カテゴリー : ラム

ムーンインポート30周年記念 フィジー 2001-2010

 

 

本年より看板を出さずに営業しておりますのでご留意下さい

 

開封いたしました

ムーンインポート30周年記念ラベル フィジー 2001-2010

Fiji Rum 2001-2010 /46% /400bts /Moon Import 30th anniversary

H 1000 / F 1800

 



 

 

イタリアのカリスマ、モンジャルディーノ氏率いるムーンインポートの創業30周年を記念して

2010年に発売された鮮やかな色彩の熱帯の鳥ラベル・シリーズより

若いフィジー・ラムを開封いたしました。

 

フィジーのラムは近年いくつかのボトラーからリリースされています。

BBR、ブラッカダー、サマローリなどです。

見かけるのはすべて2001年蒸留のものですから

詳細はわかりませんが、出処は同じかもしれません。

英国への輸入と熟成を実際に行いそうなのはBBRでしょうか。

 

南太平洋の楽園のイメージとはうらはらに

極辛口の典型的な旧英領のスタイルです。

 

干草と焦がしたカラメルの香味で

旨味と塩はジャマイカより控え目なデメララ・タイプ

ポートモラントよりはボディが軽く

ブラインドならかなり自信をもって若いエンモアと答えてしまいそうです。

 

フィジーのラム生産の実態は、調べてみても私ではうまく情報を得られませんでしたが

このボトルには“Rum Patent Still”と明記されていますので

エンモア同様の旧式の連続式蒸留器なのでしょう。

19世紀の英領時代にイギリスから導入して

いまだ現役で稼動しているのでは、などとと夢想してしまいます。

 

世界中を見てもこのような上質な辛口のラムを生産できる蒸留器は

そう多くは残されておりませんので

実際に見てみたいものです。

 

長期熟成にも適した酒質のように思えますので

これから大化けするかもしれません。

ジャマイカやガイアナ産に肩を並べる可能性すら感じる

フィジーのラムの今後に注目していきたいですね。

 

 



 

イタリアン・ボトラーの詰めるラムのラベルは

なぜか鳥類のデザインが多いです。

これはシルバーシールのデメララ1974とムーンのジャマイカ1979です。

凛々しく、可愛らしいですね。

なんという種類の鳥なのでしょうか。

 

 



 

今週売り切れたのは、ダグラスレインのラフロイグ1988、サマローリのフィジー、クレマンのVOです。

ラフロイグはラム・カスクでユニークな香味でした。80年代も希少になりつつあります。

クレマンのVOは気軽でおいしいマルティニークとして定番にしていましたが

今回買い足そうとするとどうやら終売のようですね。

また代わりを探しておきます。

 

 

 

昨夜は京都も雪で

当店の窓からも東山連峰が白く染まりゆく様子を見ることができました。

今はもう雨に変わって

残雪を溶かしているようです。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

 

ナインリーヴスがあまから手帖 2月号に掲載されました

 

 

関西を代表する美食誌、あまから手帖の2月号“Nipponia・日本の洋酒でカクテルを”のコーナーに

ナインリーヴスと弊店オリジナルカクテルのストーム・パフォーマーを掲載していただきました。

 

 


 

昨年操業を開始した新しい滋賀県の蒸留所、ナインリーヴスは

本州初のラムの蒸留所です。

昨年8月の訪問記はこちら。 Nine Leaves訪問記#1, #2, #3

 

ナインリーヴスは、沖縄の多良間島・西表島の黒糖と

大津石山の長石鉱山から湧き出る超軟水を使って

スコットランドの名門フォーサイス社の銅製の蒸留釜で造られます。

 

昨年出来たばかりの新しいお酒ですから

まだ透明の“Clear”のみの販売です。

現在木樽の中で熟成もされており、

琥珀色に熟したものも今年から発売される予定です。

 

ラム酒は私の知る限りでも世界の50カ国以上で造られ

香味も目的もとても多様性のあるお酒です。

 

