厚な潮と旨み。干草の香り

・ロングポンド 強い香りが素晴らしい。溶剤様と嫌う人もいるので注意

 

トリニダード・トバコ

 

・カロニ 近年のものはフルーティーでバランス良し

 

Rhum

マルティニーク

カリブにあるフランス海外県。唯一のAOCラム

 

・ネイソン・キュヴェ・ミレニアムXO 10000円前後 比較的入手容易な上級品

・トロワリビエール1998 シングルカスク 9000円前後 トロワのシングルカスクは上質

 

グアドループ

カリブにあるフランス海外県。マルティニークより力強いものが多い

 

・ダモワゾー 長期熟成品はどれも上質でおすすめ

 

 

 

Category-7 熟成ラム甘口・プレミアムクラス  (ロンサカパXO、ロン・センテナリオ30年など)

 

ストレートでお勧めする甘口で、よく熟成した上質な口当たりのラムです。

旧スペイン領の“Ron”の最高級のものです。

 

413

 

カリブ中南米の旧スペイン領から独立した国々は未だ貧困の中にあり

充分な熟成期間を取ることが難しいため

このレベルに達するものはそう多くはありません。

 

しかしロンサカパXOの成功をきっかけに

国際的なブランドのいくつかは、先進国の市場を狙ってきちんと投資し

豪華なパッケージングで差別化したハイエンド・レンジを投入してきています。

華美な装飾に惑わされず、内容も優れた商品を見極めたいですね。

 

スタンダード・クラスとプレミアムの区分は、価格と内容から考慮した主観的なものですが

氷を加えた際に飲みやすくなるか、蛇足になるかが主な判断基準になっています。

 

推奨銘柄

Ron

まずはこの3本から

ロン・サカパXO 8000円前後 この分野の先駆者。国際企業によるブランディングはさすが

ロン・センテナリオ30年 12000円前後 なめらかな美酒。特にお薦めです

ディプロマティコ・シングル・ヴィンテージ  10000円前後 ややビターで深みある味わい

 

さらに揃えるなら

ディクタドール・インソレントXO 10000円前後 メイプル・シロップのような独特の甘さ

ディプロマティコ・アンバサダー 22000円前後 カラメル無添加の自然な甘さ

 

 

 

 

 

以上、R&W式ラム分類法と推奨銘柄のご紹介でした。

内容は2014年に当店にて実施しました、“ラムの販売技術と実践的分類法についての講習”のテキストに

加筆・修正を加えたものです。

 

「興味はあるけれどよくわからない」といわれるラム酒の世界。

現在の日本のバーにおけるラムの状況は

ちょうど20年ほど前のシェリーのそれに似ているように思います。

 

当時は全国にも数店しかないシェリー専門店を除いて

どのバーに行ってもカクテルベース兼用のティオ・ペペしかなく

ちょっと気の利いた店で3本オン・リストされているのが

ティオ・ペペとドン・ゾイロ・フィノとサンデマン・フィノだったりと

シェリーの多様性が日本でも広く知られた今では笑い話のような状況でした。

 

それが関係者の方々の努力により

バーに置ける本数は変わらなくとも

辛口・甘口・熟成タイプと、その全体の豊かな文化を反映した3本が選ばれる時代になりました。

 

ラムは現在、私が知るだけでも50ヶ国以上で生産されている

最も多様性のある蒸留酒です。

日本のバー文化の中で世界のラムの全体像を反映するには、と考えた結果

現在最も必要なことは

現況の日本のバーでの消費の実態に即したカテゴライズと

日本の市場での流通を考慮した、新しいベーシック・アイテムの選定ではないかと

思い至りました。

 

 

長々と書いてまいりましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

バーでの御注文の、またネット・ショッピングの際のお役に立てれば嬉しく思います。

 

この内容は、複製・転載・印刷・配布・引用など、全てご自由にお使いください。

貴店のメニューや、お客様への説明用プリントなどにお使いいただければ光栄です。

 

また、もし内容に御賛同いただけましたら

TwitterやFacebook、店舗や個人のブログなどでご紹介していただき

できるだけ多くの方に知っていただけるよう、ご助力いただけませんでしょうか。

 

皆様がより美味しくラムを楽しんでいただけるよう、これからも努力いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

定元 学

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter    facebook
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌3時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
2時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

“The Sloth”再入荷と年末年始の営業の御案内

 