ラテンの音楽と共に陽気に飲まれるもの

最貧国の労働者の過酷な苦役の慰みになるもの

王侯貴族の食後の愉しみとして

あるいはその土地の郷土料理の食中酒として。

 

どのように消費されるラムもそれを愛好している人には重要で

大切な文化でございます。

 

私はラム偏愛者ですから

甘口・辛口・粗雑な物・繊細な物・透明な物・茶色の物と

なんでも好物です。

 

ただその中から当店では特に

“木樽熟成によってスコッチやコニャックと比肩しうる複雑で上質な香味を得たラム”

に主眼を置いて扱っております。

 

ナインリーヴスは

私見ながら現時点の日本産ラムの中で唯一

このタイプになり得る酒質を具えたラムです。

国産ラムの革新的な転換点になる可能性を持っています。

 

木樽の中で眠る原酒の成長を楽しみに待ちながら

今ここにある透明で素晴らしい酒質のクリア・ラムを

ストレートで、ロックで、またカクテルにして、愉しんで下さい。

 

 

 

      ストームパフォーマー

ナインリーヴス・クリア 45ml

フィーバーツリー・ジンジャービア 100ml

ライム 1/4カット

 

小さめに砕いた氷とともに銅のマグカップに満たす

 

カクテル名はダークン・ストーミーをもとに

当店の若いお客様に考案していただきました。

 

 



滋賀リブレ

 

ナインリーヴス・クリア 45ml

ライム 1/4カット

瓶のコーラ 適量で満たす

 

銀座Lamp 中山篤志氏考案

 

 

 



琵琶湖ラーダ

 

ナインリーヴス・クリア 40ml

モナン・ココナッツ・シロップ 15ml

牛乳 10ml

パイナップル・ジュース 80ml

カット・パイン 1/4リング (カットして冷凍保存できます)

 

クラッシュ・アイスとともにミキサーにかけ、ゆるいフローズンに

 

 

 

どれも香味の強い副材料を使いながら

Nine Leaves Clearの個性がきちんと主張いたします。

特別な材料や技法は使っておりませんので

皆様のバーでお作りいただけましたら幸いでございます。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます

ケイデンヘッズ・グリーンラベル・デメララ1975

 

 

当店は本年より看板を出しておりません。ご留意下さい。

明かりがついていれば営業しておりますのでどうぞお入り下さいませ。

少し分かりにくい場所ですがお電話にてお問い合わせ下さい。

 

開封いたしました

ケイデンヘッズ・グリーンラベル・デメララ1975

Demerara Rum 1975 /38.5% /Cadenhead’s Green Label

H 1000 / F 1800

 



 

年末年始は多くのお客様にお越しいただきましてありがとうございました。

御席をご用意できなかった皆様方、誠に申し訳ございませんでした。

三が日は久々にグラスのビンテージ・シャンパーニュもご提供させていただき、楽しめました。

泡と消えるシャンパーニュの儚さは蒸留酒の対極にあり、こちらも魅力的ですね。

 

今回の開封は老舗ボトラー、ケイデンヘッドの詰めたデメララ・ラムです。

この1975は同ラベルで2000年前後から数年毎に定期的にリリースされていて

当店でもその都度継続して扱っておりますが

発売される度に自然に度数が下ってきました。

 

40.5度から40.3度に、前回ついに40度となりそれが最後かと思ってましたが

そしらぬ顔で38.5度で出てきました。

ラムは英国でもウイスキーのような40度以上の規定が無いのですね。

勉強になりました。

 

当店ではストレートでお飲みいただく長期熟成のデメララ・ラムの基準として扱っているボトルです。

コーヒーやビター・チョコレートの深い苦味を伴った甘みに

ほのかな塩と干した海草の旨味が重なって飲み応えがありますが

度数のためかさらりと上品です。

 

3樽のバッティングで600本程度の販売だそうです。

是非お試し下さいませ。

 

 



 

新年開封したラムは、ラ・マニーのヌーヴォー・モンドXOとデパズのモンターニュ・プレXOです。

どちらも当店の定番で品質は折り紙つきです。

今年も上質なマルティニークをお愉しみ下さい。

 


 

今年最初に売り切れたボトルはケイデンヘッドの黒ダンピーのクレイゲラヒでした。

素晴らしい美酒でした。

これでクレイゲラヒは無くなりました。また近く良いものをご用意いたします。

 

 

 

先程ご近所の粟田神社の出世えびす祭に行って参りました。

祇園のえびすさんは大変な混雑ですが

こちらはのどかです。

境内では甘酒が振舞われ

添えられたおろし生姜を溶き入れると更に温まります。

 

 

ここ数日の京都は厳しい寒さです。

専門店ならではのホット・バタード・ラムなどいかがでしょうか。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

新年のご挨拶 京の正月

 

 

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします

 

年始は休まず営業しております。

看板を出しておりませんのでご留意下さい。

1月6日から9日まで休業させていただきます。

 


 

初めてこの店で年を越しました。

知恩院の三門や清水寺のライトアップ

また、祇園を南下して八坂さんへ向かう人々を窓下に眺めながらの営業でした。

 

昨年最後に抜栓したのは

年越しを当店でお迎えいただいた方々と乾杯していただいたシャンパーニュで

本年最初の抜栓は国産時代の青梅のチナールでした。

 

一年の計は元旦にありといいますので

今年はシャンパーニュとオールド・リキュールの専門店になるのかもしれませんね。

(シャンパーニュやワインは平時取扱っておりません)

 



 

年末に売り切れたのはドゥパズのモンターニュ・プレXOとトロワリビエール1980です。

どちらも上質なマルティニークでした。

トロワリビエールのバックビンテージはやはり素晴らしいです。

またどこかで見つけてご提供したいですね。

 

 

 

営業終了後の帰宅前に一人、平安神宮で初詣をいたしました。

薄闇の早朝5時にもかかわらず、すでに参拝される人々が散見されました。

今は数万人の人で賑わっているのでしょう。

洛中は正月も華やかです。

 

さて、本年最初の営業です。

気を引き締めて臨みます。

今宵も皆様方のお越しをお待ち申し上げます。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

年末のご挨拶 オーヘントッシャン1966 23年 クリスタル・デキャンタ

 

 

年末年始は休まず営業いたします。

1月6日から9日まで休業させていただきます。

特別な事はいたしませんので静かな時間をお過ごし下さいませ。

 

 

開封いたしました

オーヘントッシャン 1966 23年

Auchentoshan 1966 /23yo /43% /Morrison Bowmore LTD

H 1200 / F 2200

 


 

モリソン・ボウモア社の詰めたオーヘントッシャンの古酒です。

アーマーと同じ形状のクリスタル・デキャンタに入っています。

当時良く使われたもののようですね。

 

開封時はコルクの香りが強く、少し不安がありましたが

現在はそれがきれいに抜けて、艶やかな果実香に変わりました。

プレーンな酒質に樽由来の渋みが程よく乗って

軽い飲み口ながらゆったりと愉しめる複雑さがあります。

今が飲み頃です。お試し下さいませ。

 


 

最近売り切れたボトルです。

マッカランの1861レプリカとGMケルティックのロングモーン1968です。

 

先週は洛中でも大雪が降るほど冷えたためか

シェリー樽での長期熟成のスコッチがよく出ました。

このタイプの近年の高騰もあるのかも知れませんね。

今後あらたに仕入れるのは難しいと思います。

 

ロングモーンはケルティックの65.66、リザーブの69、ライフの72、GMカスクの73など

おいしいボトルがいろいろ開いていますので

ぜひ今のうちにお試し下さいませ。

 

 

大晦日です。

皆様に支えていただいて、なんとか年を越すことができそうです。

心より御礼申し上げます。

 

今年はなんといってもナインリーヴスの操業開始と蒸留所を見学できたことが最も印象的でした。

まさか畿内にラムの蒸留所ができるとは、という驚きから

その完成度の高さと展望に心を奪われました。

世界トップレベルの品質です。遠からずより広く認められることになるでしょう。

 