 

今年もあとわずかです。

12月30日から1月3日まで年越しで休まず営業いたします

 

元日にはこの日だけのシャンパーニュのグラスもご用意いたしますので

一年の節目に是非お立ち寄りくださいませ。

1月4日から7日まで年始休業させていただきます。

1月8日(金)より通常営業です。

Twitterはじめました。

 

035

 

今年は当店初のオリジナル・ボトル“The Sloth”No,1を詰めることができ

ありがたいことに好評で即完売いたしました。

全国のバーで扱っていただけたようで、心より感謝申し上げます。

 

一樽からボトル160本強を取れたのですが

先方よりミニマム120本から購入可能との条件でしたので

初めてのことでもあり、最低本数を購入いたしました。

 

おかげさまで現在当店での御提供分も残りわずかな状況ですので

残量40本ほどを英国に追加発注しています。

 

もしまだ樽の中に原酒があるなら加水の50%で詰めても面白いかと思いましたが

すでに一括でボトリングされているとのことで

今回と同じ物が輸入されます。

到着は来年春以降になりそうです。

また詳細決まりましたらお知らせいたします。

 

018

 

今回売り切れたのはクライヌリッシュ1972とマッカラン1977

ディロン1969とトロワリビエール1986などです。

どれも良き時代の銘酒でした。

来年も劣らぬ美酒を扱えるよう努力いたします。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

SINOB カロニー 1997-2015 スクリュードライバー

 

 

開封いたしました

カロニー 1997-2015 “シノビ” スクリュードライバー

Caroni 1997-2015 /18yo /57.9% /#73 /“SINOB” for Screw Driver

 

Twitterはじめました。

 

070

 

吉祥寺のラム専門店スクリュードライバーさんの詰められたカロニーです。

1997年創業の老舗で、日本のラム専門店の草分けで頂点です。

 

オーナーの海老沢忍氏は、日本ラム協会の代表も務められており

当店にも何度かお越しいただきましたが

柔らかな物腰の中に、熱いラムへの情熱を秘めた素敵な方です。

 

今回は偶然、当店でも同時期に同スペックの原酒の樽違いをリリースすることになり

恐縮なのですが

結果的に樽ごとの個性の違いを明確に感じられる

比較テイスティングを皆様に楽しんでいただけています。

 

樽番号違いの比較は、ウイスキーの世界では日常ですが

ラムではまだそれほど機会が無いように思います。

この機会に是非お試しくださいませ。

 

海老沢氏の樽は、エクスクルーシブ・モルツで有名なCreative Whisky Companyからで

当店のものとはボトラーも違います。

さすがの目利きで素晴らしく高品質な、力強い原酒を選ばれています。

共通点と相違点に注目してテイスティングしてみてください。

 

 

 

 

 

 

024

 

京都は秋の観光シーズンのさなかです。

連休中は特にすごい人出でした。

最終日の琳派展にまた訪れて

前回架け替えで見られなかった抱一の秋夏草図を拝見しました。

抑えた色調が長く心象に残ります。

 

写真は三条通りのハナミズキの紅葉。

今年はポトマックの桜の返礼に米国からこの木が贈られて

ちょうど百年目になるそうです。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

オリジナル・ボトルの発売日が決まりました

 

 

当店オリジナルボトル“The Sloth”の発売日が決まりました。

11月12日(木)より、酒のキンコーさんにて販売していただきます。

ボトルの紹介はこちらです。

店舗での直接販売はございませんのでご了承くださいませ。

Twitterはじめました。

 

065

 

上質のスコッチ・ウイスキーとラムを並列にご提供するという

特異な営業の経験を重ねることによって知ることのできた

ウイスキーとラムの愛好家の嗜好の違いを考慮いたしまして

特にスコッチのテイスターが嫌うことの多い香味の要素が

極力少ない原酒をボトリングいたしました。

 

上野渉氏による樹懶捉月図のラベルも可愛らしく

できましたらモルト・バーやオーセンティック・バーに置いていただいて

ラベルへの興味からでも

上質な辛口のラムをストレートでお飲みいただく文化に

触れていただく一助になれましたら幸いでございます。

 

ラムの文化は幅広く

富裕層のための嗜好品から

陽気なラテン音楽に誘うもの

最貧国の労働者を癒すものまで様々です。

 

熱帯での労働の後の一杯に優る物など無いかもしれませんが

同じ物を日本のバーで飲んでもおいしくありません。

 

それぞれのボトルが

ふさわしい楽しまれ方をされるよう願い

当店ならではの発信を続けていきたいと思います。

まずは安心してバックバーに置いていただけるセレクトを確立していきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

095

 

今回も良いボトルがたくさん空きました。

特にラ・モニーのトレ・ヴィエイユ・キュヴェはまた扱いたいバランス良い銘酒でした。

ラトレーのモニマスク86はこの年代ながら旨み濃い伝統的なジャマイカン・ラムでした。

 

 

 

 

 

077

 

文化の秋です。

遠出して奈良まで正倉院展を観に行ったり

自宅近くの信行寺で若冲の天井画を観たりと楽しんでいます。

洛中の多くの寺社でライトアップや特別公開が始まっていますので

是非秋の京都を満喫してください。

 

写真は岡崎の紅葉。

後方の建物は来年1月オープンのロームシアター京都です。

もうまもなくですね。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

オリジナル・ボトルをリリースします

 

 

11月3日(火)文化の日は臨時営業いたします。

代わりに翌4日(水)を振り替え休業とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

Twitterはじめました。

 

当店初のオリジナル・ボトリングです。

カロニ 1997-2015  18年 “ザ・スロース”  ラム・アンド・ウイスキー

Caroni 1997-2015 /18yo /62.3% / “The Sloth” No.1 /Rum and Whisky,Kyoto

 

046

 

以下案内文です

 

オリジナル・ボトルのリリースにあたって

 

近年、ウイスキーの世界に比べれば変化の緩やかなラムの世界におきましても

同様に古酒の枯渇、価格の高騰が目立つようになりました。

 

現地にまだ古酒の樽があるなら是非日本市場にと

代理店の方に70年代以前の原酒を探していただけるよう、お願いしておりました。

 

遅きに過ぎたのか、既に現地でも古酒のストックはなかなか見つからず、

そんな折このサンプルを送っていただきました。1997年蒸留のカロニです。

 

閉鎖蒸留所の希少性はありますがまだ古酒ともいえず、

また最近も随所よりリリースされていますので、当初は「私が詰めなくても・・」と思いました。

 

テイスティングいたしました。

甘い果実香と粘性のあるボディは、典型的な近年のカロニの特徴です。

ただ同スペックの他の原酒に豊かな、焼けたゴムや焦がした砂糖のような

いわゆる“ラムらしい”といわれる香味が極端に少ないサンプルだったのです。

 

それらはラムの愛好家にとっては代えがたい魅力ながら

ウイスキー愛好家の皆様にはネガティブな要素として敬遠されてしまう香味です。

それらが僅かなこの原酒なら

普段ラムをお飲みにならない方々にもお薦めできるのではと思いました。

 

ウイスキーとラムの世界を繋ぐことは、常々私が目標にしていることの一つです。

これはその目的にぴったりの原酒だと、当店で詰めることに決めました。

 

ウイスキーの愛好家の皆様、特に近年人気のフルーティーなタイプがお好きな皆様、

是非一度口にしてみてください。

そしてもし気に入っていただけましたら、

お近くの専門店で様々なラムをお試しください。

僭越ながら当店ホームページのラム分類法も目安にしていただけましたら幸いでございます。

 

またもちろんラム愛好家の皆様も、このユニークな原酒の特別な個性をお楽しみくださいませ。

 

                                                         Rum and Whisky    定元 学

 

037

 

ラベルについて

 

樹懶捉月図 (じゅらいそくげつず)

 

樹懶(ナマケモノ)は、トリニダードを含む中南米に広く生息する動物。英名“Sloth”

猿猴捉月図は古来多くの絵師が描いた仏典の寓意画。

南禅寺金地院の長谷川等伯のものが有名。

水面の月を取ろうと溺れる猿の姿は、非現実的な大望を抱き身を滅ぼす愚かさを戒めています。

 

一方このナマケモノは、月に気付いているのかいないのか、

捉えるどころか視線を向けてもいないようです。

 

破滅の罠に近寄らぬ賢者か

美を解さぬ愚か者か

或いは只の・・ナマケモノか。

 

友人の多才なバーテンダー、木屋町KENNEDY CLUBの上野渉氏に描いていただきました。

 

 

 