実はNine Leavesの記事は完結しておりません。

熟成と今後の展望についても書かせていただきたいのですが

そのためにまずラム全体に関する記事を先行してお伝えしたいのです。

遅筆で申し訳ありませんが来年初頭には掲載いたします。

 

また毎年言っているような気もいたしますが

来年こそは再びカリブを訪れて生産の現場の御報告をしたいですね。

 

前回の記事でご紹介させていただきましたグアドリンクの内野氏より

来年放送されるカリブの番組を教えていただきました。

カリブ海楽園大紀行という番組で、1月1日と2日に放送されます。

俳優の大沢たかおさんがマルティニークやセントマーチンを紹介されるようですね。

お正月の楽しみにぜひご覧下さいませ。

 

 

さて、今から出勤して本年最後の営業です。

今宵も皆様方のお越しをお待ち申し上げます。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

カリブの風・セントマーチンからの便り

 

 

年末年始は休まず営業いたします。

1月6日から9日まで休業させていただきます。

特別な事はいたしませんので静かな時間をお過ごし下さいませ。

 

 

厳寒の京都に、カリブの熱いラムがやってきました。

 


 

先月、一時帰国された際に当店にもお立ち寄りいただきました

カリブのセントマーチン島在住の内野信夫氏より

奥様の出身地グアドループ島の日本未入荷のラム酒を送っていただきました。

荷物はパリを経由してわずか8日で京都にやってきました。

便利になったものです。

 

セント・マーチン島は北半分がフランス領、南半分がオランダ領という珍しい島です。

航空機が超低空でビーチをかすめて着陸する光景が有名なリゾート・アイランドです。

 

内野氏は2011年からこの島のフランス・サイド、サン・マルタンに住んでいらっしゃいます。

将来は島を訪れる日本人向けに宿泊滞在できる場を提供していきたいと考えておられます。

グアドリンクというサイトを開設されていますので是非ご覧下さい。

島の美しい風景や、我々にはなじみの無い文化や習慣が紹介されています。

 

またリンクに掲載されているラムを日本から通信販売で購入することもできますので

興味のある方はメールにて問い合わせてみてください。

 

 


 

最近売り切れたボトルです。

シャンタルコントのモンターニュプレ1975・キングスバリーのデメララ1976・ブラッカダーのデメララ1992ラフロイグカスクです。

どれも美酒でした。特にモンターニュ・プレはアマーロの古酒のような成熟した複雑さがあり、素晴らしかったです。

 

 

今年も残りわずかとなりました。

今朝の散策で訪れた平安神宮の大極殿にはすでに神獣の幕が吊られ

帰路に通った八坂神社の本殿もひっそりと初詣仕様になっていました。

あと数日後には大勢の人々で賑わうのでしょうね。

 

この店で年を越すのは今回が初めてです。

とても楽しみにしています。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円                TEL 075-211-1721
3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます。

小さな店でございますので勝手ながらお一組3名様までにてお承りさせていただきます。

ラム特集です “男の隠れ家”

 

凄いラム特集です。

昨日発売された雑誌“男の隠れ家”2014年1月号が

一冊ほぼ使ったラムの総力特集になっています。

 

 


 

特にラムの歴史の記事は画期的です。

ラムの通史が一般向けに日本語で書かれたのは初めてではないでしょうか。

監修されたラム協会の皆様の労力に頭が下ります。

私もラムの普及に一層の力を注がねばと、気持ちを新たにさせられました。

 

ラムに興味をお持ちの方には必携の一冊です。

是非ご購入の上お手元に置いていただきたいと願います。

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

ドメーヌ・ド・クルセル  1972-2003

 

開封いたしました

ドメーヌ・ド・クルセル 1972-2003

Domaine de Courcells 1972-2003 /42%

H 1500 / F 2800

 


 

カリブ海の仏領グアドループ島の閉鎖蒸留所より

長期熟成ラムの御案内です。

 

仏領のラムらしい艶っぽい甘さとりんごのような酸味を含んだ果実香に

複雑で多層的な味わいとやや粗い質感は上質なアルマニャックを想わせます。

 