テイスティング・ノート

香り

シロップ漬けの黄桃の甘さとドライアプリコットの酸。熟した洋梨。わずかに金木犀。

バニラとペパーミントのアクセント。

ドイツ系ボトラーの中熟ハイランド・モルト、

もしくはマルティニーク島のラム・ヴュー・アグリコールのよう。

徐々に湧き上がるバナナと潮風。白木の爽やかさ。

 



アプリコット・ネクターと少量の海水のカクテル。

舌をおおう上質なオリーブ・オイル。

樽由来の程よい苦味が全体を引き締める。

 

余韻

シロップの甘さと上品な木の渋みが長く続く。

 

 

サンプルと現品の印象が違った、なんてお話もよく耳にしましたので

見本が届くまでは落ち着きませんでしたが

一昨日到着したボトルは案内文通りの内容で安心いたしました。

自信を持ってお薦めいたします。

是非お試しくださいませ。

 

現在は当店にて先行見本のボトルから御提供中です。

酒販店さんでの委託販売は11月9日頃から予約受付を開始予定で

本格的なボトルの到着は18日前後を予定しています。

また委細決まり次第お知らせいたします。

 

013

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter
604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ケイデンヘッド・デメララ30年と当店オリジナル・ボトルの予告です

 

 

11月3日(火)文化の日は臨時営業いたします。

代わりに翌4日(水)を振り替え休業とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

開封いたしました

ケイデンヘッド・デメララ・ラム ポートモラント30年

Port Morant from Uitvlugt Distillery 1964-1995 /30yo /73.3% /Cadenhead

H 2600 / F 5000

 

009

 

南米ガイアナのデメララ川流域より

閉鎖蒸留所ウィットブルグの樽出し原酒です。

樽熟30年、瓶熟20年の堂々たる古酒です。

 

下部が木製の単式二連蒸留器、ポートモラント・スティルで造られています。

Port Morant Still で画像検索してみてください。その威容が見られます。

 

粘性のある濃厚な液体です。

73.3%の超高度数のアルコールに

深煎りのコーヒーや、カカオ比率の高いチョコレートのような強い苦み

黒糖飴の複雑な甘さ、だし昆布の旨味が凝縮されて溶け込んで

口に含んだ瞬間の印象は強烈!!

地獄のような美味しさです。

 

皆々様にはとてもお薦めできませんが

愛好家の方は是非ともお試しくださいませ。

 

 

016

 

現在ご提供しているケイデンヘッド社のラムです。

樽出しのダンピーがデメララ1964-2001と1972-2000、ジャマイカ1974-1997で

加水のトール瓶がオールドの日本向けデメララ15年コルクキャップと

北米向け20年US92プルーフです。

 

073

 

今回売り切れたのは、ドメーヌ・ド・クルセル1972-2003と

ラモニーの1984と新世界XOの初期ナンバー・モデル

ディプロマティコ・アンバサダーでした。

どれもまた扱いたい逸品でした。

 

046

 

まもなく当店オリジナルボトルのラムをリリースいたします。

今日にも見本品が届くようですので

テイスティングして、まずは当店にてご提供を開始いたします。

サンプルにあった個性がきちんと反映されていることを祈っています。

 

酒販店さんでの委託販売は11月9日頃から受付開始予定、

商品到着は17日前後の予定です。

店舗でボトルの販売はいたしませんので御了承ください。

また詳しく決まり次第お知らせいたします。

 

 

 

更新情報をお知らせするため

twitterを始めました。

こちらです。

まだルールやマナーは良くわかっていませんが、これから学んでいくつもりです。

御無礼もあるかと思いますがご容赦くださいませ。

 

 

 

111

 

京都国立博物館の琳派展に行ってまいりました。

小学校時代の恩師と共に、また老母を案内してと二度見物いたしましたが

まだ見足りないほどの内容です。

 

宗達・光琳・抱一の風雷神図を一目で鑑賞できるのは圧巻です。

閉館間際が比較的空いていますので是非。

写真は博物館近く、智積院の紅葉。グラデーションの美しい季節です。

 

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)  Twitter

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

クレマン1952と京の夏・祇園祭2015

 

 

あっという間に今年の祇園祭ももう宵山です。

台風が気がかりではございますが。

 

開封いたしました

クレマン 1952

Rhum Clement 1952 /44%

H 2600 / F 5000

 

018

 

 

1887年創業のマルティニークの生産者、クレマンより

1952年蒸留の大古酒です。

歴史ある優美なアビタシオン(農園主の館)を擁する名門ですが

生産は1988年で停止、現在はシモン蒸留所に移設された蒸留塔で造られています。

 

ラベルの人物は創業者オメール・クレマン氏で

この原酒は氏の息子、2代目シャルル氏の時代のものです。

 

マルティニークのアグリコール・ラムらしい洗練された上品な香味と

野生の生命力を想起させる濃厚な複雑さが

共に存在する極上の美酒でございます。

 

深い充足を感じていただける逸品です。

是非お試しくださいませ。

 

203

 

今回売り切れたのはラマニーの新世界到達XOとケイデンのグリーンラベル15年です。

それぞれ、より古い別ボトルが開いておりますのでまたお試しください。

 

 

 

 

京都は今も徐々に台風が接近し、雨脚が強くなってきています。

山鉾巡行の実施・中止の決断は明朝5時半になされるそうです。

雨で巡行が中止になった前例はないそうですが

台風一過の好天を望みます。

 

 

 

 

 

 

109

心地良い早朝の散策 哲学の道の木槿

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

マッカラン12年80年代流通品 GMロングポンド1941-99

 

 

六周年記念祭を開催中です。6月15日まででございます。

 

103

 

ウイスキー  マッカラン 12年 43% オールドボトル  30ml  1600円

ラム  ロングポンド 1941  50%  ゴードン&マクファイル       15ml   1600円

Macallan 12yo /43% /OB /bot.1980’s   / 30ml 1600 JPY

Long Pond 1941-99 /50% /Jamaican Rum /Gordon&MacPhail   / 15ml 1600 JPY

 

「昔のマッカランはどんな味だったんですか」

と、若いお客様によくご質問をいただきます。

昔といってもひとくくりにはできませんが

このボトルはその回答の一つです。

 

瑞々しい極上のシェリーの甘さ

香りと味の一体感と舌触りのなめらかさ

いつまでも飲みつづけていたくなるバランスの良さ

 

“シングルモルトのロールスロイス”と称えられた時代の香味です。

往時のスタンダードですが、近年の高騰で今後の入手も御提供も困難になりました。

是非ともこの機会にお試しいただきたいと願います。

 

 

078

 

ラムは英領時代のジャマイカにて、1941年5月3日に蒸留されたものです。

戦前戦後の古酒は何本か扱いましたが、二次大戦中の蒸留は初めてです。

 

強烈に個性的なラムです。旧英領系ラムの愛好家以外にはおすすめできません。

有機溶剤と魚介の乾物が混和した、複雑な強い香りです。

凝縮された旨みと乾燥スパイス類の刺激が

超長期の熟成によって渾然となっています。

突出した各要素は過剰かもしれませんが、決して退屈させることは無いでしょう。

 

205

 

来歴の証書です。

1941年にジャマイカで蒸留、1946年に英国本土に運ばれて

1967年よりエルギンで熟成されたと記されています。

 

少し奇妙な記述です。46年から67年まではどこに保管されていたのでしょう。

エルギンにはGM社とその熟成庫がありますが

もし社内で別の熟成庫から移動したのなら、元の保管場所も記すのではないでしょうか。

前所有者の存在が推測されます。

 

戦時下に蒸留して、戦後の混乱期に長距離輸送できるラムの有力な保有者は

私には英国海軍しか思い当たりません。

 

英国海軍は、1970年までラムの配給を続けていました。

あくまで私の憶測ですが

その配給停止を前に民間に樽を払い下げ、それをGM社が買い取ったとすれば

この来歴も納得がいくように思います。

蒸留日をきちんと記録する几帳面さも、海軍保有のラムの特徴の一つです。

 

この私説には証拠も、裏付けする記述もありませんので

このボトルにまつわる一つのロマンとして楽しんでください。

 

 

064

 

どちらもあと少しです。売切れ次第終了となりますので御了承くださいませ。

 

 

154

 

ラムが想定より人気でしたので、何本か追加で開封いたしました。

ケイデンヘッドのポートモーラント1964と

シャンタル・コントのモンターニュ・プレ1975、サント・リュス1977です。

こちらも劣らぬ美酒揃いです。お試しください。

 

 

 