樽由来の抑えたビター感が全体を引き締め

極上のスコッチやコニャックにも比肩し得る美酒です。

是非お試し下さいませ。

 

写真右奥は1972-2007です。

ドメーヌ・ド・クルセルの1972は瓶詰めの時期違いで数種あり、当店で取り扱ったものは

 

1972-2003 42%

1972-2005  54% black bottle,Velier

1972-2007 42%

1972-2008 47% for Rhum House,Switzerland

1972-2011 42%

1972-2011 54.3%

 

以上6種です。

他にはグアドループのダモワゾーのショップでトール瓶の1972と1948を見ましたが

購入しませんでした。後悔しています。

1972-2008は58%もあるようです。

 

問題はこの中で上掲の1972-2003のみが自然な辛口のラムで

他はヴァニラなどの漬け込みを行ったであろうフレーバード・ラムだということです。

 

事前情報無しでそれを判断することはできませんので

開封するまで内容がわかりません。

 

フレーバード・タイプはラムならではのユニークな製品で私も愛好していますし

熟成による深みのある蒸留酒と甘いリキュールの中間的な存在として

もっと注目されても良いと思いますが

通常の熟成蒸留酒と思って購入された方は驚かれるでしょう。

 

ましてやそれが初めて購入されたラムだったとしたら

「やはりラムは独特の甘味があってウイスキー党の私には合わないな」

というような感想をもたれてしまうかもしれません。

 

ラムの魅力はその多様性にあります。

しかしそれは同時に不幸なミスマッチが発生する要因ともなり得ます。

求めているものと全く違ったものが出てくる可能性が高いのです。

 

今現在日本でラムを専門的に扱っている店はそう多くありません。

お客様もスタッフも皆ラムを愛する方ばかりです。私もそうです。

 

愛好家にとっては銘醸地の上質なラムも、大手の気軽なものも、僻地の珍品も愛おしいものです。

ストレートでも、オン・ザ・ロックでも、カクテルでもなんでも飲みます。

 

しかし多くの方はそうではありません。

ご自身の嗜好に合うものを求めていらっしゃいますし

そうでないものは避けたいと思うのが当然でしょう。

 

「ラムを家にも置きたいけどどれを買えばいいのかわからないんです」

というお話をよく伺います。

残念ながら現在のラムの流通・販売の区分では対応できないでしょう。

 

ウイスキーも多様性のあるお酒ですが

スモーキーか、こくのあるシェリー樽熟成か、あるいはバーボン・ウイスキーなのか

購入するまでわからないなんてことはそうはありませんし

それでは怖くて買うことができませんよね。

 

より多くの方にラムの魅力を知っていただくために

その分類方法に

産地や製法からのみならず

消費のスタイルからの視点も取り入れなければなりません。

今後はそれに取り組んで

具体的な銘柄と共に皆様にご報告していきたいと思っています。

どうかお付き合い下さいませ。

 

 


 

最近売り切れたボトルです。

バリーのファミリー・リザーブは人気で早かったですね。これはまた扱いたい極上の一本でした。

あとはフィレンツェのワイン商のデメララと、ラムネイションのデメララ1973、ダモワゾーの1980です。

ダモワゾーは近年では最高の出来ですよ。まだネット上にありますので御自宅用にお奨めいたします。

 

 

急に冷えて参りました。

ホット・バタード・ラムも始まっています。

今年はレシピを大きく変えてデミタス・カップでの御提供です。専門店ならではの味をお試し下さい。

 

 

 

先月末は初めて鞍馬の火祭りに行ってきました。

皆様から行き帰りの交通が混んで大変と散々伺っておりましたが

確かに叡山電鉄は満員でした。

 

宵闇の深閑とした山中に

勇壮な若者達が火の粉の散る巨大なたいまつを担いで練り歩く姿は迫力です。

 

帰りは鞍馬駅から電車に乗るのに一時間ほど待たされましたが

駅員さんの誘導も的確で皆整然と並んでストレスもありませんでした。

 

森の向こうの仄かな火影を眺めながら

オリオンの内に流星を探していると

あっというまに時間が過ぎました。

 

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8017 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番より北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休     チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

ナインリーヴス蒸留所訪問記 #3

 

ナインリーヴス蒸留所訪問記の続きです

前回は再溜の工程までを御紹介いたしました。

 


 

蒸留液はいったんタンクに貯められ、加水・フィルタリング・ボトリングされて完成します。

加水するのはもちろん仕込み水と同じ鉱山の湧水です。

驚くべきことに、ミネラル除去も加熱殺菌も行わない生水での加水だそうです。

 

これは日本では珍しい非加熱ミネラル・ウォーターの採水地だからこそできることで

蒸留酒の加水に使われるのは、知る限り世界でも稀な例だと思います。

 

 

蒸留所のすぐ横の木々の間にトロッコの線路跡があり

 



 

木々の奥に坑道の入口があります。

 



 

中は夏でも寒いほどです。

急勾配で下ります。

廃坑の設備は錆びて朽ちています。

 


 

50m程下ると、突如大聖堂の内陣のような巨大な空間に出ます。

鉱脈を掘った跡です。

 



 

さらに奥へ

 



 

天井の低い坑道を屈んで進むと

 



 

水源です。

冷たい岩深水が噴出しています。

 



 

坑道は更に深く、ずっと下へと続いていましたが

とてもそれ以上は進めませんでした。

 

この美しい水を加えて、ナインリーブスは完成します。

 

 



 

 

こうして造られたNINE LEAVES CLEARは、どうお飲みいただくのが良いのでしょう。

 

華やかな香りと重厚で複雑な味わいは、是非そのままでお愉しみいただきたいところです。

陶酔していただける品質です。

 

しかしまだ本邦では皆様ホワイト・ラムの香味に慣れておられませんし

初めは気軽にお試しいただけるカクテルも御提案させていただきます。

 

 

世界のラムの例を見ても

まずはシグネチャー・カクテルで香味を知って、慣れていただき

それから徐々にお酒そのものへの興味をもって愛好していただくのが

定石かと思います。

 

生産者の竹内氏のお勧めは、コーラで割ったカクテル、“クバ・リブレ”です。

御一緒した銀座 Bar Lampの中山氏によって“滋賀リブレ”と名付けられました。

 


 

滋賀リブレ

 

ナインリーヴス・クリア 45ml

ライム 1/4カット

瓶のコーラ 適量で満たす

 

コーラは強い味わいで混ぜた酒の味を染めてしまいますが

染まらないナインリーヴスあってこそのカクテルです。

飲み易く、かつ個性も主張して、シグネチャー・カクテルに最適です。

ネーミングも洒落ていて、語感も良いです。

 

 

私も真似て考案いたしました。

ピニャ・コラーダのナインリーヴス版で、“琵琶・湖ラーダ”です。

 


 

琵琶・湖ラーダ

 

ナインリーヴス・クリア 40ml

モナン・ココナッツ・シロップ 15ml

生クリーム(牛乳で代用できます) 10ml

パイナップル・ジュース 80ml

カット・パイン 1/4 リング (カットして冷凍保存できます)

 

以上をクラッシュ・アイス1カップとともにミキサーにかけ、ゆるいフローズンにします。

 

これも香味の強い副材料を使い、ナインリーヴスならではの個性を引き立てました。

子供っぽい名前ですがおいしさには変わりありません。

 

 

もう一つ、これからの秋冬に向けて、身体の温まるジンジャーのカクテルも考えました。

バーミューダのゴスリング・ラムのシグネチャー・カクテル“ダークン・ストーミー”のアレンジで

“ダークン・スト近江”です。

 


 

ダークン・スト近江

 

ナインリーヴス・クリア 45ml

フィーバーツリー・ジンジャービア 100ml

ライム 1/4カット

 

小さめに砕いた氷とともに、銅のマグカップに満たす。

 

ラムのモスコミュールですね。シンプルでおいしいですよ。

名前はもっとセンスのある人に付け直してもらいたいですね。

 

 

次回はナインリーヴス・熟成編です。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます

ナインリーヴス蒸留所訪問記 #2

 