013

 梅雨時の愉しみは紫陽花。得浄明院の門前にて。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

テイラー1960とポルトガルの思い出 六周年に寄せて

 

 

六周年記念祭を開催中です

 

037

 

ポートワイン  テイラー ヴィンテージ・ポート 1960     1600円

ラム  ロングポンド 1941  50%  ゴードン&マクファイル       15ml   1600円

ウイスキー  マッカラン 12年 43% オールドボトル  30ml  1600円

Taylor Vintage Port 1960 for Harrods   / 1 glass 1600 JPY

Long Pond 1941-99 /50% /Jamaican Rum /Gordon&MacPhail   / 15ml 1600 JPY

Macallan 12yo /43% /OB /bot.1980’s   / 30ml 1600 JPY

 

 

好評のポルトはラスト一杯ですので、本日までの御提供です。

少しずつ色濃くなり、甘みもより増しています。

(6月6日売り切れました)

 

ラムはとても個性的で初めての方にはおすすめできませんが

愛好家の方々に支持されて一番出ています。

 

また近年良い時代のマッカランをお出しするのも難しくなりました。

是非この機会にお試しくださいませ。

 

ポルトは本日売り切れまで

ラムとウイスキーは6月15日までの御提供でございます。

 

 

 

 

15060400020

 

ポートワインの生産地、ポルトガルの古い都市ポルトを訪れたのは2002年のことです。

一週間滞在して生産者や上流域の畑を訪ねました。

まだフィルムのカメラを使っていた頃で、あまり写真も残っていませんでしたが

少しだけご紹介いたします。

 

スペインのヘレスから長距離バスでポルトガルの首都リスボンへ入りました。

コスタ・デル・ソルを抜け、アフリカ大陸を左に眺めながら進みます。

ユーロ導入に伴う旧通貨の廃止直後でしたので

廃業した両替商の店舗が国境沿いにゴーストタウンのように並んでいたのが印象的でした。

 

15060400021

 

 

リスボンです。酒屋をめぐり、夜は店から洩れるファドを聴きました。

ソラール・ド・ヴィーニョ・ド・ポルトという国営のポートワイン専門のバーがあります。

アルファという高速鉄道に乗れば、快適に3時間ほどでポルトです。

 

15060400017

 

ドウロ川から見た美しいポルトの街。

 

15060400018

 

対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアです。ポートワイン各社の熟成庫が並びます。

観光名所になっており、たくさんの生産者を訪ね見学・試飲させていただきました。

 

15060400019

 

市街に戻って坂道の路地を散策します。

 

15060400015

 

酒屋にはポートワインのブランデーが並びます。

まだユーロにエスクードが併記されています。

 

15060400014

 

100年以上前の路面電車が現役で働く、黄昏の街です。

 

vinologia

 

おすすめのポートワイン専門店、Vinologiaです。

ポートワインに魅了されてポルトに移住したフランス人、ジャン・フィリップ氏の店です。

滞在中毎日通いました。

 

多彩なタイプのあるポートワインの全体像を知り、その多様性を楽しむための

テイスティング・セットが充実していて、丁寧に解説していただけます。

 

ホワイト・ルビー・LBV・トゥニー・コリェイタと、タイプの特徴を知るためのセットや

ホワイトだけの生産者別6種セットなど

セミナーを受けているように、飲んで楽しみながら学べるよう工夫されています。

私のポルトの知識と技術のほとんどをジャン氏に教えていただきました。

現在当店でラムの御説明をする際にも、ジャン氏の方法を真似させていただいています。

 

パナシュカル

 

ジャン氏に御紹介いただいて、畑を見に行きました。

ポートワインの醸造所と畑は、ポルトの街の中心を流れるドウロ川の上流にあり、

世界遺産にも登録されています。

 

15060400013

 

早朝の列車でポルトを出発し

 

渓谷

 

蛇行するドウロ川に沿って、切り立った崖の上の線路を進みます。

絶景です。

 

駅

 

のどかなピニャン駅に着きました。後方の山に段々畑が見えています。

ジャン氏によれば、

「駅で待っていれば、地元の人が白タク代わりに畑まで乗せていってくれるから」

とのことだったのですが

 

事故車

 

待っていたのはこの一台。事故車の牽引中だったのでしょうか。

声をかけられて交渉し、この状態のまま狭い断崖の山道を畑まで連れて行っていただきました。

怖かったです。

 