8月に訪問した滋賀のナインリーヴス蒸留所のご報告の続きです

 



 

蒸留所の内観を拝見した時は驚きました。

かつて訪れたどのラムの蒸留所とも全く違った構成になっていたからです。

 

竹内氏がどの国のラム生産の様式を参考にされたのか知りたくて

「海外ではどの蒸留所を視察されましたか」 と尋ねると

「グレンファークラス・グレンリヴェット・グレンフィディックです」と答えられました。

 

ナインリーヴスは

スコッチ・ウイスキー生産の技法を応用して

新しい日本のラムを産み出す蒸留所です。

 



 

蒸留所の内部の全景写真です。

生産設備がコンパクトに機能的に配置されています。

 

1. 1回の仕込みは最大1000ℓ。120kgの黒糖をハンマーで砕き、左端の緑色のタンクで熱した仕込み水に溶かす。

2. 左の銀色の2つのタンクが発酵槽。冷ました溶液に国産パン酵母を加え約4日発酵。6~7%のアルコール度数に。

3. 左の初溜釜で一回目の蒸留。右端のボイラーで釜内部の蛇管に蒸気を通して加熱。18%で300ℓに。

4. 右の再溜釜で二回目の蒸留。中央のスピリット・セーフで蒸留液を選別。58%100ℓで完成。

 

 



 

ナインリーヴスの蒸留釜の形状には不思議な違和感を覚えます。

一対二基のそれぞれで

釜の目的が全く異なるからです。

これでスコッチ・ウイスキーを造るなら特殊な例になりますが

“日本で” “ラムを” 造るには理に適っているのです。

 

一般に背の低い釜は重い酒質を

背の高い釜はすっきりとした酒質を生み出します。

 



 

ナインリーヴスの初溜釜は前者のタイプです。

秩父蒸留所のそれを意識して造られた釜は

発酵した黒糖の香味を余すことなく凝縮します。

 

再溜釜は後者です。

グレンモーレンジを意識して造られ

初溜液の中から特に揮発性の高いエステリーな部分を、

バルジ付きのロング・ネックがゆっくりと取り出します。

これは木樽での熟成が必須なウイスキーと違って

蒸留液がそのまま完成形ともなるラムを造るためのものです。

 

ナインリーヴス・クリアは吟醸酒のような華やかな香りが身上です。

それはこの再溜釜の形状に因るところが大きいでしょう。

 

ではなぜ初溜釜はネガティブな部分も含めて多くの要素を取り出す形なのでしょう。

実は日本の蒸留所では本場スコットランドでは出来ないとされていることが出来るからなのです。

それは

 



 

スピリット・セーフの蓋を開けて随時官能検査をしながら選別することです。

スコットランドのフォーサイス社製のこのスピリット・セーフにも

立派な錠前を付ける部分がありますが

鍵は掛けられておりません。

 

本場では税制上の慣習で、技師がスピリット・セーフの鍵を開けることはできません。

そのため比重計とタイマーを見てカットの判断をしなければなりませんが

ナインリーブスでは竹内氏が常に香味を確認しながらカットする部分を決めていきます。

そのための釜の形なのでしょう。

 

香りの良いヘッドの部分を極力多く取り出し

ミドルの途中に変則的に現れる焼酎様の香味の部分を更に精査して取り除き

テールの粘土のような風味の予兆をいち早く感知することができるのです。

 


 

 

大きな資本力を持った大きな蒸留所でしか出来ないこともあります。

逆もまた然りです。

ナインリーヴスはその創立の理念通り、竹内氏の手が隅々まで行き届いた山中の草庵のような蒸留所です。

 

 

 

 

Rum and Whisky   (ラム・アンド・ウイスキー)

604-8014 京都市中京区木屋町三条下る材木町188-3 光ビル4階東 (木屋町交番から北に7軒目)

20時から翌4時 火曜休  チャージ500円

3時以降でノーゲストの場合は閉店させていただくことがございます

小さな店でございますので僭越ながら御一組3名様までにてお承りさせていただきます。

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