棚

 

キンタ・ド・パナシュカルの段々畑です。

今回扱ったテイラーと同資本の、フォンセカ社の畑です。

受付でヘッドフォンセットを借りて、解説を聞きながら一人で畑を回ります。

選べる6言語のうち一つは日本語で、嬉しくなりました。

 

畑

 

最終日に、ジャン氏にお願いしてヴィンテージ・ポートを開けていただきました。

 

デキャンタ1

 

ポルトの最上級タイプであるヴィンテージ・ポートは、フレッシュな果実味が魅力ですので

グラスでは売っていません。ボトルを買わなければなりません。

貧乏旅行の予算からなんとか捻出した、それでも充分ではない私の提示額から

キンタ・ダ・ロマネイラ ヴィンテージ1985

を、選んでいただきました。

 

生産者・ヴィンテージ共に最高で、ただ今飲むにはまだ若すぎるが、

良い物を飲んだ方が経験になるから、とのことでした。

 

デキャンタ2

 

専用の器械で澱引きをします。

 

テイスティング

 

このピエロのような格好をしているのが私です。若さゆえ、お赦しください。

ピンぼけの写真で助かりました。

一人で一本飲むわけにもいかず、酔いも手伝って自然とその場の皆さんと共に飲めました。

海外でもいつも私は一人黙って飲み食いするだけですので

この日は特別な楽しい夜になりました。

 

ヴィンテージ・ポートを開けるときはいつも、この夜とこのボトルの味を思い出します。

 

 

 

 

普段は扱わないポート・ワインを開けることで

楽しい節目となり、スキルの再確認にもなりました。

ラムとウイスキーの探求が本業で、他の事に手を出す余裕はありませんが

また何かの機会に愉しめたらいいなと思います。

お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

六周年記念 テイラー1960 ロングポンド1941 マッカラン12年

 

 

おかげさまで弊店も六周年を迎えることができそうです。

皆様この一年もお支えいただきましてありがとうございます。

心よりの感謝を申し上げます。

これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

 

今年もささやかながらこの時だけの特別な美酒を3種ご用意いたしました。

本日よりの御提供です。

なくなり次第終了となりますのでご了承くださいませ。

 

036

 

ポートワイン  テイラー ヴィンテージ・ポート 1960     1600円

ラム  ロングポンド 1941  50%  ゴードン&マクファイル       15ml   1600円

ウイスキー  マッカラン 12年 43% オールドボトル  30ml  1600円

 

Taylor Vintage Port 1960 for Harrods   / 1 glass 1600 JPY

Long Pond 1941-99 /50% /Jamaican Rum /Gordon&MacPhail   / 15ml 1600 JPY

Macallan 12yo /43% /OB /bot.1980’s   / 30ml 1600 JPY

 

144

 

 

何か普段と違うものを、と今回はポートワインをご用意いたしました。

グレート・ヴィンテージ1960の名門テイラーです。

ロンドンの高級デパート、ハロッズ向けのものを、JISさんが輸入したものです。

すでに澱引きしてデキャンタに移してあります。

 

早速テイスティングいたしましたが、素晴らしい熟成状態です。

55年の時を経て、なおフレッシュな果実味と洗練された甘みを保っています。

私も1960を口にするのは、生産地のポルトを訪れた2002年以来です。

 

ポートをお飲みにならない方も是非試してみてください。

きっと気に入っていただけると思います。

 

 

ラム・ウイスキーともに良い時代の美酒をご用意いたしました。

また追って各ボトルのご説明をさせていただきます。

 

本日より6月16日まで、とさせていただきたいところですが

16日が定休日ですので、6月15日月曜日までの御提供といたします。

それ以前でも無くなり次第の終了です。

特にポルトは数日で売れてしまうかもしれませんのでお急ぎくださいませ。

当日の5月30日にはグラスのシャンパーニュもご用意いたします。

 

 

 

198

 

 

今年から7時開店となり

この季節は窓外が明るいうちからの営業になります。

先斗町の瓦屋根から鴨川、祇園、東山と馴染みの場所ですが新鮮な風景です。

東山に見える大きな三角形は、2019年まで大修復中の知恩院御影堂の覆屋です。

 

まだまだこれから先も新しい景色が見られるのでしょう。

楽しみです。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

19時から翌4時 火曜休     チャージ500円    TEL 075-221-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

TOP